2012/3/23 紀州ツアーその32013年03月28日 22時03分08秒

和歌山ツアーその3 ひたすら鍾馗・鍾馗ですが、いま少しお付き合いを。


23.海南市小野田  #1466
鍾馗さん【1466】和歌山海南012小野田

ふしぎ鍾馗さんですね。髭がなんだか訳のわからないことになってます。


24.湯浅町湯浅  #1467
鍾馗さん【1467】和歌山海南013湯浅

湯浅は老舗の醤油屋さんがたくさんある町。
この鍾馗さんも醤油屋さんにあがっていました。堂々とした姿の写真から、
大きな鍾馗さんだろうと思っていたら、意外に小さくかわいい鍾馗さんでした。

25.湯浅町湯浅  #1468
鍾馗さん【1468】和歌山海南014湯浅

「湯浅おもちゃ博物館」の壁の触れる位置にあります。

26.湯浅町湯浅  #1469
鍾馗さん【1469】和歌山海南015湯浅

こちらは25の向かい側でこちらも触れることができる位置。
おとんさんによれば、いずれも町並み整備に合わせ、
どこかの家から提供されたものではないかとのことです。


27/28.みなべ町北道  【#1470
鍾馗さん【1470】和歌山みなべ001-1北道

鍾馗さん【1470】和歌山みなべ001-2北道

ツアー直前にonigawaraさんから情報提供があり、急遽足を延ばしてきました。
既に廃業したスナックの、大棟の両端にあがっています。
腰をおろして目の小さな穏やかな印象の鍾馗さんでした。



29.熊取町小谷北  【#1471
鍾馗さん【1471】大阪熊取006小谷北

帰途、立ち寄ってもらった鍾馗さん。
右側に大きく銘が刻まれています。
銘の詳細はおとんさんのブログを参照ください。


30.熊取町小谷南  【#1170
鍾馗さん【1170】大阪熊取005小谷南(再訪)

こちらは29のすぐ近く。三年ぶりの再訪で健在を確認しました。
前回にくらべ、柔らかい光で細部がよくわかります。


31.岸和田市上白原町  【#0084
鍾馗さん【0084】大阪岸和田081上白原町

こちらは帰り道の途中で見た量産タイプ。


32.和泉市国分町  【#0116
鍾馗さん【0116】大阪和泉038国分町

ツアーの最後に立ち寄ってもらったのはこちらの鍾馗さんですが、
軒下のうえ、夕方の光量不足(+腕前不足)でブレブレ・・


助手席に座っているだけで一日にこれだけの希少鍾馗さんを目にすることが
できるとは、本当に果報者です。改めておとんさんに多謝。

2012/3/23 紀州ツアーその12013年03月26日 20時53分07秒

私の住む愛知県から和歌山県は隣の隣の県にあたるのですが結構遠くて、どう行っても三時間くらいはかかります。
しかも奈良や大阪とは異なり鍾馗さんは少なく、一日歩いてたった一体とかシビアな探索となるため、なかなか足が向きません。

県内在住のonigawaraさんと、大阪在住の鍾馗友達のおとんさんがこまめに探索して見つけた鍾馗さんを、おとんさんがまとめて一気にご案内いただけるということで、
喜び勇んで出かけてまいりました。

いちにち、おとんさんの車で駆け巡ってこの日見た鍾馗さんは32体。
ほとんどがローカルの希少鍾馗さんです。
この日見せていただいた全32体を何回かに分けて、見た順に全部紹介いたします。

なお、特記ないものはすべて、onigawaraさんかおとんさんの発見です。


01.橋本市橋本   【#1458
鍾馗さん【1458】和歌山橋本016橋本

再開発中の地域の、とても古い家にあがっています。この鍾馗さんはなんとか生き永らえることができそうですが、町並みは壊滅状態。詳しくはこちら
細工が細かく、とても古い鍾馗さんである可能性があります。

銘 紀州東家瓦与

銘あり。「紀州 東家 瓦与」 
東家(とうげ)はこの鍾馗さんから程近いところにある地名。
地元の「瓦与」という屋号の瓦屋さんで製作されたのでしょう。


02.橋本市橋本   【#0189
鍾馗さん【0189】和歌山橋本017橋本

01のすぐ近くにありますが、この鍾馗さんのいる家は再開発中の町並みにぽつんと取り残されています。残念ながら風前の灯です。


03.橋本市古佐田   【#0601
鍾馗さん【0601】和歌山橋本005古佐田(再訪)

2009年以来、4年ぶりの再々訪で健在を確認しました。
このお宅もとても由緒のある家のようですから、しばらくは安泰でしょうか。


04/05.橋本市九度山  #1459
鍾馗さん【1459】和歌山橋本018-2九度山

鍾馗さん【1459】和歌山橋本018-1九度山

大棟両端に対であがっていました。
こうして並べてみると 03.橋本市古佐田 とは表情や両手の造形がそっくりですね。
同一グループに分類したほうがいいかも?


06.橋本市九度山  #1460
鍾馗さん【1460】和歌山橋本019九度山

07.橋本市九度山  同じく#1460
鍾馗さん【1460】和歌山橋本020九度山

この二体は明らかに兄弟です。
鍾馗さんのかぶる巾または帽子については、最近服部さんがおとんさんの掲示板
考証を披露しておられますが、この鍾馗さんのような三本角はどの時代にもなかった、この鍾馗さんを作った職人さんのオリジナル。


08.橋本市九度山  #0063
鍾馗さん【0063】和歌山橋本021九度山

こちらは探索中に発見した量産品です。


09.橋本市九度山  #0600
鍾馗さん【0600】和歌山橋本003九度山(再訪)

この鍾馗さんは2006年以来、約7年ぶりの再会です。
苔むすお顔は7年前からそのまま、特に苔が増殖してはいないようで
要はほったらかしなんですね。


10.橋本市名倉  #1461
鍾馗さん【1461】和歌山橋本022名倉

豪邸の軒、正面ではなくお寺があるわけでもない横を向いて、中途半端な位置におられました。力強い姿なので目立つところに置いてもらえば映えると思うのですが。


11.紀の川市粉河  #1066
鍾馗さん【1066】和歌山紀の川003粉河

橋本市東家にそっくりの兄弟を、吉野町上市には双子の兄弟を見つかっています。
浜千鳥の文様が衣服に彫り込まれていて、独特の個性になっています。


続きはまた。

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その3 へ

2013/1/27 四条畷→枚方、私部2013年02月05日 00時10分46秒

26日の夜は大阪で服部さんおとんさんとおやじ三人での誕生日会(^^)
大阪泊りになったので、そのまま帰るのももったいなく、翌日は軽く歩いて探索しました。

四条畷駅から北に、忍ヶ丘、香里園、光善寺と経由して枚方公園駅まで約20km。
冷え込みましたがほとんどは住宅密集地で冷たい風に悩まされることもないのは町場の探索のいいところ。冬場はあまり田舎には行かない方がいいのは、これまでの経験で得た鍾馗探訪の鉄則です。

寝屋川市高倉の鍾馗さん
寝屋川市高倉  #1448

とっても素朴でいい感じの鍾馗さん発見!ですが完璧な逆光。
しかも見上げるアングル。鍾馗さんのにらむお寺の境内にも行ってみましたが
こちらは遠すぎる。博物館にはお寺からの遠目の写真も掲載します。


寝屋川市小路北町の鍾馗さん
寝屋川市小路北町  #1221に収録

なんか上からつぶしてしまったような、がっしり量感のある鍾馗さん。


枚方市出口の鍾馗さん
枚方市出口  #1449

この顔、どこかで見かけたことがあるような気がしますが、思い出せません。
お気づきの方はお知らせください。


枚方公園までの探索で約30体を発見。まずまずの成果に満足しましたが、
まだ時間があったので近くの交野市私部(かたのしきさべ)を再訪することに。
ここは2006年夏以来の訪問です。
とても重厚な古民家が数多く残る、知る人ぞ知る町並みで、前回はお寺の周りだけ見て回ったのですが、他にも鍾馗さんが隠れているような予感がしていました。

交野市私部の鍾馗さん

交野市私部の鍾馗さん


以降はすべて#615のバリエーションです。交野市がほとんどで、隣の枚方市で少し見つかっていて、ご覧のとおり精緻なものから素朴なものまでいろいろです。
基本ポーズは同じなのですが、はたして同一番号に分類していいのか迷います。

交野市私部の鍾馗さん
これは精緻な方

交野市私部の鍾馗さん
これは今回新たに見つけた鍾馗さんで精緻なほうです。

交野市私部の鍾馗さん
この鍾馗さんあたりが平均的なところ。

交野市私部の鍾馗さん
今回発見。見つけた瞬間に同じ系列だと感じるのですが、
家に帰って写真をじっくり眺めるとあまりにも素朴。

交野市私部の鍾馗さん
これも今回発見。おそらく上の鍾馗さんとまったく同じもの。


私部はかなり大きな集落で歩き甲斐があります。
先回訪問時は10体、今回はさらに11体を発見しました。
入り込んでいない路地も残っているので、まだまだ見つかりそうな気配です。

【0127】らいおん鍾馗2010年08月27日 23時32分07秒

昨日の記事の集合写真では、[A]に相当する鍾馗さんです。

 従来の【0128】を統合しました。本宅博物館の更新はしばらくお待ちください。

【分布と記録数】 奈良県(69)、京都府(16)、大阪府(2)  合計 (87)
【リンク】 博物館・収蔵室(#0127) 博物館・収蔵室(#0128)


橿原市今井町の鍾馗さん
(橿原市今井)

田原本町の鍾馗さん
(田原本町)
上のふたつはほとんど違いはありません。
目立つ違いと言えば、バックルのような腰紐の結び目の形くらい。
それでもこの2種の分布域は
橿原市、天理市など、奈良盆地の東部では上のタイプ、
斑鳩町、広陵町など西部では下のタイプとくっきりと分かれています。

京田辺市田辺北里の鍾馗さん
(京田辺市田辺北里)
顔つきの印象が異なるため、従来は別種としていましたが、
今回まとめることにしました。
写真の鍾馗さんは比較的違いが分かりやすいほうですが、
中間的な特徴の鍾馗さんもいたりして、悩まされていました。

天理市櫟本町の鍾馗さん
(天理市櫟本町)
こちらは鬼を踏みつけています。

大和郡山市田中町の鍾馗さん
(大和郡山市田中町)
正面からの撮影でなく、暫定登録。

奈良市芝新屋町の鍾馗さん
(奈良市芝新屋町)

これは変り種。唯一自然な立ち姿で他と違って見えますが、
上半身だけ見れば疑いなく仲間とおもわれます。

【0071】石造りまである謎の鍾馗2010年08月25日 23時20分10秒

【分布と記録数】 三重県(25)、愛知県(24)、大阪府(3)、岐阜県(2)、
           奈良県(2)、神奈川県(1)  合計 (57)
【リンク】 博物館・収蔵室

松阪市魚見町の鍾馗さん
(松阪市魚見町)
これが標準タイプ。
愛知県、三重県では各地で目にすることができます。
東海地方では他の鍾馗さんにもよくあるのですが、
釉薬のかかったカラー鍾馗さんがおおいのも特徴で、
この鍾馗さんにも、赤、青、緑、橙 といろいろ見つかっています。

三浦市三崎の鍾馗さん
(三浦市三崎)
私の知る神奈川県唯一の鍾馗さん。
三崎町の商店街を紹介するサイトで見かけてはるばる訪ねました

標準タイプに比べると、握る左手の向きが違っていて、
サイズもやや大きめだった気がします。
他では見たことがありません。

御所市御堂魚棚町の鍾馗さん
(御所市御堂魚棚町)

こちらはなんと石造。
瓦製に比べて平板な印象はやむをえないとして、
細部の特徴はまぎれもなく標準タイプと一致。

奈良県では瓦製の標準タイプは見つかっていないため、
謎だらけの鍾馗さんです。
瓦職人が石を刻むとも思えないため、
石工が瓦鍾馗をお手本に作ったのでしょうか?

【0258】ほぼ奈良県限定の"大"ちゃん2010年08月23日 22時36分21秒

【分布と記録数】 奈良県(49)、大阪府(7)、京都府(1)  合計 (57)
【リンク】 博物館・収蔵室

大阪、京都でも少数見つけていますが、
大阪では柏原、八尾。京都では木津と奈良の隣町ばかり。
奈良県内では大和郡山市を中心として県西北部に多く見られますので
このあたりで生産されていたのだと思います。

大和郡山市小南町の鍾馗さん
(大和郡山市小南町)
これが標準タイプです。帽子に二つ並ぶ排気口のような穴がトレードマーク。


以下の鍾馗さんはトレードマークと表情で、兄弟とわかりますが、
いずれも発見は1体きりの突然変異です。

桜井市桜井の鍾馗さん
(桜井市桜井)
左手の下に銘が見えます。
へぼい写真で判読できなかったため、再訪しましたが、
家ごとなくなっていました。

柏原市本郷の鍾馗さん
(柏原市本郷)
握った拳を微妙に上げたこのポーズは類例がありません。
鬼じゃないんだからちょっと変ですね。

奈良市大柳生町の鍾馗さん
(奈良市大柳生町)

それにしてもこの帽子。ガンダムっぽくて不思議です。
何を見ての造形なんでしょう。

【0077】見た目がよく似たローカル鍾馗さん達2010年08月13日 23時53分23秒

【分布と記録数】 愛知県(47)、滋賀県(29)、三重県(15)、京都府(14)、
            岐阜県(4)、奈良県(4)、大阪府(1) 合計 (114)
【リンク】 博物館・収蔵室

#0078、#0080と似ていますが、直立不動のこれらに比べ、
右足に重心を乗せ、腰をひねっているので動きがあります。

東海市高横須賀町の鍾馗さん
(東海市高横須賀町)
帯紐がクロスしているのが特徴のこのタイプは
愛知県と三重県に多く見られます。

京都市北区紫竹西南町の鍾馗さん
(京都市北区紫竹西南町)
こちらは帯紐がクロスしていません。
京都はこのタイプが主流で、愛知県にも多い。

日野町上野田の鍾馗さん
(日野町上野田)
こちらは上にそっくりですが、なぜか左手を袖の中に隠しています。
左手が脱落した型をそのまま使い続けたのかも・・
滋賀県でよく見られます。

近江八幡市北元町の鍾馗さん
(近江八幡市北元町)
この鍾馗さんも帯紐がクロスしていますが、
丸顔にぎょろ目が特徴。
滋賀県を中心に分布。

蒲郡市府相町の鍾馗さん
(蒲郡市府相町)
他に比べやや大柄で、各所の細工が細かく、
新しい鍾馗さんではないかと推測しています。
蒲郡ほか、東三河で少数を確認しています。

養老町大巻の鍾馗さん
(養老町大巻)
これはこの1体だけの突然変異。
釉薬は措くとして、各部のバランスが他と微妙に異なっています。

【0098】 0094の弟分2010年08月07日 22時46分15秒

【分布と記録数】 愛知県(45)、滋賀県(8)、三重県(7)、岐阜県(6)、
            京都府(4)、兵庫県(2)、大阪府(1)、奈良県(1) 合計 (74)
【リンク】 博物館・収蔵室
愛知県に多く分布。【0094】にそっくりですが、
こっちのほうが、多少細面。


4種記録していて、こちらがスタンダードタイプです。
津市河芸町南黒田の鍾馗さん
(津市河芸町南黒田)

次は、何が違うのか問われると困るのですが、
ノミ跡もシャープなスタンダードタイプより、まろやかな印象(なんじゃそりゃ)
写真では判別しにくいのですが、表情もちょっと柔和。
三重県で2体だけ記録。
津市河芸町南黒田の鍾馗さん
(津市河芸町南黒田)

こちらは上2体と比べると、垂れ下がる帯紐の先の開き方が違います。
京都市中京区竹屋町通の鍾馗さん
(京都市中京区竹屋町通)

「びみょー」な違いばかりのここまでに比べると
最後の鍾馗さんは腰をひねって違いは明らか。
苦しい説明は不要ですね(^^;
なかなか決まっています。
常滑市栄町の鍾馗さん
(常滑市栄町)

【0155】剣振り上げ系の代表選手 (の親戚)2010年08月04日 23時06分07秒

昨日の続きです。
どこか間の抜けた仲間が
少数ですが、あちこちで見つかります。

斑鳩町阿波の鍾馗さん
(斑鳩町阿波)
愛知、奈良に4体。

京都市左京区春日上通の鍾馗さん
(京都市左京区春日上通)
この1体のみ。
ただし昨日の光本瓦店のカタログに載っています。

吹田市内本町の鍾馗さん
(吹田市内本町)
大阪、滋賀、京都で7体。

野洲市須原の鍾馗さん
(野洲市須原)
この1体、only oneです。


【0155】剣振り上げ系の代表選手2010年08月03日 23時58分22秒

【分布と記録数】 愛知県(73)、奈良県(63)、三重県(30)、滋賀県(27)、
            京都府(27)、大阪府(6)、岐阜県(2)、兵庫県(1) 合計 (229)
【リンク】 博物館・収蔵室
各地に分布し、よく見かける鍾馗さんです。

今日紹介する3種は比較的数の多いもので、
他に5種ほど記録していますがそちらは明日ご紹介予定。

京都市東山区慈法院庵町の鍾馗さん
(京都市東山区慈法院庵町)
一番ポピュラーな鍾馗さんで、【0155】の8割はこのタイプ。
整った姿で洗練されています。

京都市北区紫野下門前町の鍾馗さん
(京都市北区紫野下門前町)
一つ目に比べるとかなりワイルド、言い方を変えると荒っぽい。
光本瓦店のカタログに載っていました。

松阪市町新松ヶ島町
(松阪市町新松ヶ島町)
愛知、三重中心に分布。
これもかなりあらっぽい作りです。