2017/1/21 伊賀上野郊外 ― 2017年01月24日 21時54分19秒
新年のごあいさつもないまま、今年初探訪の報告です。
伊賀上野の郊外をちょっと一回りしてきました。
二回に分けてまずは鍾馗さんから紹介します。
伊賀市長田
胸にはいろいろ刻まれていて、
『防十萬敵』 『???』 『大正五年十月』
ちょうど百歳くらい。
世界では第一次世界大戦の真っ盛り、日本も中華民国と事を構えていたころで
何かときな臭い世相だったのでしょうか。
伊賀市西高倉
少し離れた集落でも、よく似た鍾馗さんがいました。
伊賀市西高倉
さらに少し北でも。
横倒しですが同じ鍾馗さんと思われます。
伊賀市西高倉
そのすぐ近くでもさらに。
他の三体に比べると素人っぽい造りの鍾馗さんですが、
威勢のよさは十倍です。
以上はまとめて#1605に分類予定。
伊賀市東高倉
こちらは伊賀上野限定鍾馗さんで、既に兄弟が三体知られています。
伊賀市東高倉(おとんさん情報提供)
こちらは上野市街地に続き、二体目の発見
瓜二つですが、細部が微妙に違っていて手びねりの鍾馗さんのようです。
伊賀市東高倉(おとんさん情報提供)
脚を開いて踏ん張っているこの鍾馗さんも伊賀上野特産。
だいぶ雰囲気の違う、腹違い?の鍾馗さんがこれまでに八体記録されています。
伊賀市野間
この鍾馗さんも上と同じ#555に分類します。
犬に鳴かれてブレてしまった・・情けない。
伊賀市西高倉
今回の伊賀行を決定づけた「三婆」鍾馗さん。
#558でした。
今回近くで三体見つけて合計六体になりました。
寸分違わないので地域限定の型抜き鍾馗さんのようです。
次回は鍾馗さん以外で目についた瓦をご紹介の予定です。
2016/12/3 滋賀県~『和夫写真館』追っかけ その2 ― 2016年12月07日 21時58分04秒
前週に引き続き『和夫写真館』で紹介されている鍾馗さんを訪ねて
滋賀県下をうろうろしました。
和夫写真館では町名までしかヒントがないので
事前にストリートビューで見つけられたもの以外は
現地で探し回ることになります。
先週に比べ、探せど見つからない鍾馗さんも多い一日でした。
日野町杉
八幡系です。
ほとんど遊んでいるような造り。
東近江市布施町
小ぶりな鍾馗さん。古いものではなさそうです。
近江八幡市長光寺町
両手が欠損してかわいそうですが、本人は至ってのんびりした表情。
近江八幡市西元町
#541の仲間と見立てました。
ウンチクはそのうち博物館にて。
近江八幡市孫平治町
下の鍾馗さん(#523)の裏(反対側)にいる鍾馗さんです。
2012年の発見時は正面から撮影できる場所が見つからなかったのですが
今回、一本東の筋で撮影ポイントを見つけました。
言い訳しますが、遠い/逆光/手前の木の枝が邪魔でフォーカスが合わない
悪条件が揃ってこんな写真しか撮れませんでした・・
よく似たお顔ですが鬼は踏んでいないようですね。
表の鍾馗さんです(2012年撮影)
【訃報】
(2012年撮影)
2012年に発見した、裸足の鍾馗さんの向かいにあがっていた鍾馗さんですが、
今回、更地になっていました。探訪していて一番悲しい瞬間です。
この後、長命寺近くの近江八幡市島町へ行きましたが、
お目当ての鍾馗さんは見つからず
彦根に飛びます。
彦根市島町
『まち遺産ネットひこね』の鈴木さんに教えていただいた
珍しい線刻鍾馗さん。
安政年間に建てられた足軽屋敷にあります。
彦根市の指定文化財に指定されており、安泰です。
守ってくれる人々がいるのはありがたいことですね。
この後、さらに長浜へ。我ながらあさましい。
長浜市三ツ矢町
これも鈴木さんからいただいた情報。
滋賀県では彦根より北ではめっきり鍾馗さんの姿が少なくなります。
以前に長浜中心部を探索したこともありますが収穫ゼロでした。
長浜では初の鍾馗さんです。
長浜市野瀬町
長浜市といってもここは旧浅井町に属し、ずいぶん山に入り込んだ所です。
それでも集落の雰囲気は旧街道筋のように歴史を感じさせるもので、
山奥の割には、と言っては失礼ですが品格のあるたたずまいでした。
ネットで探した情報では、商業(行商)を中心とした村だったようです。
ところでこちらは京都・伏見の浅田製瓦工場 初代浅田徳三郎の作品ではないかと
思います。
これまでこの二体を見つけていますが、
それらに比べても少し小ぶりですが、丁寧な造りの力作です。
2016/11/26 滋賀県~『和夫写真館』追っかけ その1 ― 2016年11月30日 22時45分19秒
『和夫写真館』というサイトがあって、滋賀県下の祭の記録がメインなのですが
その中に滋賀県内の鍾馗さんを掲載しているコーナーがあります。
-和夫写真館-
少し前にインドで見つけていたのですがとても充実していて、
見たことのない鍾馗さんが満載。
帰国したらすぐに行きたかったのですが、週末ようやく訪ねることができました。
今回紹介する鍾馗さんはすべて初見ですが、
最後の三体を除き、いずれも『和夫写真館』に載っていた鍾馗さんです。
栗東市林
栗東市手原
栗東市綣(へそ)
野洲市西河原
この鍾馗さんを探し当てるのにはてこずりました。
立派なお屋敷の薬医門。
下り棟の先端が鍾馗さん。珍しい位置ですがお向かいはお寺さん。
野洲市吉川
野洲市吉川
守山市幸津川町
近江八幡市鷹飼町
近江八幡市江頭町
近江八幡市江頭町
上の二体は八幡系の秀作。
まだまだ会いたい鍾馗さんがたくさんいますが、ここでタイムアップ。
終盤で彼らに出会えて、テンションマックスの土曜日でした。
ところで、『和夫写真館』主催者の方にぜひ連絡を取りたかったのですが
サイト上には連絡先がないようです。
もし、この記事をご覧いただけたら、ぜひ連絡をお願いいたします。
2016/11/5 山梨県笛吹市 ― 2016年11月29日 22時09分26秒
インドにいながらネットサーフィンしていて見つけた鍾馗さん。
地元の地域再発見プロジェクトが作成した街歩きマップです。
(トップページ)
(マップ)
山梨在住のnaoさんにフォローしていただいて盛り上がっていました。
このたび、『ワインツーリズムやまなし 2016』というイベントに参加して
ワインをぐびぐび飲んできたのですが、
点在するワイナリーからこの鍾馗さんは徒歩圏内。
行ってきました。
笛吹市上矢作。
ぶどう畑の中に建つ豪邸。
残念ながら逆光。絶好のワイン日和でしたが・・
後ろ姿がかわいい。
周辺も少し探してみましたが、他には発見できず。
本当に最高の天気でした。
勝沼ぶどう郷駅から甲府盆地の向こうに南アルプスを望む。
本日の戦利品。
2016/10/22 常滑 ― 2016年11月02日 23時22分17秒
常滑市は伊勢湾と三河湾の間の知多半島の中央あたりに位置して
現在では中部国際空港(セントレア)で有名になっています。
ここは鍾馗さんが質量ともに充実していて
愛知県内ではイチ押しの鍾馗さんスポットです。
(以前の紹介記事)
最近、常滑駅周辺がやたらにぎわっています。
なんとポケモンGO!の聖地になっているみたいで、
皆、スマホ見ながら駅周辺をうろうろしています。
私の方は鍾馗さんGO!でいつものごとく単独行。
この日のルートは小鈴谷から北上して中心街の「やきもの散歩道」までの約15km。
【新発見の鍾馗さん】
(01)常滑市小鈴谷
#003 の仲間。知多半島中部でぽつぽつと見つかる手びねり鍾馗さんです。
(02)常滑市山方町
#005 の仲間。
こちらも常滑周辺に特徴的な鍾馗さんで、下の方にいる(06)(08)の兄弟です。
(03)常滑市栄町
最近とみに観光地らしくなってきた、やきもの散歩道の一角にある
工場を改造した店舗に飾られています。
娘からの情報で訪ねました。
もちろん古いものではないと思います。
こんな感じで置かれてます。
【以下は再確認の鍾馗さん】
(04)常滑市大谷
(05)常滑市大谷
同じく #869
(06)常滑市古場町
(07)常滑市山方町
(08)常滑市奥条
これも(02)(06)と同じ #005
(09)常滑市市場町
10年以上前から知っていて気になる鍾馗さんなのですが・・・
背中側はよく見えるのに反対側は入り組んだ路地で、
何度さまよっても顔が見えるポイントがありません。
観光地化とともに中心部の過疎化、古い民家の更新も進んでいます。
早く行かないと・・
2016/1/4 新ノ口→柳本 2016/10/15 真菅→黒田 ― 2016年10月25日 22時46分59秒
皆さま、お久しぶりでございます。
無事インドから戻ってきて、ぼちぼちと探訪を再開しています。
インドにいて思い浮かべるのは原点の奈良。
1月に一時帰国した際に
橿原市新ノ口→葛本町→十市町→田原本町千代→笠形→蔵堂→伊与戸→大木→金沢→天理市遠田町→檜垣町→柳本町
先週に
橿原市中曽司町→土橋町→豊田町→大垣町→小槻町→飯高町→田原本町満田→矢部→薬王寺→保津→宮古→黒田
と歩きました。
ここでは二回分の記録をあげておきます。
どちらのコースも再訪集落ばかりですが、なかには10年ぶりのところもあります。
【新着】
橿原市葛本町
#428の仲間かと思いましたが違うみたい。
橿原市葛本町 服部さん情報
橿原市十市町
橿原市十市町 上と同じタイプ
橿原市十市町
よく似た感じの鍾馗さんはときどき見かけるが同定できず。
橿原市十市町
正面から顔が見えないと、途端に同定は難しくなります。
#362かなぁと思ったのですが、あまり自信はない。
田原本町大木 おとんさん情報
田原本町矢部
新しそう。#414の仲間だと思う。
【以下は再確認の鍾馗さん】
橿原市葛本町 #846
田原本町千代 #1439
田原本町蔵堂 #207
田原本町金沢 #144
田原本町大木 #079
田原本町大木 上と同じタイプ、同じ家にあげられている。
田原本町満田 #301
田原本町満田 #355
田原本町矢部 #1102
田原本町宮古 #273
歩くとすぐに疲れるし、鍾馗さんを探す嗅覚はなくなっているし。
写真は手ブレばかりだし。
リハビリにもう少しかかるかな。
2014/9/27 御所~高田 下街道 ― 2014年12月15日 02時36分59秒
ようやく残暑も収まるころを見計らって、奈良へ行ってきました。
(寒波の日本では変な書き出しですが、3か月も前の話です。すみません)
近鉄で御所まで行き、だいたい下街道沿いに北上しました。
ほとんどの所は再訪、再々訪なので、新発見はあまり期待できないのですが、
暑さも和らぎ、赴任を控えてそうそう出かけられないので、
あまりがつがつせず、のんびり歩ければいいやと出かけています。
真っ青な青空が広がる気持ちの良い日でしたが、
ハングリー精神に欠けた心持ちには幸運の神様は微笑んでくれず、
あっと驚く出会いはありませんでした。
以下の鍾馗さんはいずれも再録、
もしくは服部さん/おとんさんに教えていただいていたものです。
大和高田市中三倉堂 百鶴銘 #293
大和高田市藤森 #609 収録予定
大和高田市藤森 #598 収録予定
大和高田市土庫町 #356
大和高田市土庫町 #357
大和高田市日之出町 #140
≪再掲・緊急≫平松宿で見つけた瓦製群像 ― 2014年09月25日 23時40分14秒
この記事は2011年2月に掲載したものですが、
ここで取り上げた伊賀市平松宿の古い旅館が取り壊されるようです。
長野県在住、「さんろく」さんのブログ記事
職人の遺した仕事
ググって見つけた参考記事
なんとかできないものか、待ったなしの状況であせります。
良い知恵のある方、お知らせを!
ここで取り上げた伊賀市平松宿の古い旅館が取り壊されるようです。
長野県在住、「さんろく」さんのブログ記事
職人の遺した仕事
ググって見つけた参考記事
なんとかできないものか、待ったなしの状況であせります。
良い知恵のある方、お知らせを!
(以下再掲です)
2月19日は伊賀市を探訪。
全国でも名だたる鍾馗さんの聖地です。
これまでに十回は下らないくらい何度も行っていますが、
行けば行っただけ何か収穫があります。
鍾馗さんは現在整理中なので、
まずはちょっとみちくさでおもしろい群像をご紹介します。
見つけたのは伊賀街道・平松宿。
伊賀上野から津へ向かう街道が峠にかかる前にある、
こじんまりとした宿場町の中。
屋号は「いたや」といい、昭和40年ころまでは営業していたという
宿場でもひときわ目立つ旅館です。
(2004年撮影)
左手の2階高欄の下に飾り瓦がずらっと並んでいて、
その中のひとつがこちら。
鍾馗さんにも見えますが、甲冑着用だし、隣は小槌を持った大黒さん。
隣のパネルには布袋さんほか七福神。
まあ毘沙門天だと考えるのが順当でしょう。
毘沙門天はいつも「ドキッ」とさせられる、小憎らしいやつですが(^^;
ここの群像はすごい。
せっかくですので全部まとめて掲載します。
左側から順番です。
No1.宿屋の建物に看板、なぜか犬。
No2.客を迎える宿の女性?と七福神ご一行(毘沙門天、大黒、恵比寿)
No3.ご一行の続き(布袋、寿老人?、福禄寿) あれっ、弁天がいない。
No4.大橋という札と橋(宿場の南にある川か?)
No5.波と泳ぐ魚(鯉?) 残りの四間は同じような意匠が続きます。息切れ?
No6.
No7.
No8.
他のサイトの情報では、明治の大火以降の建築とのことですが、遊び心満載。
現在、空き家らしいですが、これはぜひ残していただきたい。
ここまで書いて、ひょっとして弁才天は空からご投宿?の
可能性に思い当たりました。
そこらじゅうに飾り瓦があって気がつきませんでしたが、
建物のどこかにひそんでいたのかもしれません。
行く機会があればぜひ見てきてください。
2014/7/19 おとんさんご案内・大阪南部ツアーその2の2 ― 2014年07月24日 22時08分49秒
15) 泉南市新家 新種 #1657で登録予定
16) 泉南市新家 新種 #1658で登録予定
17) 泉南市新家 新種 #1659で登録予定
18) 泉南市中小路 #134
一見、ありふれた#134ですが、よく見るとちょっと違うレアものでした。
さて、間違い探しですが普通の#134とどこが違うでしょう?
普通は肘を曲げて胸につけている左手を、下ろしています。
19) 泉南市岡田 新種 #1660で登録予定
20) 泉南市北野 #505の亜種登録予定
泉大津市西港町の鍾馗さんと角度違いで同じタイプかもしれませんが、
おとんさんの最新情報では当の鍾馗さんが失われてしまったそうです。
21) 泉南市樽井 #940
この近辺では結構見つかるようです。
22) 泉南市男里 #1204の亜種登録予定
23) 泉南市男里 新種 #1661で登録予定
24) 阪南市箱作 新種 #1662で登録予定
どこかに兄弟がいたような気もしますが・・
25) 阪南市箱作 #498の亜種登録予定
24)とは同じお宅にあがっています。
#498はこの辺りではときどき見かける量産品ですが、
この鍾馗さんは一点ものの手作りじゃないかと思います。
作者の気合いが伝わってきます。
26) 阪南市箱作 新種 #1661で登録予定(23と兄弟)
現在「博物館」に収蔵している #497の鍾馗さんはごくご近所ですが
そちらは建て替えで失われてしまいました。
以上、盛りだくさんな内容を駆け足で紹介いたしました。
おとんさんと、第一発見の皆さまに改めてお礼を申し上げます。
これだけの鍾馗さんを自分で見つけ出そうと思ったら、
交通費が50万円くらいかかりそうです(笑)
しあさってからまたインド出張です。
夜、時間があれば博物館の更新にも取り組みますが
お約束はできません。
気長にお待ちください。
2014/7/19 おとんさんご案内・大阪南部ツアーその2の1 ― 2014年07月23日 22時10分29秒
二週連続でおとんさんのご案内、大阪南部でおとんさん/Kさん発見の鍾馗さんを
巡りました。
今回は泉大津から岬町まで紀州街道に沿って南下し、
帰宅して整理したところ眼にした新種・新亜種の鍾馗さんは先週と同じ29体。
なんとも豪勢な二週間でおとんさんにはただただ感謝です。
今回も二回に分けて写真を紹介します。
1)泉大津市助松町 新種 #1644で登録予定
2)和泉市池上町 新種 #1645で登録予定
3)和泉市桑原町 新種 #1646で登録予定
4)泉大津市豊中町 新種 #1647で登録予定
5)泉大津市豊中町 新種 #1648で登録予定
4)の鍾馗さんとは通りをはさんで向かい合う「お向かい鍾馗さん」ですが
どちらも手びねりのうえ、かなり大きく立派な鍾馗さんです。
こういうところは滅多にないと思います。
6)泉大津市小田町 新種 #1649で登録予定
7)岸和田市中井町 新種 #1650で登録予定
8)貝塚市近木 新種 #1651で登録予定
9)貝塚市脇浜 新種 #1652で登録予定
10)貝塚市脇浜 新種 #1653で登録予定
9)の鍾馗さんと同じお宅に並んでいます。
ぶっ飛んだ造形の9)とは対照的にまじめな鍾馗さん。
11)貝塚市王子 新種 #1654で登録予定
13)泉佐野市日根野 新種 #1655で登録予定
14)泉佐野市長滝 新種 #1656で登録予定
次回に続きます。