まだ一歳だよ2014年01月07日 23時28分27秒

昨年6月30日に京都市東山区安井北門通で見つけたこの鍾馗さん、

京都安井北門通の鍾馗さん

博物館収蔵室#1508

例によってググっていたらルーツを発見しました。
この鍾馗さんの写真がありました。

この記事によれば焼き上がっての引き渡し日が2012年11月25日で
半年後に私の眼に留まったことになります。
こうして新しい鍾馗さんが町の仲間に加わってくれるなんて、
なんて嬉しい事でしょう!

まか通プロジェクトといえば、先日五条に鍾馗神社を立ち上げておられたことを知り
おとんさんの掲示板で物好き仲間で盛り上がっていたところです。

ぜひコラボしてみたいな(^^♪

この鍾馗さんの情報求む!2013年11月15日 22時51分06秒


上京区森中町の鍾馗さん
京都市上京区黒門通椹木町上ル森中町

あつらえたと思われる宮に入り、ご丁寧なことにガラスが入っています。
ここまで大事に祀られている鍾馗さんは珍しいのですが、
服部さんの知り合いの情報では、この鍾馗さんがいなくなってしまったそうです。

家が改修されたか何かで様子が変わり、この鍾馗さんも見あたらないとか・・

服部さん著書「洛中洛外の鍾馗」、拙著「鍾馗さんを探せ!」
どちらにも登場しているこちらの鍾馗さん。
どこかで生き延びていると信じたいです。

消息について、何かご存じの方がいらっしゃいましたら。ぜひお知らせください。

2013/3/30 丹波、篠山、福知山2013年04月30日 10時58分55秒

フィールドワーク優先ですっかりアップが遅くなってしまいましたが、去る3月30日、服部さん、おとんさんと共に兵庫県丹波市在住の三河屋茂兵衛さんに、丹波地方の鍾馗さんを案内していただきました。

兵庫県丹波市、篠山市、京都府福知山市に点在する24体を一日で走り回っていただいたのですが、以下の写真のとおり、ほとんどが手作りの一品ものと思われます。
これまでほとんど存在しないのではないかと勝手に思っていた、丹波地方の鍾馗分布が塗り替えられました。

博物館への収録は少し先になりそうなので、しばらくはこちらをご覧ください。

もっときれいな写真をご覧になりたい方はこちら
 鍾馗を探そう  丹波・篠山 編    福知山編

丹波市氷上町黒井の鍾馗さん
丹波市氷上町黒井 【1472】
鬼はとても大きく、反対側には二本の脚が突き出ています。

丹波市氷上町谷村の鍾馗さん
丹波市氷上町谷村 【1473】

丹波市氷上町谷村の鍾馗さん
丹波市氷上町谷村 【1474】

丹波市氷上町谷村の鍾馗さん
丹波市氷上町谷村 【1475】

丹波市山南町北和田の鍾馗さん
丹波市山南町北和田 【1476】

丹波市山南町北和田の鍾馗さん
丹波市山南町北和田 【1477】

丹波市山南町井原の鍾馗さん
丹波市山南町井原 【1478】

篠山市西町の鍾馗さん
篠山市西町(魚屋町?) 【0620

篠山市西町の鍾馗さん
篠山市西町(魚屋町?)  【1479】
木造鍾馗は珍しく、見るのは三点目(

篠山市福住の鍾馗さん
篠山市福住  【1480】

篠山市福住の鍾馗さん
篠山市福住  【1481】
上の鍾馗さんとは同じ家、前後にあがっています。

篠山市小田中の鍾馗さん
篠山市小田中  【1482】

篠山市小原の鍾馗さん
篠山市小原  【1483】

福知山市萩原新町の鍾馗さん
福知山市萩原新町  【0741
リンク先の綾部の鍾馗さんとは間違い探しのようにそっくりです。

福知山市上野の鍾馗さん
福知山市上野  【1484】

福知山市三俣の鍾馗さん
福知山市三俣  【1485】

福知山市長田の鍾馗さん
福知山市長田  【1249

左手の鞘に刀身らしきものが覗いています。でも柄は右手にあり何か変です。

福知山市猪崎の鍾馗さん
福知山市猪崎  【0751

福知山市三和町草山の鍾馗さん
福知山市三和町草山  【1486】

福知山市三和町草山の鍾馗さん
福知山市三和町草山  【1486】
上の二体は同じお宅です。1センチはありそうな袖の厚みがいい。

丹波市市島町酒梨の鍾馗さん
丹波市市島町酒梨  【1487】


一日でこれだけの鍾馗さんを眼にすることができるなんて幸せ者(^^v
三河屋さんに感謝です。
その後も既に西脇市で新たな鍾馗さんを発見されたそうで、これからもよろしくお願いします。

2013/2/23 京都伏見2013年02月26日 22時04分18秒

三週連続の京都遠征です(^^;

今回は服部さんと一緒の探索。
おとんさんもご一緒するはずでしたが体調不良で急遽欠席。
中書島駅から二人で歩き始めました。
先週、先々週は雪もようのお天気でしたがこの日は晴れ。
空気は冷たいものの風はなく、まずまずの探索日和でした。

伏見の町は現在は行政上は京都市に含まれ、市街地もつながって一体化してしまっていますが、元来は京都からは独立した別の町。

鉄道輸送が始まるまで、京都への物資輸送の主役は船でした。
船は荷車や牛馬に比べ、はるかに効率的に物を運ぶことができます。
淀川が京と大坂を結ぶ物流の大動脈で、伏見はその河港として大繁栄していました。
全国から大坂に集まる物資は淀川で伏見まで運ばれ、鴨川や高瀬川を使って小ぶりな舟などに載せ替え、あるいは陸路で京まで運ばれたのでしょう。

(以上、朧げな知識と想像に頼って書いておりますのであまり真に受けないように・・)

実際に伏見の町を歩いても、街場の範囲が非常に広く、建て替えによりすっかり虫食いになっていますが、思わぬところで歴史を感じる古民家に出くわし、かつて、この町があらゆる商売で栄えていたのだろうと想像できます。


今回は探索するにあたり、あらかじめGoogleストリートビューでバーチャル探索し
四十体近くの鍾馗さんをピックアップしていました。
以下、目にしためぼしい鍾馗さんです。

伏見区京町通の鍾馗さん
伏見区京町通

釉薬のかかった新しい鍾馗さんです、一軒 #084 かと思いましたが、
草津市で一体だけ見たことがある #652 のようです。


伏見区丹波橋町の鍾馗さん
伏見区丹波橋町

ストリートビューでは翻る裾が目立ち、新種かと期待していましたが
#015 の亜種でした。 型物が大部分の#015の中では異色の、素朴な造りです。


伏見区榎町の鍾馗さん
伏見区榎町 #1454 として収録

伏見区榎町の鍾馗さん
同  #1455 として収録

上記二体は同じ家にあります。型物の#135と三体並んでいます。
一見よく似ていて兄弟だと思いましたが、細部に共通点がなく、
まったく別種の鍾馗さんでしょう。


伏見中之町の鍾馗さん
伏見区中之町 #195 に掲載

ストリートビューではよく見えず、来てみてびっくりの鍾馗さん。
近くにある浅田製瓦工場の初代 浅田徳三郎氏の作品に間違いないと思われます。
工場に保管されていた同じ鍾馗さんを見たことはありますが、町で見たのは初めて。
保存状態も良く、細工の精巧さに職人の執念を見る思いです。


伏見区堀詰通の鍾馗さん
伏見区堀詰通 #1456 として収録

この鍾馗さんは変哲のないアパートの壁に置かれていて、ストリートビューでは見逃していました。
京風のマイルドな鍾馗さんですが、標準サイズに比べるとかなり大ぶりで、初めて見る鍾馗さんです。


伏見区堀詰通の鍾馗さん
伏見区堀詰通 

伏見区堀詰通の鍾馗さん
同  どちらも #1039 に掲載

京都には珍しく大棟の上にあるのでストリートビューでは見えません。
下の鍾馗さんは1階の屋根で空を見上げています。

服部さんの著書「洛中洛外の鍾馗」で異彩を放っていた
今はなき「ふくろう鍾馗」の兄弟です!

山科髭茶屋屋敷町上鳥羽八王神町の二体 に続く合計五体目ですが、
二階の鍾馗さんは「本家」に一番似ているように思います。


この日、15kmほど歩いて93体の鍾馗さんを目にしました。
この密度は京都洛中なみ。
伏見、あなどれません。

2013/2/16 京都洛外2013年02月21日 22時43分13秒

二週連続の京都ですが、市街地でローラー作戦を展開した前回と違って
今回は郊外で旧街道とお寺を巡る巡礼旅。

洛西から洛南方面、阪急東向日駅を起点に向日市寺戸町→南区久世→伏見区久我
→南区上鳥羽→唐橋→吉祥院→西京区桂 と巡って桂駅がゴールの約27km。

この日も晴れたり曇ったりしながら終日雪がちらつく寒い日でした。

たぶん最高気温は5℃未満。滅多にしないマフラーを巻いて完全武装です。


歩き始めて早々に発見した鍾馗さん、ただし事前にストリートビューでチェック済(^^)
向日市寺戸町中垣内の鍾馗さん
向日市寺戸町中垣内  #1450 として収録

手足のバランスも顔の造作もどこか変で、洛中では少ない素朴派ですね。


京都市伏見区久我本町の鍾馗さん
京都市伏見区久我本町  #1451 として収録

これまた味のあるお顔。思いっきり離れた両目の間には眉が入り込んでいる。


京都市南区上鳥羽堀子町の鍾馗さん
京都市南区上鳥羽堀子町  #1452 として収録

どこかで見たような気がするのですが、結局わからず新種登録します。
上2体と違って、京街道(千本通)沿いの街場にあるので鍾馗さんも京風です。


京都市西京区桂巽町の鍾馗さん
京都市西京区桂巽町  #1453 として収録

こちらは服部さんの情報。
なんとイタリアンレストランにあがっています。
右手に剣を持つ姿は鍾馗さんだと思うのですが・・
この鍾馗さん、木彫りです。


route_walked20130216

この日のコースは赤い線。


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みちくさ学会に久しぶりに記事を掲載しました。


2012/6/10 京都2012年06月16日 10時50分39秒

吉例の土曜日が雨だったため、一日ずらして日曜日に京都を歩いてきました。

本を出したものの、まだまだ訪れていない所は数多く、
あちこちにまだ見ぬ鍾馗さんが隠れているのではないかと思っています。

今回は下京区の西の端にあたる、梅小路、西七条あたりを集中的に歩きました。

本ではこのエリアからはただ1体、この鍾馗さんを紹介しています(P85 No.127)が、
実はこのあたりは全然歩いたことがない。

下京区御前通の鍾馗さん

このエリア、およそ史跡、名所の類はなく、観光客は皆無。
私もこれまでほとんど立ち入ったことがないところですが、
空白地帯として残しておくのも気持ち悪いので、今回歩いてみました。

思いのほか古い町屋も見られ、たくさん鍾馗さんも見つかりましたが
京都のレギュラー陣ばかりで、珍しい鍾馗さんはなし。

エリアは旧市街地の外れにあたるようで、東の方はかなり町屋が目立ちますが
西大路に近づくと新しい住宅ばかりになってきます。
「しらみつぶし」探索はこのあたりまでで、これより外は古い集落を縫い歩く、
他地域と同じ探索方法に切り替えても良さそうです。


そのあとは五条通をひたすら東に向かい、五条楽園に行きました。
ネットで見つけた鍾馗さんを目当てにうろうろし、無事発見。
おまけもありました。

五条通の鍾馗さん
五条間之町西入ル 量産型#0015の突然変異?

五条楽園の鍾馗さん
五条楽園  明らかに奈良系です。

五条楽園の鍾馗さん
五条楽園  こちらは近江系?


この日歩いた距離は約30km。 地図上の赤い線です。
歩いたルート

map2
次はこの上あたりですかね (^^;


この日見つけた鍾馗さんは81体。
町はずれといっても沢山あるものです。


2011/4/16 京都で2011名残の桜2011年04月19日 00時15分37秒

昨年は4月17日に京都の桜を見に行きました。

今年もほぼ同じコース、
平野神社→雨宝院→白峰神社と西陣周辺を巡った後、
東山方面へ。
昨年より花は遅れていて、平野神社ではソメイヨシノは盛りを過ぎていましたが
他はほぼ満開。

一葉(平野神社)
一葉・平野神社

胡蝶(平野神社)
胡蝶・平野神社

朱雀(平野神社)
朱雀・平野神社

松月(平野神社)
松月・平野神社

太白(平野神社)
太白・平野神社

大内山(平野神社)
大内山・平野神社

鬱金(平野神社)
鬱金(ウコン)・平野神社

歓喜桜(雨宝院)
歓喜桜・雨宝院

御衣黄(嘉楽中)
御衣黄(ギョイコウ)・嘉楽中学校

御衣黄(白峰神社)
御衣黄・白峰神社

御衣黄(二年坂)
御衣黄・二年坂

雨宝院の御衣黄だけはまだまったくつぼみのままだったので写真なし。

これは昨年の写真です。
御衣黄(2010年 雨宝院)

同じ御衣黄という名前ですが、
花の姿は他の三か所とずいぶん違いますね。
品種が違うのかなあ。

ちょっと調べてみると、雨宝院の御衣黄以外は全部、鬱金のように
思えてきた。まあ、どちらでもいいですけどね。

それにしても4月中旬とは思えない寒い日でした。
風が強く、花びらを盛大に散らします。
桜吹雪
桜吹雪を写したつもりでしたが、光が弱くてシャッタースピードが遅すぎ、
本当の吹雪のようになってしまいました。



花と食いしん坊が目的の旅でしたが、
少しだけ鍾馗さんを探索したところ、

上京区今小路通の鍾馗さん

北野天満宮に近い、上京区今小路通で発見。
素朴ながら、力強い造形。
京風鍾馗さんとは対極にあって、
小さな子供が見たら怖がりそうですね。

【墓碑銘】失われた鍾馗さん2011年01月19日 00時25分15秒

鍾馗さんは基本的には減る一方です。
再訪してなくなってしまったことを知ることはしばしばで、
なんとも寂しいものです。

ここ最近、失われたと思われる鍾馗さんを紹介いたします。
上京区五辻通の鍾馗さん【消失】
京都市上京区五辻通 【0203

風化して鍾馗さんだかなんだかわからない、木彫りのちいさな鍾馗さんでしたが、
家の改修に合わせて撤去されたのではないかと思います。


上京区六番町の鍾馗さん【消失】
京都市上京区六番町 【0595

服部さんの著書でも紹介された京都には珍しい大棟の鍾馗さん。
最新ストリートビューで見ただけなのですが、なくなっています。
こちらも家の改装に合わせて取り外されてしまったのでしょうか。


知多市新知の鍾馗さん【消失】
愛知県知多市新知 【0005

車で通りがかっただけですが、この家があったはずの場所には建売住宅が
数棟建っていました。建替えられてしまったようです。


西尾市瓦町の鍾馗さん【消失】
愛知県西尾市瓦町 【1068

こちらの家はま新しい新築戸建て住宅に替わっていました。
鍾馗さんは影も形もありませんでした。


ほとんど省みられることもなく消えていった鍾馗さんたちへの
ささやかな手向けのつもりです。


【0127】らいおん鍾馗2010年08月27日 23時32分07秒

昨日の記事の集合写真では、[A]に相当する鍾馗さんです。

 従来の【0128】を統合しました。本宅博物館の更新はしばらくお待ちください。

【分布と記録数】 奈良県(69)、京都府(16)、大阪府(2)  合計 (87)
【リンク】 博物館・収蔵室(#0127) 博物館・収蔵室(#0128)


橿原市今井町の鍾馗さん
(橿原市今井)

田原本町の鍾馗さん
(田原本町)
上のふたつはほとんど違いはありません。
目立つ違いと言えば、バックルのような腰紐の結び目の形くらい。
それでもこの2種の分布域は
橿原市、天理市など、奈良盆地の東部では上のタイプ、
斑鳩町、広陵町など西部では下のタイプとくっきりと分かれています。

京田辺市田辺北里の鍾馗さん
(京田辺市田辺北里)
顔つきの印象が異なるため、従来は別種としていましたが、
今回まとめることにしました。
写真の鍾馗さんは比較的違いが分かりやすいほうですが、
中間的な特徴の鍾馗さんもいたりして、悩まされていました。

天理市櫟本町の鍾馗さん
(天理市櫟本町)
こちらは鬼を踏みつけています。

大和郡山市田中町の鍾馗さん
(大和郡山市田中町)
正面からの撮影でなく、暫定登録。

奈良市芝新屋町の鍾馗さん
(奈良市芝新屋町)

これは変り種。唯一自然な立ち姿で他と違って見えますが、
上半身だけ見れば疑いなく仲間とおもわれます。

【0258】ほぼ奈良県限定の"大"ちゃん2010年08月23日 22時36分21秒

【分布と記録数】 奈良県(49)、大阪府(7)、京都府(1)  合計 (57)
【リンク】 博物館・収蔵室

大阪、京都でも少数見つけていますが、
大阪では柏原、八尾。京都では木津と奈良の隣町ばかり。
奈良県内では大和郡山市を中心として県西北部に多く見られますので
このあたりで生産されていたのだと思います。

大和郡山市小南町の鍾馗さん
(大和郡山市小南町)
これが標準タイプです。帽子に二つ並ぶ排気口のような穴がトレードマーク。


以下の鍾馗さんはトレードマークと表情で、兄弟とわかりますが、
いずれも発見は1体きりの突然変異です。

桜井市桜井の鍾馗さん
(桜井市桜井)
左手の下に銘が見えます。
へぼい写真で判読できなかったため、再訪しましたが、
家ごとなくなっていました。

柏原市本郷の鍾馗さん
(柏原市本郷)
握った拳を微妙に上げたこのポーズは類例がありません。
鬼じゃないんだからちょっと変ですね。

奈良市大柳生町の鍾馗さん
(奈良市大柳生町)

それにしてもこの帽子。ガンダムっぽくて不思議です。
何を見ての造形なんでしょう。