八幡系 (12) 正統を引く、少し崩れた二枚目 ― 2010年09月22日 23時31分26秒
(東近江市蛇溝町)
この鍾馗さんも、特徴を備えた典型的な八幡系です。
ごらんの通り、なかなかのイケメン。
衣装に彫られた文様も非常に繊細でトップクラスの細工。
元々は大棟の端で、巴瓦をまたいでお寺に対峙していたと思われますが、
新居では軒下をあてがわれて、若干居心地が悪そうです。
反対側から見るとこんな顔になります。
左右の目の大きさがずいぶん違ってアンバランスなのが
気になって仕方がありません。
今回のシリーズの最初の方で紹介した、
超絶技巧の鍾馗さんたちに比べるとサイズも小さめで、
技術的にも少し差があるように思えます。
寺本仁兵衛作の立派な鍾馗さんは手が届かなくても
これくらいなら一般民家でも手が届き、サイズも手ごろ。
この鍾馗さんは唯一無二で、他では見つかっていませんが、
八幡系鍾馗にも、低コストで徐々に量産可能な「型もの」が
現れて以降は手びねりで普及していったと思われます。
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