古都マイソール訪問記(1) ― 2014年08月05日 00時26分27秒
また、インドはバンガロールに来ています。
昨年7月の初訪問以来、一年で早くも6回目です。
6回目ともなると初めの頃に感じていたカルチャーショックもどこへやら。
何処まで行っても人であふれる雑踏も、
信号無視に逆走となんでもありあり、
そこのけそこのけクルマが通る(ただし牛は別格)で
クラクションの鳴り止まない道路状況も、
生ゴミが道端に山となって臭気を発している光景も、
すっかり慣れっこになってきました。
というわけで日常生活のよしなし事をまったく記録しなくなりましたので
今日は昨日観光してきたマイソールのことをご紹介します。
といっても、何の予備知識もなく「暇だから行ってみっか!」という軽いノリです。
詳しいことが知りたければまずはこちらからどうぞ。
南インド有数の勢力を誇ったマイソール王国の都で豪華な宮殿が有名、
というのが訪問前の私の知識レベル。
ちなみに以前にも電車で行こうとチャレンジし、
切符すら買えずに不戦敗したこともあります。
今回は同行者もいることもあり、安全第一でタクシーを手配。
バンガロールからマイソールまでは約150kmあり、
日本で言えば名古屋から京都まで行くようなものです。
日本でそんなことしてタクシーを一日借り切ったら
いったいいくらかかるのでしょう?
想像もできませんが、インドではこんな贅沢ができてしまいます。
朝8時、ホテルに迎えに来てくれた運転手さんに、
「マイソールでは宮殿しか知らないけど、お薦めのところに連れて行ってよ」と
お願いすると、「任せとけ!」って感じで、
宮殿と、動物園と、丘の上にあるお寺と、と言う感じでざっと説明してくれて、
こちらは「OK!任せた」とあっさり決まって出発です。
快適なドライブで2時間半ほど経過して、そろそろマイソールかなと思う頃、
運ちゃんが横道に逸れ、小さな町に道草していきます。
ちらっと見えた看板に「古都xxxxxにようこそ!」
みたいなことが書いてありましたがxxxxxは読めません。
運ちゃんも何か町の名前を言いましたが聞き取れず。
街中にはイスラムのモスクがあったり、ゆったりした町の雰囲気が
普段いるバンガロールや近郊の工業都市とは全然違って心地よい。
「ここはティプーというスルタンのお墓だよ」とか
運ちゃんはいろいろ説明してくれますが、
予備知識がないので全然頭に入りません。
帰ってから復習したらここでした。
車から降りていないので写真はありません。
11時前くらいにマイソール着。まずはマイソール宮殿に向かいました。
想像以上に立派で、ベルサイユとかを思い浮かべる広壮な前庭の背後に
王宮がそびえています。
入場料:インド人40ルピー、外国人200ルピー
何それ!と思いましたが、外国人には無料の音声ガイドが貸してもらえます。
ただし借りるときにパスポートを預けさせられます。
もちろん盗難防止だと思いますが、この辺はインドらしさを感じます。
日本語版もあって「やった」と思ったのですが、
私の借りた機械はヘッドフォンがいかれていて使えませんでした。
まあ、本機に耳をあてれば聞こえたのでいいんですけどね。
館内は土足禁止(靴下はOK)。靴は入口近くで預けて裸足で入場します。
裸足になった後に、普通の外の道を歩かされるのがこれもまたインド。
内部の撮影は厳禁。入口でセキュリティチェックもあるので、
カメラは預かり所に預けた方がいいと思います。
訪問者は9割以上がインド人でした。
結構にぎわっていて、内部は押すな押すなの混雑。
押すな押すなといっても日本では最近、実際に行列で
後ろの人から押される経験をすることはほとんどありませんが、
インド人はほんとにぐいぐい押してきます。
これはなかなか慣れないので、弱気な日本人はつい列を外して譲ったり、
列の外から遠巻きに宝物を眺めることになります。
確かに豪華な宝物や贅を凝らした装飾が満載ですが、
遠くからでよく見えなかったので、
あまり印象に残らなかったというのが正直な感想です。
宮殿見学を終えて外に出ると、象がいました。
インドで象をみるのは実は初めてです。
観光客を乗せてくれていて、象は1人100ルピー、ラクダは40ルピーだったかな?
とても乗ってみたかったのですが、同行者があまり乗り気でなく見送り。
あとで地元の人に聞いたら、バンガロール近郊の国立公園でも
象に乗せてくれるそうです。そのうち乗るゾウ。
昼になったのでまた運ちゃんにお任せで、「どっかレストランに連れてって」と
お願いすると「インディアンかチャイニーズどっちがいい?」と聞かれ、
「チャイニーズ!」を選択して連れて行ってくれたのはどう見てもインディアン(^^;
でも一応メニューにはタンドリーチキンとかに並んで
フライドライス(=チャーハン)なんかもあったのでまあいいか。
味は美味しく、チキンケバブが120ルピーくらい、チャーハンも120ルピーに
ビールが中瓶くらいで一本140ルピー。
二人合計で710ルピー(大体1200円くらい)
バンガロールで普段食べている半額以下の安さに大満足でした。
ちなみにチャーハンは日本で言えば二人前のボリューム。
二人で分けてちょうどいい量で200円もしない。
空いていたのでウェイターのお兄ちゃんが
なにくれとなくサービスしてくれましたが
支払いを終えると仏頂面。
後で思い出すとほぼぴったりで支払ってしまったので
お兄ちゃんの取り分が雀の涙で、それが不満だったみたいです。
チップはどこに行っても難しいですね。
そういえば、以前の記事で紹介した、濃い顔のおっさんの顔を並べたポスター。
マイソールの街中でも見かけたのですが、
ここのポスターはおっさん達の顔と一緒になぜかタイツ姿のおっさんが
こんなポーズで写っていました(写真なし)
てっきり政党のポスターだと思っていたのですが、
また謎がひとつ増えてしまった。
地元の人に聞いてみます。
またいつものようにだらだらと長くなりました。
次回に続きます。
古都マイソール訪問記(2) ― 2014年08月06日 00時12分27秒
お腹も一杯になって続く訪問先はマイソール動物園。
いい年こいたおっさん二人で動物園もちょっとなぁ、と思いつつ
インドのことだから狭いオリにみっしり動物が押し込められているんじゃないかと
勝手に想像していましたが、全然違ってました。
園内は順路がきっちり案内されていて一周すると3キロ。
広い広い。
各動物のスペースもゆったりしていて檻になっているのは
鳥や爬虫類など一部だけで、大柄な動物は濠で仕切られた広い敷地の中を
歩き回っています。
これだけゆったりした作りの動物園、日本でも珍しいのでは。
いろんな動物がいましたが目玉はホワイトタイガーでしょう。
残念ながら奥の方でお昼寝中でした。
人気も高いようで家族連れや若者グループで賑わっています。
ほとんどインド人で東アジア系は、
ぜったい日本人ではなさそうな若い男の二人連れを見ただけ。
結局マイソール観光で終日日本人に出会うことはありませんでした。
園内は子供連れが多いので何となくほんわかした雰囲気で、
もちろん車がいないのもありますが
インドでこれだけ警戒心を解いてくつろげる所は貴重かも。
お猿さんは放し飼い。
日本の猿と違っておっとりしていてキーキー叫んだりせず、
ヒトにも無関心でお猿さん同士遊んでいます。
この後行くチャームンディーの丘にもたくさんいましたが、
そちらでも餌をねだったり、
人の持ち物を狙ったりといったいたずらもしないみたいで、
もちろん観光地なので人の出すゴミとかに依存しているのだとは思いますが
さりげなく共存している様子がとっても好ましい。
野良牛や野良犬と一緒で、インドの人と動物の関係は適当に無関心でいい感じ。
動物園行って猿の写真だけか!というお叱りが聞こえてきそうですが、
スマホしか持って行っていないので、遠くにいる動物の写真は使い物になりません。
あしからず。
まとめの感想です。わんさか珍獣がいる、といった動物園ではないですが
ゆったりして動物の待遇も基本的にいいので、
見物していて悲惨な感じを受けない、結構レベルの高い動物園だと思います。
お薦めできます。
ネットで見つけたマイソール動物園に関する記事
全身脱毛症のチンパンジー いました、いました。元気そうでした。
アジアの動物園人気ランキング 堂々の第3位入賞!
マイソール見物記、まだ続きます。
閑話旧題 ― 2014年08月09日 22時50分48秒
古都マイソール訪問記(3) ― 2014年08月12日 22時00分53秒
動物園のあとは、町の南側にある、チャームンディーの丘にのぼりました。
比高は300メートルくらいでしょうか。上からはマイソール市街と
背後に広がる平原が一望できます。
この日はあいにくの雨模様なので眺望はいまいちですが、
周囲も含めて非常に緑が多いことがなんとなくおわかりいただけるのでは。
車の登山道路は道幅は狭いものの、信州の高原道路を思わせるような
さわやかな景色が続くのですが、山頂に着くとそこはまたインドです。
頂上には由緒あるチャームンデーシュワリー寺院があって、
インドの善男善女の巡礼地となっていそうで大混雑。
(右にいる白シャツがこの日案内してくれた運ちゃんです)
運ちゃんに勧められるままに参拝してみることにしました。
ヒンドゥー寺院の中に入るのは初めてです。
宮殿は靴下OKですが、ここでは靴下も脱いで裸足で寺院に入ります。
寺院内はもちろん写真撮影禁止。
入口は長蛇の列。そしてここでもインド名物押し合いへし合い(*_*)
宮殿に比べると男女比が逆転して、ここでは女性が多そうです。
女性にぎゅうぎゅう押されるなんて、なかなかいい体験と思われるかもしれませんが
お寺の参拝者は日本もインドも同じでほとんどが高齢者です。
皆さん、とても真剣にお参りしていますが、作法も何も知らない異教徒の我々は
列の少し外から控えめに見物させていただきました。
マヒシャースラ お寺の門前町にあって、
3メートル以上ありそうな大きな像でした。
昔、マイソールを支配していた魔神だそうです。 詳しくはこちらをどうぞ。
ちょっと鍾馗さんに通じるものがあってうれしい。
インドには珍しく、牛にちょっかいをだす少年たち。
この後、大人にこっぴどく怒られていました。
少し下ったところにも大きな牛。
こちらの牛は動きません。
ちょっと停まってもらって写真だけ撮ってきました。
シヴァ神の乗る、ナンディンという神聖な牛だそうです。
もう一回続けます。
古都マイソール訪問記(4) ― 2014年08月21日 22時15分34秒
マイソールからの帰途、運ちゃんの提案で近くのダムに寄り道しました。
KRSダムといって、バンガロールも含めて近隣の水がめのようです。
ちょうど放水中で大迫力。
なだらかな起伏の大平原にあるダムなので高さはそこそこですが
堰堤の長いこと。写っているのはごく一部分にすぎません。
バンガロール周辺にはほとんど川がなく、あってもどぶ川のようなの
ばかりなので、このダムはとても貴重なもののようで、
水の配分を巡っては争い事も多いようです。
ダムからバンガロールはすぐに幹線道路に戻ってもよいのですが、
運ちゃんはなぜかくねくねの裏道をチョイスして、なかなか幹線に戻りません。
でも裏道から見える純農村の風景はとっても穏やかで
表通りのごみごみ、ぎすぎすした雰囲気と違っていい感じです。
水田のバックにはヤシの木。サギが餌になる小動物をついばんでます。
南インドは米食文化で、バンガロール付近では見かけない田んぼが
マイソールの方まで来るとごく普通に見られます。
こうした景色にほっとするのはやはり日本人ですね。
延々と田舎道を走ったのちに幹線道路に戻ると、そこらじゅうで渋滞していました。
運ちゃんが延々と裏道を走り続けた理由がやっとわかりました。
5時にマイソールを発って、バンガロールに帰ったのは10時過ぎ。
行きの倍近くかかりました。