伊賀上野近郊探索 おまけ ― 2017年01月31日 21時13分16秒
1月21日と29日の伊賀上野近郊探索で目にした、鍾馗さん以外の飾り瓦をご紹介します。
この地域の屋根はとても瓦に凝っていて、年代のありそうな如何にも腕の冴えた作品をいくつも目にしました。
定番の恵比寿・大黒に次いで第三の位置を占めているのが鯉、よそでは稀にしか見ない琴高仙人(きんこうせんにん)が、なぜかやたらと多かったのが印象的でした。
琴高仙人
琴高仙人
金拾万円入 ちょっとけちくさいと思いましたが・・
明治三十八年の銘入り。
この時代ならすごい大金でしょう。
猪にまたがる武将
この故事にちなんでいるのでしょうか?
騎馬の武将
平家物語にある先陣争いが由来のようです。
定番の恵比寿さん
同じお宅の恵比寿さん
謎の鳥
始めは雉かと思いました。でもよく見ると鶏のようなとさかがある。
鶏にしては尾羽が立派過ぎます。
孔雀にしてはとさかの形が合わない。
こうして迷ったときにいつもお世話になるサイト
で調べてみると、鳳凰にもとさかがあるようですが、
とまっている樹は鳳凰に付き物の桐ではなさそうです。
うーん、答えがでません。
謎の坊さん
旧大和街道を上野から木津川を渡ったあたりにいて、
洋風建築の屋上から川の方を見ていました。
等身大で瓦製ではなくコンクリートのようです。
このあたりは伊賀盆地の河川が集まって木津方面に流出していく地点で
低地のため昔から水害に悩まされてきたようです。
川の氾濫を見張っているのかもしれませんが、本当のところは不明。
羽織袴を着用しているようにも見えるので、聖職者ではないかもしれません。
ポーズが弱々しくてちょっと頼りない。
波うさぎがたくさん見られました。
九羽連続でどうぞ。
波うさぎ1
波うさぎ2
波うさぎ3
波うさぎ4
波なしうさぎ5
波うさぎ6
波なしうさぎ7
波うさぎ8
波うさぎ9
それぞれの場所をGoogleマップに公開しました。
おひまでしたらご覧ください。
(鍾馗さん以外の場所は結構適当です)
2017/1/29 伊賀上野郊外(伊賀神戸~猪田道) ― 2017年01月30日 23時03分36秒
2017/1/21 伊賀上野郊外 ― 2017年01月24日 21時54分19秒
新年のごあいさつもないまま、今年初探訪の報告です。
伊賀上野の郊外をちょっと一回りしてきました。
二回に分けてまずは鍾馗さんから紹介します。
伊賀市長田
胸にはいろいろ刻まれていて、
『防十萬敵』 『???』 『大正五年十月』
ちょうど百歳くらい。
世界では第一次世界大戦の真っ盛り、日本も中華民国と事を構えていたころで
何かときな臭い世相だったのでしょうか。
伊賀市西高倉
少し離れた集落でも、よく似た鍾馗さんがいました。
伊賀市西高倉
さらに少し北でも。
横倒しですが同じ鍾馗さんと思われます。
伊賀市西高倉
そのすぐ近くでもさらに。
他の三体に比べると素人っぽい造りの鍾馗さんですが、
威勢のよさは十倍です。
以上はまとめて#1605に分類予定。
伊賀市東高倉
こちらは伊賀上野限定鍾馗さんで、既に兄弟が三体知られています。
伊賀市東高倉(おとんさん情報提供)
こちらは上野市街地に続き、二体目の発見
瓜二つですが、細部が微妙に違っていて手びねりの鍾馗さんのようです。
伊賀市東高倉(おとんさん情報提供)
脚を開いて踏ん張っているこの鍾馗さんも伊賀上野特産。
だいぶ雰囲気の違う、腹違い?の鍾馗さんがこれまでに八体記録されています。
伊賀市野間
この鍾馗さんも上と同じ#555に分類します。
犬に鳴かれてブレてしまった・・情けない。
伊賀市西高倉
今回の伊賀行を決定づけた「三婆」鍾馗さん。
#558でした。
今回近くで三体見つけて合計六体になりました。
寸分違わないので地域限定の型抜き鍾馗さんのようです。
次回は鍾馗さん以外で目についた瓦をご紹介の予定です。
久居の町の鍾馗さん ― 2014年10月30日 22時28分22秒
三重県津市の久居農林高校 放送部の生徒さんから依頼があり、
旧久居市の鍾馗さんの情報を提供しました。
コンクールに出すドキュメンタリーを制作するということでしたので
完成したら見せてくださいとお願いしていたら、
先日DVDを送っていただきました。
ちょっとだけ紹介します。
主だった久居市街の鍾馗さんは網羅しておられ、
だいぶ離れた津市片田田中町の鍾馗さん(#1042)も登場。
お家の人のインタビューでは親から大切にするよう言われたので、
建て直しのたびに移し替えているという話も収録されていました。
若い人に関心を寄せてもらえて嬉しいです。
≪再掲・緊急≫平松宿で見つけた瓦製群像 ― 2014年09月25日 23時40分14秒
この記事は2011年2月に掲載したものですが、
ここで取り上げた伊賀市平松宿の古い旅館が取り壊されるようです。
長野県在住、「さんろく」さんのブログ記事
職人の遺した仕事
ググって見つけた参考記事
なんとかできないものか、待ったなしの状況であせります。
良い知恵のある方、お知らせを!
ここで取り上げた伊賀市平松宿の古い旅館が取り壊されるようです。
長野県在住、「さんろく」さんのブログ記事
職人の遺した仕事
ググって見つけた参考記事
なんとかできないものか、待ったなしの状況であせります。
良い知恵のある方、お知らせを!
(以下再掲です)
2月19日は伊賀市を探訪。
全国でも名だたる鍾馗さんの聖地です。
これまでに十回は下らないくらい何度も行っていますが、
行けば行っただけ何か収穫があります。
鍾馗さんは現在整理中なので、
まずはちょっとみちくさでおもしろい群像をご紹介します。
見つけたのは伊賀街道・平松宿。
伊賀上野から津へ向かう街道が峠にかかる前にある、
こじんまりとした宿場町の中。
屋号は「いたや」といい、昭和40年ころまでは営業していたという
宿場でもひときわ目立つ旅館です。
(2004年撮影)
左手の2階高欄の下に飾り瓦がずらっと並んでいて、
その中のひとつがこちら。
鍾馗さんにも見えますが、甲冑着用だし、隣は小槌を持った大黒さん。
隣のパネルには布袋さんほか七福神。
まあ毘沙門天だと考えるのが順当でしょう。
毘沙門天はいつも「ドキッ」とさせられる、小憎らしいやつですが(^^;
ここの群像はすごい。
せっかくですので全部まとめて掲載します。
左側から順番です。
No1.宿屋の建物に看板、なぜか犬。
No2.客を迎える宿の女性?と七福神ご一行(毘沙門天、大黒、恵比寿)
No3.ご一行の続き(布袋、寿老人?、福禄寿) あれっ、弁天がいない。
No4.大橋という札と橋(宿場の南にある川か?)
No5.波と泳ぐ魚(鯉?) 残りの四間は同じような意匠が続きます。息切れ?
No6.
No7.
No8.
他のサイトの情報では、明治の大火以降の建築とのことですが、遊び心満載。
現在、空き家らしいですが、これはぜひ残していただきたい。
ここまで書いて、ひょっとして弁才天は空からご投宿?の
可能性に思い当たりました。
そこらじゅうに飾り瓦があって気がつきませんでしたが、
建物のどこかにひそんでいたのかもしれません。
行く機会があればぜひ見てきてください。
2014/4/26.27 伊賀上野と周辺 ― 2014年04月30日 23時00分17秒
4月26日、27日 一泊二日で伊賀市内の鍾馗さんを
巡ってきました。今回の同行は服部さん、おとんさん、雪だるまさん。
二日とも穏やかな天気で絶好の探索日和に恵まれました。
里山の雑木林の新緑
一日目は車で郊外を巡り、二日目は伊賀上野中心部を歩いて回りました。
鍾馗さんは順不同。
すべて伊賀市内です。
手始めは雪だるまさんが朝、関西本線の車中から見つけた鍾馗さんを確認に。
さっそくの新種発見となりました。
西高倉
西高倉
泉窯という工房の屋根に対であがっていました。
どこかから譲り受けたもので、明治か大正の鍾馗さんでは?
ということでした。
作風は奈良方面のもののように思えます。
さらに移動中の車内から雪だるまさんが次々と鍾馗さんを発見。
それも新種ばかり。雪だるまさん絶好調でした。
東高倉
鬼が”はいチーズ”と言っているみたい
東高倉
この二体は同一作者のように思えます。
東高倉
この鍾馗さんは服部さんの著書「洛中洛外の鍾馗」に
「中京区 二条通河原町東」として掲載されていたのですが、
京都では既に失われていて、絶滅したと思っていました。
アホウドリの再発見のように、嬉しいことです。
円徳院
以上が今回の新発見。
以下は再録です。
二日で約百体の鍾馗さんを見ました。掲載はその一部となります。
三田 #586
東条 #579
比土 #579
佐那具町 #723
佐那具町 #584
佐那具町 #584
円徳院 #584
佐那具町 #587 (雪だるまさん新発見)
新堂 #587
馬場 #474
千貝 #809
西湯舟 #1303
西湯舟 #1306
小杉 #1308
小杉 #1308 (上と対)
川北 #1264
上野西大手町 #577
小田町 #1263
小田町 #583
西大手町 #1123
上野田端町 #1124
上野愛宕町 #1122
上野池町 #724
今回の探訪では多くの鍾馗さんの健在が確認できましたが、
以下が失われていました。
上野忍町 #228 2012年11月撮影
隣の家と合わせて同じ鍾馗さんが三体並んでしましたが、
この鍾馗さんのいたお宅は更地になっていました。
古山界外 #1124 2009年8月撮影
今回、時間切れで訪問できませんでしたが、
ストリートビューで見た限りでは更地になっていて、失われた公算大です。
2013/7/13 伊賀、名張、吉野、下市 ― 2013年08月05日 23時26分18秒
この日の探訪はすべてどなたかの情報によるもの。
車での走行距離は400kmを超えましたが、歩いた距離は5kmちょっと。
普通、追っかけでどこかを訪ねた時は、周辺も少しは歩いて回るのですがこの暑さ。
ドライブしながらひたすら人の成果を拾い歩きました。
最初は三重県伊賀市上神戸。
ayaさんの情報です。
#555に亜種登録。
伊賀市を代表する鍾馗さんの一群ですが、上野周辺の農村集落でも時々見つかっていて、これからもどこかで発見されるかもしれません。
続いては名張市新田。近鉄美旗駅に近い街道集落です。
こちらはonigawaraさんからの情報です。
新種です。#1509で登録。
いかがでしょう、このカクカク感。たまりません。
ここではもう1体量産品を確認。
途中、いくつかの未訪集落に寄り道するも空振りばかりでした。
続いては奈良県に入り、吉野町窪垣内へ。
こちらはおとんさんの情報です。
これも新種です。#1510で登録。
おとんさんも書かれていますが剥落がひどく、
元々の表情を窺い知ることができません。
次の吉野町矢治もおとんさん情報。
#1511で登録。
おとんさんが見つけた2011年には屋根瓦は鳥衾(とりぶすま)を備えた
古式なものでしたが、葺き替えで一新されました。
この鍾馗さんは幸いにも生き延びました。
おとんさんの記事ではそのあたりの経緯についても知ることができます。
最後もおとんさんの情報です。
シンプルでとても力強い、若々しい印象です。
#1512で登録。
ドライブ中も鍾馗さんを気にしていたのですが、
結局他には一体も確認できませんでした。
大淀町で一瞬鍾馗か!!と色めきたつことがあったのですが違いました。
こちらも紹介しておきたいのですが、次回のお楽しみ。
改めてayaさん、onigawaraさん、おとんさんに感謝します!
2013/4/29 松阪 ― 2013年06月02日 09時37分25秒
ゴールデンウィーク探訪第三弾は三重県松阪市。
(第二段はご近所ちょろ探のため省略です)
地元の瓶底眼鏡さんから、ときどき発見の情報をいただいていて、
いくつかたまると出かけています。
三重県でもユニークな鍾馗さんを見つけることが多いエリアで楽しいので
数えてみたらこれが十六回目の松阪探訪です。
私の住む愛知県と三重県はお隣同士ですが、
松阪までの距離は150キロほどもあって、京都とほぼ同じ。
ちょっと気軽に出かけるには遠いかな。
松阪駅付近を起点に、和歌山街道R166沿いに南西に向かい、
丹生寺町から北上、松阪IC南の伊勢寺町からは北に折り返して松阪駅に戻り、
さらに参宮街道を北上してJR高茶屋駅までの30km強の予定でしたが、
なんと丹生寺町まで来たところで痛恨のカメラバッテリー切れ。
途中にエディオンがあったのを思い出し、4kmほど戻って開店を待ち
尋ねてみたのですが予備バッテリーの在庫はなく、あえなくリタイアとなりました。
忙しかったとはいえ、予備バッテリーの充電を忘れているなんて油断だなぁ(涙)
ということで、途中リタイアまでの成果です。
松阪市新座町
瓶底さん情報提供。
松阪市内で類似の鍾馗さんがいくつも見つかっています。
多くの鍾馗さんが桟瓦に直接焼き付けてあるのが特徴で、
これはありそうで、他所ではあまり見られないものです。
松阪市小黒田町
R166に面したお宅で発見。動きのあるポーズの逸品。
松阪市白粉町
#1418 を再訪しましたが、やはり逆光のため
あまり代わり映えしない出来映えです。
この日は横や後ろからしか見えない鍾馗さんの発見多し。
松阪市湊町 #509
松阪市新町 #0701
松阪市立野町 #509 遠く離れると屋上にちらりと顔をだす。
松阪市湊町 ?
瓶底さん情報提供。
遠い、逆光、斜めと最悪の写真ですが、この鍾馗さんどこかで見た記憶があり、
鍾馗博物館の収蔵室にも収めていると思うのですが、思い出せません。
分かる方がいらっしゃればぜひご一報を(^^;
豪華(?)景品付きです!
⇒ 6月4日追記 雪だるまさんのご協力もいただき、#1046 と判りました!
景品は終了です(^^:
2013/2/2 三重県 多気町、松阪市、津市 ― 2013年02月11日 23時50分08秒
かなり前に瓶底眼鏡さんから、上多気(かみたけ)宿に鍾馗あり!という情報をいただいていたのですが、なかなか訪問する機会がありませんでした。
このあたり、伊勢へ向かう旧街道が何本も通っていて、車で通過するだけでも歴史を感じる集落が山中に点在しています。
鍾馗さんもありそうな気がするのですが、何しろ山深いし、
集落間の距離も長いので、歩いてたどるのはちょっとしんどい。
ましてやこの時期、山道は思わぬところで凍結や積雪が心配です。
そういえば車を買い換えたあと、冬タイヤもチェーンも持っていない・・
言い訳が長くなりましたが、季節外れの暖かい土曜日との予報を聞き、
これなら大丈夫と、ようやく決行となりました。
走行ルート:
勢和多気IC→(多気町)色太→土屋→車川→(松阪市)飯南町向粥見→
飯南町粥見→飯高町宮前→飯南町下仁柿→(津市)美杉町上多気→美杉町下多気→(松阪市)飯南町横野→小片野町→六呂木町→大河内町→笹川町→松阪IC
この間、R368 下仁柿-上多気 はいわゆる酷道。
離合不可の悪路が続くので要注意です。
私も木材を満載したトラックと出くわして立ち往生しました。
こんな道通るなよ~と言いたいところですが、
地図を見ても上多気から三重県の平野部につながる道はこの道のほか、
一志の方へ抜ける県道43号線があるだけで、こちらも相当なくねくね道。
これだけ不便な上多気ですが、伊勢本街道に沿って山中に開けた小盆地は北畠氏の城館があったとかで、かつては栄えた土地だそうです。
宿場も櫃坂峠、飼坂峠という難所の間にあって、まさに休みたい場所。
立派な宿屋の建物が今も残ります。
ここにあった鍾馗さん三体はすべて瓶底さん発見。
上下は愛知県に多い量産品ですが、
中は大阪中心に分布する手びねり鍾馗 #116 の系譜。
大阪府南部に多く、奈良でわずかに見られるだけのこの鍾馗さんが、
伊勢本街道を誰かに運ばれてきて、ここに落ち着いたのでしょうか。
この日、これ以外の収穫は量産品五体のみ。
賑やかしにイソヒヨドリさんに登場してもらいます。
最近、この鳥を見ることが増えたような気がします。
海沿いに多い鳥だと思っていたのですが、この日も山の中で2回遭遇。
素人ですのでよくわかりませんが。
2012/11/18 とことん伊賀上野 ― 2012年11月20日 23時34分14秒
伊賀上野は鍾馗好きにとっては「聖地」。
量産品が少なく、目にする鍾馗さんの多くが他の地域には見られない
独特の個性を持っています。
現在は大合併で周辺農村部も含めて広い市域になっていますが、
旧上野市中心街は1km四方くらいとこじんまりとしていて
随所に鍾馗さんが見られるので、私もこれまで四回ほど訪問しています。
今回は一日中この市街地を隅々まで、歩き回ってきました。
22kmほど歩いて、新しく見つけた鍾馗さんは11体でしたが、
現存を再確認した鍾馗さんが41体。
なにより良かったのは、失われた鍾馗さんが一体もありませんでした。
先週の近江八幡では7体もの鍾馗さんが所在不明だったのに比べると
これはすばらしいことです。
上野西大手町
町割りが入り組んでいて、金伝寺に向けて置かれる、
下幸坂町#582の背後の家にありました。
胴の「ゆ」の字が特徴で、こちら#1123に分類予定。
上野忍町
おとんさんからの情報。
上野田端町
これも #555 に分類しました。
古い道のL字カーブの家に置かれた、典型的な突当り鍾馗さんです。
この鍾馗さん、広げた左手には手相があります。
さらに手のひらには縦横三本づつ、格子模様が彫られています。
「九字を切る」まじないで縦四本、横五本というのは時々鍾馗さんにも
彫られているのを目にしますが、三 x 三というのもあるのでしょうか?
CoolPix P510 にもだいぶ慣れてきました。
自分に相性がいいのか、手ブレ防止機構が優秀で、
これまでに比べシャープな写真が取れる確率が明らかに上がっており、
今回、再確認した鍾馗さんの大部分の写真を更新できそうです。
得意のマップを掲載します。拡大してご覧ください。