2013/1/19 大和八木~田原本、郡山、斑鳩(3)2013年02月01日 00時19分39秒

続きです。 


大和郡山市郊外の古い集落を巡ります。
今回の鍾馗さんはすべておとんさんのご案内によるものです。

大和郡山市新庄町の鍾馗さん
大和郡山市新庄町 #262

"正ちゃん"#262は50体近く見つけていますが、そのほとんどが大和郡山市と
その周辺の町でしか見つからない、極端にローカルな鍾馗さんです。

大和郡山市新庄町の鍾馗さん
大和郡山市新庄町 #009

少し迷って#009に分類しました。特徴である、袴の釣り針を連ねたような模様が
この鍾馗さんには見られません。
天理市海知町の鍾馗さんには似ているのですが
他とはちょっと印象が異なるので迷うところです。

大和郡山市新庄町の鍾馗さん
大和郡山市新庄町 #1442として収録予定

狭い路地にあるので普通に行っても撮影は困難。
おとんさんが脚立を持ってきていたので、拝借しました。


大和郡山市椎木町の鍾馗さん
大和郡山市椎木町 #1443として収録予定

素朴の極みで好きな鍾馗さん。
ヒトデのようなシルエットを、決して意識して作ってはいないと思いますが。


大和郡山市椎木町の鍾馗さん
大和郡山市椎木町 #329として収録予定

金壷眼、派手に広がる顎ひげ、ぴゅっと跳ね上がった両袖、
途中で直角に曲がった腰帯と印象的な特徴が多い鍾馗さん。
これで三体目の珍しいものです。


まだ続きます。

2013/1/19 大和八木~田原本、郡山、斑鳩(2)2013年01月31日 00時54分40秒

続きです。  前の記事

ここからは田原本の寺内町にある鍾馗さんです。

田原本町の鍾馗さん

7年ぶりの再訪です。前回、正面からも撮影したのですが、遠くて曇天だったので
写真は使い物になりませんでした。超々望遠レンズの恩恵。


田原本町の鍾馗さん

こちらも再訪。名づけて「落ち武者鍾馗」

田原本町の鍾馗さん

こちらも再訪。奈良に多いライオン鍾馗の一種です。


田原本町の鍾馗さん

おとんさん発見の鍾馗さん。 #122に収録

田原本町の鍾馗さん

おとんさん発見の鍾馗さん。
まったくの新種で #1440


ここからはおとんさんの車でご案内いただいています。

田原本町千代の鍾馗さん
田原本町千代 #599収録

千代(ちしろ)は前の記事にも登場しますが、前の記事の千代とは少し離れています。
前の記事の「千代」のほうが集落としては古く、こちらの鍾馗さんのいる「千代」はその北方に新しく開かれた集落のようで、東西に細長く伸びた奈良には珍しい形をしています。

田原本町千代の鍾馗さん
田原本町千代 #257収録

#257は奈良を代表する分類泣かせの鍾馗さんで、リンク先を見ていただくと分かりますが、ちょっと同じ系統とは思えない鍾馗さんも含まれてしまっています。
分類の見直し作業を始めていますが、難航中・・


田原本町八尾の鍾馗さん
田原本町八尾 #1441

隣の家が邪魔になり、見える場所がほとんどありません。
とてもシンプルな鍾馗さんのようで、正面から見てみたいのですが難しそう。


田原本町今里の鍾馗さん
田原本町今里 #257収録

これも#257にとりあえず入れておきます。
七福神等、にぎやかに飾られたお宅にありました。



田原本町唐古の鍾馗さん
田原本町唐古  これまた#257収録
軒下でよく見えませんが・・・


まだつづきます。

2013/1/19 大和八木~田原本、郡山、斑鳩(1)2013年01月30日 19時39分33秒

1月19日は奈良の最低気温が-2.3℃と冷え込みましたが、
この時期、気温が低いのを嫌っていては冬眠状態になってしまうので、
果敢にお出かけしました。
冷え込んだ朝の町を歩くのは結構気持ちのよいものです(負け惜しみではなく)

大和八木駅を起点に下街道を北上します。
ほとんどが再訪地ですが、鍾馗さんを見落とすことには自信があるので(^^;
新しい鍾馗さんとの出会いに期待しています。

この日は途中からおとんさんに合流いただき、周辺でおとんさんが発見した鍾馗さんを案内していただいたので、大量の収穫がありました。
なるべくたくさん取り上げたいので、何回かに分けて紹介します。

橿原市小綱町の鍾馗さん
橿原市小綱町 #0298

再々訪です。初回は左側の鍾馗さんに気がつかず、二回目は夕方で逆光。
今回は目論見どおり朝日をあびています。
今は家の左右でお寺をにらんでいますが、元々は棟の両端に別れていたのでしょう。

橿原市地黄町の鍾馗さん
橿原市小綱町 #0990  に収録

小綱町では三体発見しました。以前に通ったときは一体も気づかず・・
何をしていたのだろうか?
細工の精細なこの鍾馗さんの仲間は吉野方面だけで発見しており、奈良盆地では初発見。


橿原市上品寺町の鍾馗さん
橿原市上品寺町 #1002

こちらも再訪。正面には回ることができず、逆光です。


橿原市上品寺町の鍾馗さん
橿原市上品寺町 #0237

この鍾馗さんとは三回目のご対面。
遠くの大棟にあるちいさな鍾馗さんですが、
CoolpixP510 1000mmの威力発揮といったところです。


橿原市新口町の鍾馗さん
橿原市新口町 #0847

この鍾馗さんたちとも三回目のご対面(笑)
あちこち剥落して痛々しいですが、目とか眉とか鼻まで、
粘土細工のように土台に貼り付けて作ったことが結果的によくわかります。
どちらの鍾馗さんも両頬に剥落痕があります。
頬ひげがついていたんではないかと思います。


田原本町千代の鍾馗さん
田原本町千代 #0235

7年ぶりの再訪。まずは健在でほっとしました。
鬼瓦と一体成型で、「新馗」の銘が入っています。間違えるなよ~


田原本町千代の鍾馗さん
田原本町千代 #1439

上の鍾馗さんの裏の家で発見。
新種です。元は大棟端にあったと思いますが、軒に移動して
ちょうど顔の辺りが陰になってしまい残念。



つづきは明日以降に。
 
Coming soon !  (probably・・)

2012/12/23 橿原市、御所市、高取町(つづき)2012年12月30日 14時29分32秒

昨日のつづき。

御所市柏原の集落から南へ向かい掖上駅を越えると古くて立派なお屋敷の並ぶ
國見の集落で、いかにも鍾馗さんが潜んでいそうな趣きです。
御所市 國見
(2006年撮影)

ところがここは期待はずれ、先回訪問時に続いて今回も、
一体も鍾馗さんを見つけることはできませんでした。
民家に比べてお寺はこじんまりとかわいいので、威圧感がないせいかもしれません。

ここからさらに奥に入った原谷の集落は、手持ちの地図ソフトではお寺が見当たらなかったので先回はパスしていましたが、
今回のルート検討で見たGoogleMapでは大日寺というお寺が表示されていたので
足を延ばしてみたところ、下の鍾馗さんに会うことができました。

御所市原谷の鍾馗さん
(御所市原谷)

「こんなところまで、よー来てくれたなー」
なんて言われているような気がしました。


この後訪ねた高取町市尾では、昨日も紹介した#234の鍾馗さんが念仏寺の周囲に三体まとまっておられます。
幸い全員健在!

高取町市尾の鍾馗さん
(高取町市尾)
高取町市尾の鍾馗さん
(高取町市尾)
高取町市尾の鍾馗さん
(高取町市尾)

この後も確認したかった鍾馗さんには全員無事会うことができました。
やれやれです。

高取町市尾の鍾馗さん
(高取町市尾) 如来寺前 #431

高取町松山の鍾馗さん
(高取町松山) 浄円寺前 #433

高取町下子島の鍾馗さん
(高取町下子島) 信楽寺前 #434


この鍾馗さんは新発見。
高取町清水谷の鍾馗さん
(高取町清水谷)

この頃から天候が怪しくなり、とうとうぱらぱらと雨が降り出しました。
幸い壺阪山駅にも近いため、一周コースはあっさりと断念して
電車に乗って帰りました。

この日の歩行距離は25km弱。
まだまだ脚力の回復には時間がかかりそうです。


2012/12/23 橿原市、御所市、高取町2012年12月29日 22時06分45秒

奈良に探索に出かけるのは今年の二月以来。
鍾馗さんを追いかけ始めた頃は毎週のように出かけていましたが
一年近くも間が空いてしまいました。

開発が進んでかつての面影は失われたといいますが、
それでもゆるやかな山並みに囲まれて長閑な集落が点在する奈良盆地にいると
ヤマトタケルが「青垣山籠れる大和しうるわし」としのんだ気持ちが
分かる気がします。

今回は橿原神宮前駅を起点に橿原市一町→御所市柏原→
高取町市尾→高取町清水谷→橿原神宮前と反時計回りに一周、約30kmの
コースを歩くことにしました。
ほとんどは再訪地で、旧知の鍾馗さんは元気だろうか?という軽い乗りで
あわよくば新しい出会いがないかな。

幸い微風快晴、気温は低いものの探訪には絶好のコンディションに恵まれました。

橿原市鳥屋町の鍾馗さん
(橿原市鳥屋町)

以前に訪れた際、鳥屋町の高松寺の隣でこちらの鍾馗さんを
見つけたのですが、お寺の境内に入らないと正面から見えません。
その日は門が閉まっていたためあきらめ、今回再訪してみたのですが
やはり門が閉まっていました。
肩を落として次へ向かおうとしたところ、お寺の裏に上の鍾馗さんを発見しました。
激しく逆光なのが残念ですが、鬼の手をつかんで大きく口を開いた憤怒相。
リアルな鍾馗さんです。

橿原市鳥屋町の鍾馗さん
(橿原市鳥屋町)

さらに同じお宅の軒部分にはこちらの鍾馗さんもいました。
遠くて逆光、しかも斜めと悪条件が揃ってしまいましたが
#234の仲間と思われます。

橿原市川西町の鍾馗さん
(橿原市川西町)

橿原市川西町も再訪。前回はお寺の周りだけ歩きましたが、今回、お寺とは
全然関係なさそうで突当りでもないところでこの鍾馗さんを発見しました。

橿原市川西町の鍾馗さん
(橿原市川西町)

さらに一軒おいた隣のお宅にも。これも#234の仲間です。
この仲間は手作りらしくひと目で兄弟と判りますが、みんなどこか違っていて
見つけると嬉しい鍾馗さんです。

高取町越智の鍾馗さん
(高取町越智)

この鍾馗さんも#234
再訪して健在を確認しました。

橿原市観音寺町の鍾馗さん
(橿原市観音寺町)

この鍾馗さんは古いものではなさそうですが、
#1064 のうち、おとんさんと歩いていて見つけた河内長野の鍾馗さんと
同じもののようで、奈良県では初めてみました。

御所市東寺田の鍾馗さん
(御所市東寺田 2008年10月撮影)

御所市に入り、少し東へ向かって東寺田の集落を再訪しました。
ここでは以前訪ねた際に萬福寺という小さなお寺を取り囲むように
六体の鍾馗さんが確認できました。
今回、他五体は健在でしたが、この鍾馗さん(#996)がなくなっていました。
気は優しくて力持ち、といった風貌で好きな鍾馗さんだっただけに残念です。


このあと高取町に入っていきますが、続きは明日にでも。

2012/2/25 奈良2012年03月06日 00時30分24秒

週末の予報は雨模様で、半ばあきらめていましたが、
直前の予報は「弱い雨」。
えいやっ、とふんぎりをつけて奈良へでかけました。

予報どおり弱い雨。
傘は探訪に邪魔なので差しません。
それでも苦にはならない程度の雨でしたが、
降ったり止んだり一日中降り続きました。
それでも寒さは和らぎ、春の近さを感じられる一日でした。

歩いたコースはこんな感じです。
櫟本→中之庄町→蔵之庄町(以上天理市)→白土町→井戸野町(以上大和郡山市)→帯解→古市町→京終→ならまち(以上奈良市) 約25km

このあたりはこれまでも散々歩いているところで、
奈良の場合、最近は再訪、再々訪のところばかりなのですが、
それでも見落としていた鍾馗さんが続々と見つかります。
これだからやめられません。

今回見つけためぼしい鍾馗さんです。

天理市楢町の鍾馗さん
(天理市楢町)
上半身の雲形?文様、下半身の釣り針??文様とも
このあたりではよく見かける装飾です。
顔つきもどこかで見たことあるような感じなのですが、収蔵室を眺め回しても
類例は見つかりませんでした。

大和郡山市石川町の鍾馗さん
(大和郡山市石川町)

ここは六年ぶりの訪問。先回は鍾馗探索の駆け出しの頃だったので
見落としが多いのではと気になっていました。
案の定、ここではたくさん発見しました。
この鍾馗さんも塀が邪魔になって、少し背伸びしないと見えないところに
潜んでいました。
なんとも素朴でいい感じなのですが、光量不足で撮影は失敗。
晴れた日に再訪しよっと。

大和郡山市井戸野町の鍾馗さん
(大和郡山市井戸野町)

井戸野町も三回目の訪問。
この鍾馗さんはお寺からは離れたところにあって
これまでは通ったことのないところにありました。
ちょっと首を斜めにかしげています。
長屋門の端から通りの方を睨んでいるのでしょうか。

井戸野町の布袋さん

反対側は布袋さん。変わった組み合わせですが、鬼瓦の形状がだいぶ違うので
もともと対ではなかったのかもしれません。

2011/11/26 奈良県大和郡山市、安堵町、斑鳩町、平群町2011年12月11日 00時10分13秒

これまたおとんさんの追っかけです(^^;

安堵町東安堵にかつて目の青く光る鍾馗さんがいました。
家の人が鍾馗さんに細工をしたのだと思います。

はじめて見たときは目の光っているところを写真に捉えることができず、
あきらめきれずに2年後に再訪したところ、家が建て替えられ
鍾馗さんはなくなっていました。


これであきらめていたのですが、最近付近を探訪されたおとんさんから
「復活していましたよ! 目は赤く光っていました!」との情報が届きました。

こんな朗報を聞いて、行かないわけにはいきません。
ほとんどは再訪になりますが、付近の集落も改めて歩いてみることにしました。

この日は快晴無風、暑くなく寒くなく、一年に何回もないような
鍾馗探訪日和に恵まれました。


このあたりは本当に鍾馗さんが多く、
いつもは早足の自分もなかなか先に進みません。
再訪なので、新発見の鍾馗さんはそんなにないと思っていましたが
いやいや結構見つかります。一日で三十数体を新たに見つけ、
再確認の鍾馗さんは六十体強。忙しかった。
奈良県はやっぱり懐深くて面白いです。


まだ実は整理が済んでいないので、今日のところは明らかな新種のみご紹介します。

安堵町岡崎の鍾馗さん
(安堵町岡崎)

安堵町東安堵の鍾馗さん
(安堵町東安堵)

安堵町東安堵の鍾馗さん
(安堵町東安堵)


お目当ての赤く目の光る鍾馗さんです。

安堵町東安堵の鍾馗さん
(安堵町東安堵)

なんとか目の光る瞬間を捉えたくて、粘ること三十分以上。
百数十枚撮影して、ようやく一枚写ったのがこちら。
斜めだし、ピントは甘いですが仕方がない。
こんなに苦労するとは思いませんでした。

目で見ていると十秒に一回、はっきりと光っているのですが、
カメラのファインダー越しには光るところが見えません。
動画機能もついているので動画撮影してみましたが、それでもまったく写りません。
ファインダーでは見えないのでカメラを構え、直接目視で光った瞬間にシャッターを
押してもだめ。
最後、10秒のセルフタイマーで光った瞬間にシャッターを押し、
次の十秒後を狙う作戦がようやく実を結びました。

人間の目には残像が残るので、コンマ何秒かは光っているように見えるのですが
実際に光るのはほんの一瞬、0.00X秒といった単位でしか光っておらず
シャッタースピードをかなり落とさない限り、捉えるのは難しいのかもしれません。

この日はご覧のとおりの快晴。シャッタースピードを落とすこともままならず
このときばかりは融通の利く一眼レフを持ってきていれば良かったと後悔しました。


P.S.

その後雲が晴れ、月が顔を出しました。
面倒だったので手持ちで撮影。
案の定ブレていますが、せっかくですので皆既月食の月を
アップしておきます。

皆既月食20111210

2011/11/12 奈良県葛城市、香芝市ほか2011年12月10日 22時30分55秒

今回(といっても、一か月も経ってしまいましたが)の奈良行きは
おとんさんの追っかけです。

少し暑いくらいの好天で、まさに探訪日和。日焼けして帰ってきました。
< 一か月経つと細かいことは忘れてしまうんですけどね(^^; >

訪問先は
1.宇陀市榛原区高井
2.桜井市桜井
3.御所市櫛羅
4.葛城市笛吹
5.葛城市梅室 ここまでは車で、あとは車を留めて歩きました。
6.葛城市竹内→當麻→染野→新在家→加守→
  香芝市畑→磯壁→良福寺→鎌田

おとんさんの高精細な写真には敵いませんので、
それ以外で目にした鍾馗さんを掲載します。
他については博物館の更新情報からご覧いただければ幸いです。

宇陀市榛原区高井の鍾馗さん
(宇陀市榛原区高井)   収蔵室 #1351

香芝市畑の鍾馗さん
(香芝市畑)   収蔵室 #1355

香芝市畑は確か三度目の訪問。
風格のある民家が多い集落に希少な鍾馗さんがたくさんあって
居心地良く楽しいところです。
希少鍾馗さんのうち二体の棲家が建て替っていました。


畑の鍾馗さん新旧
上段がかつての姿で、下段が今回。
建替えと共に失われる鍾馗さんが多い中、
この二人は生き残った運の強い鍾馗さんです。
開運祈願にはいいかもしれないですね。


香芝市良福寺の鍾馗?さん
(香芝市良福寺)   収蔵室 #1356

その後おとんさんがこれらの鍾馗さんを見に、追っかけに出かけられました。

そしておとんさんはまたまた新たな鍾馗さんを発見。こんどは私が追っかける番です。

これってきりがないんでは?
ふたり揃って出かければいいじゃんと思う方もいらっしゃると思いますが
一緒に行くと揃って見逃すものなんですね~

**

ただいま皆既月食中なのですが、我が家付近は曇り空 (´;ω;`)
全然見えません。

2011/5/14 吉野~大宇陀2011年05月22日 22時30分11秒

もう少しすると歩くには暑くなってくるので
この時期は少し無理してでも出かけないとと
気がせく季節です。

奈良県吉野町上市から宇陀市松山(大宇陀)までを歩いてきました。
途中経由地は佐々羅、山口、三茶屋、田原、守道など。

地図を見ていただくとわかりますが、こんな山中に鍾馗があるのか!?
という、かなりマニアックなコースです。
鍾馗さんに関して多くは期待しておらず、アップダウンのある道で
多少は体を鍛えようというもくろみです。


アザミ、ハルジョオン、キンポウゲ

大部分の道のりは山里で、道端には野の花。

吉野町佐々羅付近
(吉野町佐々羅付近)

点在する集落には時折、正調大和風の重厚な民家が見られます。
鄙とはいえさすが奈良。

宇陀市下片岡付近

水田は大方が田植を終え、水をたたえています。
広葉樹の新緑も陽光に映え、暗く沈んだ針葉樹林をバックに
輝いています。

既に歩くには暑過ぎるほどの陽気になったのですが、
眼に入る景色の美しさに癒されました。

鍾馗については既知のものを除けばめぼしい発見はなし。

2011/4/24 奈良 橿原・桜井・天理2011年05月05日 23時09分40秒

記事化が遅れ、鍾馗さんについては既に博物館に掲載済なので、
ここでは途上で気づいた鍾馗以外のもろもろの瓦について紹介することにします。

まずはこちらの鬼瓦
橿原市醍醐町 養国寺山門の鬼瓦
(橿原市醍醐町 養国寺)

鍾馗さん#1281のすぐ横に位置します。

橿原市醍醐町 養国寺山門の鬼瓦 銘1

『明和七庚寅年 閏六月下旬』と読めます。
明和七年は1770年。平気で最古の鍾馗さんより古いな。
太陰暦なので閏月があります。

反対側の鬼瓦には作者の署名
橿原市醍醐町 養国寺山門の鬼瓦 銘2

橿原市醍醐町 養国寺山門の鬼瓦 銘3

『高市郡立位村 細工 大西』 でしょうか。
旧「高市郡」は現在の明日香村、高取町に加え、橿原市と大和高田市の一部を
含んでいましたが、「立位村」がどこになるのかはwwwの情報だけでは
わかりませんでした。


次は恵比寿さん。大和盆地は恵比寿・大黒が本当に多く、
ちょっと食傷しますが、この恵比寿さん、大棟から道端のブロック塀に引っ越して
よく目立っています。
桜井市大豆越 久米仙作の恵比寿
(桜井市大豆越)
桜井市大豆越 久米仙作の恵比寿
向かって左側に銘あり。

桜井市大豆越 久米仙作の恵比寿
あの久米仙でした。
しかも大泉 岡寅の刻印も。
やはり岡寅が瓦屋で、久米仙が鬼師なんでしょう。

久米仙、岡寅についてはおとんさん運営の掲示板に詳しいので
ご参照ください。


次も恵比寿さんです。
桜井市東田の恵比寿さん
(桜井市東田)

桜井市東田の恵比寿さん
ちょっと字が切れちゃいましたが、
「細工人 ヒラタ 大玉」 とあります。

大玉は鍾馗さんで3体見たことがあります。

しいて言えば、袴のような服と袖の翻り方が共通の作風かもしれません。

ヒラタという地名は、近在だと明日香村に平田という大字があります。(Mapion
平田には、瓦源という瓦屋がかつて存在していたようで、
こちらも上記、おとんさんの掲示板に記事があります。
興味のある方はご覧ください。


もうひとつ恵比寿さん。
橿原市醍醐町の恵比寿さん
(橿原市醍醐町)
細工としては前の二つに比べ今イチか。
橿原市醍醐町の恵比寿さん
刻印は不鮮明ですが、
『上田商店 大和大三輪大泉』 ではないでしょうか。
大三輪町は行政区画としては昭和30~38のわずかな期間存在していた町なので、
この恵比寿さんもこの時期のものと決めたいところですが
大神神社を「おおみわじんじゃ」と読むように、
「大三輪」という地名は古来からのもののようですので、この決め付けは難しそう。


小難しい銘談議はここまで。
以下は変わった瓦です。

小房町 京婦?
(橿原市小房町)

『京婦』でしょうか? 婦の字は変です。
いずれにせよ、意味がわかりません。


橿原市中町 三猿
(橿原市中町)

三猿といえば「見ざる、言わざる、聞かざる」が思い浮かびますが
この猿たちは盛装して桃や扇を持っています。
詳しくはわかりませんが、猿は山王神社の神の使いとされているそうです。
こちらのHPに詳しい)

この三猿があがるのは酢を醸造する会社でしたが、同じ建物には馬の飾り瓦も。
橿原市中町 馬

珍しいですね。


長くなりましたが、最後は見事な龍。
天理市小島町 龍
(天理市小島町)