2010/8/21 東京うろうろ2010年08月22日 23時10分42秒

日頃、関西方面には頻繁に出没していますが、
鍾馗さんの影の薄い東京は縁がなく、一昨年11月以来です。

みちくさ学会」の第一回設立総会ならびに懇親会があるということで、
参加のついでに、ネットサーフィンで情報を持ちながら訪問機会がなかなかなかった、
神田と雑司が谷の鍾馗さんも、訪ねることにして一石二鳥。

目指す鍾馗さんをカメラに収め、みちくさ学会の皆さんと楽しい時間を過ごしました。
鍾馗さんは博物館にアップしましたのでご覧ください。
それだけでも大満足ですが、うれしいおまけもありました。

昼食はたまたま居た本郷三丁目で、交差点近くにあったカレー屋に入りました。
それが後で知ったことですが、なかなかの名店でした。
何でもTVチャンピオンのカレー職人選手権で優勝したこともあるという
プティフ」というお店です。
ビーフカレーをいただきましたが、よく煮込んだ欧風カレーで私の好み。
ちょっと高くて量少なめなのと、スパイスをもっと前面にたててほしいなという感想で、
マイブームの「アビーロード」には勝てないなという判定。
それでも、機会があればぜひ再訪してみたい味でした。

懇親会終了後、夜行バスの発車まで時間があったので、ふと思いたち、
ゆりかもめに乗って湾岸の夜景を眺めてから帰りました。
実はこちらの方に行くのは初めて。おのぼりさんなんです。
見得を張って普通に座っていましたが、本当は窓にへばりついていたい。

ゆりかもめのどこかの駅からみたベイブリッジです。手ブレご容赦。
レインボーブリッジ

バスは満員ながら、3列シートでなかなかのレベルなのですが、
悲しいかな車内にはいびきオヤジが2名いて、とほほでした(;;)

【0258】ほぼ奈良県限定の"大"ちゃん2010年08月23日 22時36分21秒

【分布と記録数】 奈良県(49)、大阪府(7)、京都府(1)  合計 (57)
【リンク】 博物館・収蔵室

大阪、京都でも少数見つけていますが、
大阪では柏原、八尾。京都では木津と奈良の隣町ばかり。
奈良県内では大和郡山市を中心として県西北部に多く見られますので
このあたりで生産されていたのだと思います。

大和郡山市小南町の鍾馗さん
(大和郡山市小南町)
これが標準タイプです。帽子に二つ並ぶ排気口のような穴がトレードマーク。


以下の鍾馗さんはトレードマークと表情で、兄弟とわかりますが、
いずれも発見は1体きりの突然変異です。

桜井市桜井の鍾馗さん
(桜井市桜井)
左手の下に銘が見えます。
へぼい写真で判読できなかったため、再訪しましたが、
家ごとなくなっていました。

柏原市本郷の鍾馗さん
(柏原市本郷)
握った拳を微妙に上げたこのポーズは類例がありません。
鬼じゃないんだからちょっと変ですね。

奈良市大柳生町の鍾馗さん
(奈良市大柳生町)

それにしてもこの帽子。ガンダムっぽくて不思議です。
何を見ての造形なんでしょう。

【0097】端正な現代鍾馗2010年08月24日 23時37分14秒

【分布と記録数】 愛知県(42)、三重県(5)、滋賀県(4)、岐阜県(1)、
           奈良県(1)  合計 (53)
【リンク】 博物館・収蔵室

愛知県中心に東海地方に分布。

桑名市赤須賀の鍾馗さん
(桑名市赤須賀)

左足を踏み込んで力が入っています。
流れるような造形に無理はなく、作者の力量は確かです。

またこの鍾馗さんの場合、他で見られるようなこまごまとした
バリエーションは全然なく、近代的製法で作られたんでしょうね。

わがままな鍾馗探索者としては、もう少し遊んでくれると面白いのですが。

【0071】石造りまである謎の鍾馗2010年08月25日 23時20分10秒

【分布と記録数】 三重県(25)、愛知県(24)、大阪府(3)、岐阜県(2)、
           奈良県(2)、神奈川県(1)  合計 (57)
【リンク】 博物館・収蔵室

松阪市魚見町の鍾馗さん
(松阪市魚見町)
これが標準タイプ。
愛知県、三重県では各地で目にすることができます。
東海地方では他の鍾馗さんにもよくあるのですが、
釉薬のかかったカラー鍾馗さんがおおいのも特徴で、
この鍾馗さんにも、赤、青、緑、橙 といろいろ見つかっています。

三浦市三崎の鍾馗さん
(三浦市三崎)
私の知る神奈川県唯一の鍾馗さん。
三崎町の商店街を紹介するサイトで見かけてはるばる訪ねました

標準タイプに比べると、握る左手の向きが違っていて、
サイズもやや大きめだった気がします。
他では見たことがありません。

御所市御堂魚棚町の鍾馗さん
(御所市御堂魚棚町)

こちらはなんと石造。
瓦製に比べて平板な印象はやむをえないとして、
細部の特徴はまぎれもなく標準タイプと一致。

奈良県では瓦製の標準タイプは見つかっていないため、
謎だらけの鍾馗さんです。
瓦職人が石を刻むとも思えないため、
石工が瓦鍾馗をお手本に作ったのでしょうか?

ヤマトライオン 分類思案中2010年08月26日 23時26分57秒

奈良県を歩くと、こんな感じの鍾馗さんをよく見かけます。
橿原市今井町の鍾馗さん
(橿原市今井)

雄ライオンのたてがみのような立派な髭がチャームポイント。

ところがこの鍾馗さん、似た雰囲気のがいっぱいあり、
拙サイト「鍾馗博物館」では、9種に大別して19種の亜種を収蔵しています。

#127,#128,#230,#280,#340,#598.#599,#874.#1064

ところが自分で言うのもなんですが、この分類どうもすっきりしない。

違うよな~

例えば、この二つの鍾馗さんを #127 にまとめていますが、
ずいぶん雰囲気が違いますよね。

改めてこれらを全部見比べて再分類してみました(^^;

結果が以下です。
新分類1
新分類2
新分類3

まぁ、正解があるものでもないのですが・・
マニアックで楽しい作業ですが、疲れたので今日はここまで。

【0127】らいおん鍾馗2010年08月27日 23時32分07秒

昨日の記事の集合写真では、[A]に相当する鍾馗さんです。

 従来の【0128】を統合しました。本宅博物館の更新はしばらくお待ちください。

【分布と記録数】 奈良県(69)、京都府(16)、大阪府(2)  合計 (87)
【リンク】 博物館・収蔵室(#0127) 博物館・収蔵室(#0128)


橿原市今井町の鍾馗さん
(橿原市今井)

田原本町の鍾馗さん
(田原本町)
上のふたつはほとんど違いはありません。
目立つ違いと言えば、バックルのような腰紐の結び目の形くらい。
それでもこの2種の分布域は
橿原市、天理市など、奈良盆地の東部では上のタイプ、
斑鳩町、広陵町など西部では下のタイプとくっきりと分かれています。

京田辺市田辺北里の鍾馗さん
(京田辺市田辺北里)
顔つきの印象が異なるため、従来は別種としていましたが、
今回まとめることにしました。
写真の鍾馗さんは比較的違いが分かりやすいほうですが、
中間的な特徴の鍾馗さんもいたりして、悩まされていました。

天理市櫟本町の鍾馗さん
(天理市櫟本町)
こちらは鬼を踏みつけています。

大和郡山市田中町の鍾馗さん
(大和郡山市田中町)
正面からの撮影でなく、暫定登録。

奈良市芝新屋町の鍾馗さん
(奈良市芝新屋町)

これは変り種。唯一自然な立ち姿で他と違って見えますが、
上半身だけ見れば疑いなく仲間とおもわれます。

2010/8/28 奈良井2010年08月28日 23時46分33秒

残暑続く中、少しでも涼しいところへ、と
家族で御岳山麓の開田高原へ行ってきました。

木陰

好天に恵まれ、下界に比べればずいぶん過ごしやすい高原で
ブルーベリー、蕎麦、ソフトクリームと楽しんできました。
(こうやって書いてみると食べ物ばっかり・・・・)

帰りに中山道奈良井宿へ立ち寄りました。
木製の鍾馗さんがあるという情報を聞いていたので
カメラに収めてきました。
塩尻市奈良井の鍾馗さん

瓦製の鍾馗さんとはまったく別の系列の作品で、
長野県の他地域でみつかる鍾馗さんとも類似性はみられません。

笑えとは言わないのですが、どこかに愛嬌がほしいなー。


おしらせ サイト内検索2010年08月29日 23時58分44秒

サイト内検索機能を追加しましたので、ご利用ください。
(鍾馗博物館とセットでサイト内検索できないか試しましたが断念)

『街でよく見る鍾馗』まとめ2010年08月30日 23時51分56秒

『街でよく見る鍾馗』の記事を掲載し終わりましたので、
インデックスを本宅「鍾馗博物館」内にアップしました。

計32種の鍾馗さんについて紹介しましたが、
この32種で個体としては4775体を記録しています。
管理人発見の総数が8600体強ですから、
この32種で過半数がカバーされることになります。

街で見た鍾馗さんがこの中に含まれていないようでしたら、
それなりに珍しい鍾馗さん、といってよいと思います。

【0583】二刀流!?2010年08月31日 23時30分35秒

どてらを着たような鍾馗さん、伊賀上野市街地で2体のみ発見。
あちこち違いがありますが、見間違いようのない個性で
兄弟なのは一目瞭然です。

伊賀市上野向島町の鍾馗さん
(伊賀市上野向島町)

伊賀市上野新町の鍾馗さん
(伊賀市上野新町)

ちょっと左手の持ち物がよく見えないのですが、
下の鍾馗さん、二刀流のようです。

上の鍾馗さんも、両手の持ち物は失われていますが、
そういう目線で見ると、二刀流だったと見えないこともない。

おとんさんがサウスポーの鍾馗さんを追究されていて、
結構たくさんあることがわかってきましたが、
二刀流は他に見た覚えがありません。