【0134】巨顔・大阪系ルーツ? その32010年07月15日 00時12分59秒

続きですが、ちょっと異質な2タイプを紹介します。

京都市中京区油小路通の鍾馗さん
(京都市中京区油小路通)

他では目立たない進士巾が目立っていて、印象が他とは異なりますが、
顔の造りや、ポーズ、細部の意匠とほぼ共通です。

京田辺市薪里ノ内の鍾馗さん
(京田辺市薪里ノ内)

さらにこちら、さすがにこれを同類に入れるのには
管理人としてもためらいがありましたが・・・

表情、特に目元と左手のポーズを決め手に
独断でここに入れました。

【0134】巨顔・大阪系ルーツ? その22010年07月14日 23時48分54秒

昨日の続きですが、鬼を踏んでいないタイプ。
このタイプはぐっと少なくなって、今日紹介の3タイプを合わせても
まだ10体も確認できていません。

貝塚市半田の鍾馗さん
(貝塚市半田)


井手町井手の鍾馗さん
(井手町井手)

二つの違いは微妙で、上のほうが剣がちょっと短いかな?

明石市林の鍾馗さん
(明石市林)

これは足が左右反対、左足を上げているので
簡単に区別できます。

これらは数が少ないものの、それほど古くない型物だと思います。

【0134】巨顔・大阪系ルーツ?2010年07月13日 23時25分24秒

今日紹介するのも関西一円どこでも見られる、一般的な鍾馗さんです。
ただしこれもバリエーションが14もあり、
今日はなかでも一番ありふれたタイプからご紹介。

【分布と記録数】 大阪府(84)、愛知県(64)、京都府(37)、滋賀県(21)、奈良県(16)、
            三重県(16)、兵庫県(3)、岐阜県(1)、埼玉県(1) 合計 (243)
【リンク】 収蔵室

京都市上京区大宮通の鍾馗さん
(京都市上京区大宮通)
こちらが最も多い標準タイプ。分布地全域で見られます。
下の2つとはポーズ、パーツともほとんど差はなく、
識別のポイントとは顔の大きさ、身体とのバランス。

京都市東山区宮川筋の鍾馗さん
(京都市東山区宮川筋)
上に比べ、かなり小振りの鍾馗さんで、顔が大きく見えます。
これはこの一体のみ。

豊田市駒場町の鍾馗さん
(豊田市駒場町)
こちらは明らかに背が小さく、顔も小顔。
愛知県が分布の中心ですが、関西各地でもあちこちで見つかります。


堺市中区八田北町の鍾馗さん
(堺市中区八田北町)
識別ポイントは左手。
他と違って自然に下ろしています。
そしてやや前かがみで造形されていました。

これら4種はいずれも型で造形する量産タイプでしょう。

【0084】安定感抜群 安産型 その③2010年07月11日 23時15分22秒

今日も続きですが、共通の特徴は剣を下におろしているところ。
いずれも発見数は数体以内で、珍しいものです。

京都市上京区二番町の鍾馗さん
(京都市上京区二番町)

京都市東山区轆轤町の鍾馗さん
(京都市東山区轆轤町)
赤い塗料はおそらく後付け。

八幡市橋本の鍾馗さん
(八幡市橋本)

八幡市橋本の鍾馗さん
(八幡市橋本)

四条畷市中野本町の鍾馗さん
(四条畷市中野本町)

寝屋川市高柳の鍾馗さん
(寝屋川市高柳)

枚方市渚元町の鍾馗さん
(枚方市渚元町)

【0084】安定感抜群 安産型 その②2010年07月10日 23時44分00秒

昨日に引き続き、【0084】
今日は腰の辺りに剣を捧げ持つタイプ

京都市中京区新町通の鍾馗さん
(京都市中京区新町通)
これはあちこちで見ることができます。
ただしほとんどは京都市内。
昨日の鍾馗さんに比べると細工が緻密で、
あちらが量産タイプとすれば、これはその原型となった手作り品の趣きです。

京都市北区平野通の鍾馗さん
(京都市北区平野通)
見た目の印象は異質ですが、各部パーツは他と同じ。
10体ほど見つけています。

これ以下はいずれも1体しか見つけていない、
突然変異のような鍾馗さんたちです。


京都市北区鞍馬口通の鍾馗さん
(京都市北区鞍馬口通)
右手の位置が低いのでここに記載しましたが、
印象としては昨日のグループに属します。
ずいぶん雑な、しろうとくさい作りです。

大東市中垣内の鍾馗さん
(大東市中垣内)
これは別番号が適切かもしれません。
分類は難しい・・

大東市中垣内の鍾馗さん
(大東市中垣内)
コメントは上に同じ・・
さらに加えて写真が悪すぎ・・

京都市東山区古門前通の鍾馗さん
(京都市東山区古門前通)
2番目の鍾馗さんと同系列。
というか、頭髪部分が欠け落ちただけかもしれません。

【0084】安定感抜群 安産型 その①2010年07月09日 23時30分43秒

昨日のHybridと顔は同じですが、
今日紹介するのはそこらじゅうで見られる、一般的な鍾馗さん。

【分布と記録数】 京都府(66)、奈良県(52)、大阪府(15)、三重県(4)、
            滋賀県(6)、兵庫県(3)、和歌山県(1)、東京都(1) 合計 (148)
【リンク】 収蔵室

実はこの【0084】に細かいバリエーションを19種類も確認しているので、
何日かに分けて紹介します。

まずは、剣を胸の辺りに捧げ持つタイプ4種。
これらは量産型で、新しいものです。
民家の塀によく見られ、七福神と組み合わされている場合も多い。

今でもどこかで作られていると思われますが、未確認。

京都市中京区新町通の鍾馗さん
(京都市中京区新町通)

奈良県天理市石上町の鍾馗さん
(天理市石上町)

田原本町保津の鍾馗さん
(田原本町保津)

安堵町西安堵の鍾馗さん
(安堵町西安堵)

違いはこちらで確認ください。
識別のポイント

【0084】不思議なHybrid2010年07月08日 23時29分45秒

明石市大久保町八木の鍾馗さん
(明石市大久保町八木)

【分布と記録数】 兵庫県(2)、奈良県(1) 合計 (3)
【整理番号】  0084DX4
【リンク】 収蔵室

この頭でっかちの鍾馗さん、
首から下は昨日紹介の【0135】とまったく同じ。
そこに【0084】の頭を継いでいます。

これらは間違いなく型で作られている鍾馗さんであり、
こんな組み合わせが存在しているのは不思議ですし、
どういう背景があるのか想像もつきませんが、それが楽しい。

【0135】奈良・大阪の多数派鍾馗2010年07月07日 23時39分12秒

【分布と記録数】 奈良県(102)、大阪府(87)、滋賀県(22)、京都府(17)、
           兵庫県(3)、三重県(2)、兵庫県(1) 合計 (234
【リンク】 収蔵室

奈良県と大阪府でごく普通に見られるこの鍾馗さん、二つのタイプがあります。
大阪市東住吉区北田辺の鍾馗さん
(大阪市東住吉区北田辺)
葛城市加守の鍾馗さん
(葛城市加守)

左右の髭がなびいて広がっているか否かが識別のポイントですが、
他にも違いがあちこちにあり、鬼の姿を見比べていただくと分かりますが、
下のほうがずいぶん雑な作りです。

しかも下の鍾馗さん、実際に見つかるのはこんな感じのが多い。
高取町市尾の鍾馗さん
(高取町市尾)

同じ鍾馗さんには違いないのですが、すべての線がぼやけて
鬼にいたっては、言われなければそうとは気づかないほど
ぼんやりしていてちょっとがっかりです。

おそらく、とうに耐用を過ぎた型を使い続けたのでしょうね。

【0050】陰の実力者2010年06月26日 22時49分19秒

京都の町ではいたるところで目にする鍾馗さんなので、
ひょっとして見覚えのある方もいるのではないでしょうか。
大山崎町円明寺の鍾馗さん
(大山崎町円明寺)

【分布と記録数】 京都府(333)、滋賀県(38)、奈良県(4)、大阪府(8)
            愛知県(1)、兵庫県(1)、福井県(1) 合計 (386)
【整理番号】  0050WX

ご覧のとおり、京都府に固まって分布しています。
管理人の記録数では先に紹介した【0083】についで第二位ですが、
京都市内はくまなく歩いていないので、未訪問地や見落としも考えれば
実数はこの数倍現存しているとにらんでおり、
日本で一番現存数の多い鍾馗さんであることは間違いないと思います。

伏見の浅田瓦さんのお話では、かつては京都のあちこちの瓦屋で
この鍾馗が作られていたらしく、こんなに沢山あるのもなるほどです。

たくさんあるだけに、細かなバリエーションもいろいろありそうです。

京都市下京区揚梅通の鍾馗さん
(京都市下京区揚梅通)

これはそっくりなんですが、少し小ぶりのようです。
胸に並んでいる丸点の数も少し少なく、
顎ひげの先っぽの形も少し違う。
いずれにしても瑣末な間違い探しのような差異です。

他の亜種は明日ご紹介。

【0063】やや小顔の一群2010年06月23日 23時54分17秒

昨日の続き【0063】ですが、やや毛色の違った一群。
本来は番号を分けて別種としたほうが良さそうです。
こちらも関西圏以外ではまったく見られません。

顔は小さめですが髭は濃くいかつい。

田原本町十六面の鍾馗さん
(田原本町十六面)

【分布と記録数】 京都府(5)、奈良県(22)、大阪府(8) 合計 (35)
【整理番号】  0063BX2

京都市上京区浄福寺通の鍾馗さん
(京都市上京区浄福寺通)

【分布と記録数】 京都府(17)、奈良県(24)、大阪府(9)、
            滋賀県(8)、兵庫県(3) 合計 (61)
【整理番号】  0063BX4

京都市下京区醒ヶ井通の鍾馗さん
(京都市下京区醒ヶ井通)

【分布と記録数】 京都府(5)、奈良県(15)、大阪府(13)、滋賀県(4) 合計 (37)
【整理番号】  0063BX3

以下はレアなタイプ。

松原市新堂の鍾馗さん
(松原市新堂)

【分布と記録数】 京都府(1)、大阪府(1) 合計 (2)
【整理番号】  0063BX6
雰囲気はすぐ上に酷似していますが、向かって左上のでっぱりがありません。
そして一回り小さい(だったと思う)(^^;)

大阪市住吉区住吉の鍾馗さん
(大阪市住吉区住吉)

【分布と記録数】 滋賀県(1)、大阪府(2) 合計 (3)
【整理番号】  0063BX5
この鍾馗さんは明らかに他より小さく、足が長くて見た目もかなり違います。
ただ同じ系列に属していることは間違いありません。