やっぱ痒い!2011年02月25日 20時01分27秒

昨日の続き。
おとんさんから痒そう!というコメントをいただいて、
ふと、ちょっと前の写真と見比べてみました。

苔の増殖

左は2006年7月、右が先日の土曜日です。

やっぱり着実に苔が大きくなっている。

取ってあげたいですね。

以前に加西市の鍾馗さんを訪ねて市の学芸員の方にお会いしたとき、
「苔むした鍾馗さんに傷や手垢をつけたくなかったので、
苔をピンセットで丁寧に取りました」とおっしゃるのを聞いて
感動したことを思い出しました。

やっぱ変だ!2011年02月24日 22時56分19秒

伊賀上野でひときわ変な鍾馗さん。
伊賀市上野西大手町の鍾馗さん

このブログでも、博物館でも、みちくさ学会でも紹介してきていますが、
今回の再訪でも健在でひと安心。

でかい顔にアンバランスな細い身体。
妙に胴が長くて、むき出しの脚はずいぶん低いところからぬっとでています。
走っているようにみえますが、脚の向きと身体の向きは合ってなくて
横走り状態。

左手は振り上げているように見えますが、右手の状態は不明。
何のポーズなんだろう?

ということで、横から見たところを写してきました。

伊賀市上野西大手町の鍾馗さん

左手は頭の上に振り上げています。

伊賀市上野西大手町の鍾馗さん

ありゃ、右手も同じように振り上げていた。

伊賀市上野西大手町の鍾馗さん

これは以前の写真ですが、改めてみてみると確かにオーバースローで
振りかぶった投手のよう。
握った両手の前にあるのは刀の鍔?
ということは刃は手前に向かって突き出ていたのか?
勢いをつけて正面の敵に刀を突き立てる瞬間でしょうか。

現在の雰囲気には似合わず、ずいぶん物騒なポーズだし、
そんな鍾馗さん、他に見たことがないなあ。

やっぱりこの鍾馗さん、謎めいて面白い。

仲良く並んだ鍾馗さん2010年09月04日 23時59分54秒

伊賀市の最終回です。

本宅「鍾馗博物館」の収蔵室では分類を主眼においているので、
写真のように並んでいる鍾馗さんも泣き別れになっています。
右が【0578】、左が【0579】ですが、
実際はこのようにくっついて置かれています。

伊賀市上野西大手町の鍾馗さん
(伊賀市上野西大手町)

同じ鍾馗さんが複数置かれている家は珍しくないのですが、
こうして全然違う鍾馗さん、それもどちらもレア物というのは
結構珍しい例です。

左の鍾馗さんは右手が欠損していますが、
兄弟のような下の鍾馗さんから想像すると、
やはり右手は水平に大きく手のひらを開いて、
「あいや、待たれい!!」とやっていたのでしょうね。

伊賀市東條の鍾馗さん
(伊賀市東條)

浦島太郎風 二題2010年09月03日 23時48分02秒

まだ伊賀市にいます。

郊外の集落で見つけた鍾馗さんですが、
何度見ても腰蓑が浦島太郎に思えます。

伊賀市西明寺の鍾馗さん
【1015】(伊賀市西明寺)

同じく伊賀市内でこんなのも。
伊賀市柏野の鍾馗さん
【0254】(伊賀市柏野)

こちらも腰蓑です。
今は針金を持っていますが、両手に何かを通すように作られていて
もともとは釣竿でも持っていたのかも?


伊賀上野に逗留2010年09月02日 23時39分13秒

ひょんなことで伊賀上野の鍾馗さんを紹介して、
まだまだ紹介したい鍾馗さんがたくさん残っていることに気が付いたので
もう少しこの町に滞在することにしましょう。

伊賀市上野東日南町の鍾馗さん
【0556】(伊賀市上野東日南町)

がっしりした鍾馗さんが多い伊賀市では異色のひ弱な鍾馗さん。
なんとも頼りない手足で、鬼から護ってくれるのかかなり心もとない気がします。
同様の頼りない鍾馗さんはこちらにも。
 【0724】伊賀市上野池町


上野城の南側に広がる旧市街では、あちらこちらで鍾馗さんを目にします。
そして希少性の高い、伊賀上野独特の鍾馗さんが多いのもここならでは。
街並みを散歩しがてら、鍾馗さんを探すには最適の小さな町です。

伊賀上野中心部の分布図
●が鍾馗さんの位置

謎の模様-三重県伊賀市2010年09月01日 23時52分10秒

上野を中心とする、三重県伊賀市はこのブログでも何度も取り上げていますが
珍しい鍾馗さんがあちこちで見つかる、鍾馗探訪には最高!の町です。

伊賀市で見つかる鍾馗さんのうち、かなりの割合で今日紹介する共通の文様が
見られ、何か意味があると思うのですがよくわかりません。

ご存知の方がいらっしゃればぜひ教えてください。

伊賀市東條の鍾馗さん
0579】(伊賀市東條)

胸のところに釣り針状の三本線が入っています。
この鍾馗さんの場合は下向きに三本。

伊賀市上野相生町の鍾馗さん
0585】(伊賀市上野相生町)

この鍾馗さんの場合は上向きなので、草みたいです。

伊賀市上野向島町の鍾馗さん
0844】(伊賀市上野向島町)

下向き、5本線。

伊賀市上野忍町の鍾馗さん
0554】(伊賀市上野忍町)

下向き、2本線?

伊賀市上野愛宕町の鍾馗さん
1122】(伊賀市上野愛宕町)

下向き、4本線


ご覧のとおり、見た目は全然違う鍾馗さんたちの
胸の模様だけが共通で、これまで模様を確認したのは15体ですが、
うち14体が伊賀市内で見つかっており、他の地域では見つからないというのも
謎めいています。
残りの1体は隣町、滋賀県甲賀市)


ひょっとして伊賀忍者の符牒か何か? まさかね。

【0583】二刀流!?2010年08月31日 23時30分35秒

どてらを着たような鍾馗さん、伊賀上野市街地で2体のみ発見。
あちこち違いがありますが、見間違いようのない個性で
兄弟なのは一目瞭然です。

伊賀市上野向島町の鍾馗さん
(伊賀市上野向島町)

伊賀市上野新町の鍾馗さん
(伊賀市上野新町)

ちょっと左手の持ち物がよく見えないのですが、
下の鍾馗さん、二刀流のようです。

上の鍾馗さんも、両手の持ち物は失われていますが、
そういう目線で見ると、二刀流だったと見えないこともない。

おとんさんがサウスポーの鍾馗さんを追究されていて、
結構たくさんあることがわかってきましたが、
二刀流は他に見た覚えがありません。

【0071】石造りまである謎の鍾馗2010年08月25日 23時20分10秒

【分布と記録数】 三重県(25)、愛知県(24)、大阪府(3)、岐阜県(2)、
           奈良県(2)、神奈川県(1)  合計 (57)
【リンク】 博物館・収蔵室

松阪市魚見町の鍾馗さん
(松阪市魚見町)
これが標準タイプ。
愛知県、三重県では各地で目にすることができます。
東海地方では他の鍾馗さんにもよくあるのですが、
釉薬のかかったカラー鍾馗さんがおおいのも特徴で、
この鍾馗さんにも、赤、青、緑、橙 といろいろ見つかっています。

三浦市三崎の鍾馗さん
(三浦市三崎)
私の知る神奈川県唯一の鍾馗さん。
三崎町の商店街を紹介するサイトで見かけてはるばる訪ねました

標準タイプに比べると、握る左手の向きが違っていて、
サイズもやや大きめだった気がします。
他では見たことがありません。

御所市御堂魚棚町の鍾馗さん
(御所市御堂魚棚町)

こちらはなんと石造。
瓦製に比べて平板な印象はやむをえないとして、
細部の特徴はまぎれもなく標準タイプと一致。

奈良県では瓦製の標準タイプは見つかっていないため、
謎だらけの鍾馗さんです。
瓦職人が石を刻むとも思えないため、
石工が瓦鍾馗をお手本に作ったのでしょうか?

【0097】端正な現代鍾馗2010年08月24日 23時37分14秒

【分布と記録数】 愛知県(42)、三重県(5)、滋賀県(4)、岐阜県(1)、
           奈良県(1)  合計 (53)
【リンク】 博物館・収蔵室

愛知県中心に東海地方に分布。

桑名市赤須賀の鍾馗さん
(桑名市赤須賀)

左足を踏み込んで力が入っています。
流れるような造形に無理はなく、作者の力量は確かです。

またこの鍾馗さんの場合、他で見られるようなこまごまとした
バリエーションは全然なく、近代的製法で作られたんでしょうね。

わがままな鍾馗探索者としては、もう少し遊んでくれると面白いのですが。

【0124】鏡餅のような鍾馗さん2010年08月21日 00時10分30秒

【分布と記録数】 三重県(51)
【リンク】 博物館・収蔵室

三重県でしか見つかっておらず、それも北部 桑名、四日市あたりが分布の中心で
南限は津市あたりです。

丸い腹に丸い顔、鏡餅に見えてきます。
(雪だるまという説もありましたが、顔はいかついのでちょっとイメージわかない)

じつはこの鍾馗さんの見分け方については 博物館・収蔵室 で説明してありますので、ここでは省略。

写真のみ紹介いたします。
いなべ市員弁町西方の鍾馗さん
(いなべ市員弁町西方)

四日市市海山道町の鍾馗さん
(四日市市海山道町)

鈴鹿市徳居町の鍾馗さん
(鈴鹿市徳居町)

四日市市波木町の鍾馗さん
(四日市市波木町)