八幡系 (16) 量産化への流れ2010年10月04日 23時36分01秒


東近江市鈴の鍾馗さん
(東近江市鈴)

ご覧のとおり、八幡系のお約束を守った鍾馗さんです。
ただ、本流八幡系と比べると、なんとなくライトな仕上がり。
衣服の文様も簡素化されているし、鬼瓦の地も無地ですが、
本流だったらこのスペースはきっと何かで埋め尽くしそうな気がします。

同日に近所でまったく同じ鍾馗さんを発見しました。

東近江市宮川の鍾馗さん
(東近江市宮川)

ということは、この鍾馗さんは型で作られて、
量産を意識した製品ということになり、
そういう目で見てみれば、極端な突起物がなく、
型抜きのしやすさを考えた形状になっています。

東近江市鈴の鍾馗さん

はじめの鍾馗さんを左側から見たところですが、
片側の鬢は枠から飛び出してしまうので省略されています。

八幡系も一般民家の需要が増えるにつれ、こういった普及版が
作られるようになっていったのではないかと推測されます。

本流のような豪華鍾馗さんはお値段もそれなりに張ったと思われますし、
庶民の家にはちょっと似合わないですからね。

実際に分布地で見られる八幡系の多くは、そうした量産タイプですが、
それぞれ八幡系の特徴をとどめています。