2012/3/23 紀州ツアーその3 ― 2013年03月28日 22時03分08秒
和歌山ツアーその3 ひたすら鍾馗・鍾馗ですが、いま少しお付き合いを。
ふしぎ鍾馗さんですね。髭がなんだか訳のわからないことになってます。
湯浅は老舗の醤油屋さんがたくさんある町。
この鍾馗さんも醤油屋さんにあがっていました。堂々とした姿の写真から、
大きな鍾馗さんだろうと思っていたら、意外に小さくかわいい鍾馗さんでした。
「湯浅おもちゃ博物館」の壁の触れる位置にあります。
こちらは25の向かい側でこちらも触れることができる位置。
おとんさんによれば、いずれも町並み整備に合わせ、
どこかの家から提供されたものではないかとのことです。
27/28.みなべ町北道 【#1470】
ツアー直前にonigawaraさんから情報提供があり、急遽足を延ばしてきました。
既に廃業したスナックの、大棟の両端にあがっています。
腰をおろして目の小さな穏やかな印象の鍾馗さんでした。
29.熊取町小谷北 【#1471】
帰途、立ち寄ってもらった鍾馗さん。
右側に大きく銘が刻まれています。
銘の詳細はおとんさんのブログを参照ください。
30.熊取町小谷南 【#1170】
こちらは29のすぐ近く。三年ぶりの再訪で健在を確認しました。
前回にくらべ、柔らかい光で細部がよくわかります。
31.岸和田市上白原町 【#0084】
こちらは帰り道の途中で見た量産タイプ。
32.和泉市国分町 【#0116】
ツアーの最後に立ち寄ってもらったのはこちらの鍾馗さんですが、
軒下のうえ、夕方の光量不足(+腕前不足)でブレブレ・・
助手席に座っているだけで一日にこれだけの希少鍾馗さんを目にすることが
できるとは、本当に果報者です。改めておとんさんに多謝。
2012/3/23 紀州ツアーその2 ― 2013年03月27日 23時00分36秒
昨日からの続きです。
橋本市を起点に和歌山県内を少しづつ南下します。
顎ひげが糸巻きみたいになっています。
酒屋さんの屋根にあがっています。
どうでしょう?職人さんの腕前が光ります。
二重まぶたのシャープな線に感嘆です。
13と同じ家の裏にあります。
表の鍾馗さんとは、まったく異なる作風。
今はほとんど地元の人以外、通るとも思えない裏通りですが、家人のお話では
もともとは裏の道が街道筋で、店はそちらに向けてやっていたそうです。
反対側に新道ができてから、店も反対側に移動したとのこと。
いずれにせよ、おとんさんが家人に話を伺わないことには、
この鍾馗さんが世の人の目に触れることはなかったでしょう。
足元には銘。
「福井 中原安太郎作」とあります。
福井という集落が近くにあるので、おとんさんと話をしたご主人が
電話帳で子孫がいないか、調べてくれたそうですが、見つからなかったそうです。
#134は大体鬼を踏みつけていますが、この鬼のいないタイプは
大阪南部から和歌山にかけてよく見られます。
16.紀美野町下佐々 【#0491】
鬼瓦に遮られて見えない足元には鬼がいる(はず)
昨年、同市且来でonigawaraさん、おとんさんと一緒に発見した鍾馗さんと瓜二つですが、細部はちょっと違うような気も・・
どうでしょうかね?
17と同じお宅の破風にはこの鍾馗さんがおられます。
陰になっていて暗いので、おとんさんが三脚を用意してくれました。
ほんとうに大名旅行です。
鍾馗博物館では、昨日紹介した橋本市橋本の鍾馗さん(02)と兄弟としていますが、
こちらは袖まくりがトレードマークで、服部さんからは別種では?と疑義あり。
表情はそっくりですが、他人の空似かもしれません。
茨木市島に続く二例目となる希少鍾馗さん。
こちらのほうがうまく写ったので、博物館の写真は差し替えます。
こちらも二例目です。もう一体は泉南市信達牧野で、#0505に属する親戚は
和泉地方各地で見つかっています。
この鍾馗さんは 15.紀美野町福田と同じです。
長くなりました、まだ続きます。
その3 へ
2012/3/23 紀州ツアーその1 ― 2013年03月26日 20時53分07秒
私の住む愛知県から和歌山県は隣の隣の県にあたるのですが結構遠くて、どう行っても三時間くらいはかかります。
しかも奈良や大阪とは異なり鍾馗さんは少なく、一日歩いてたった一体とかシビアな探索となるため、なかなか足が向きません。
県内在住のonigawaraさんと、大阪在住の鍾馗友達のおとんさんがこまめに探索して見つけた鍾馗さんを、おとんさんがまとめて一気にご案内いただけるということで、
喜び勇んで出かけてまいりました。
いちにち、おとんさんの車で駆け巡ってこの日見た鍾馗さんは32体。
ほとんどがローカルの希少鍾馗さんです。
この日見せていただいた全32体を何回かに分けて、見た順に全部紹介いたします。
なお、特記ないものはすべて、onigawaraさんかおとんさんの発見です。
01.橋本市橋本 【#1458】
再開発中の地域の、とても古い家にあがっています。この鍾馗さんはなんとか生き永らえることができそうですが、町並みは壊滅状態。詳しくはこちら
細工が細かく、とても古い鍾馗さんである可能性があります。

銘あり。「紀州 東家 瓦与」
東家(とうげ)はこの鍾馗さんから程近いところにある地名。
地元の「瓦与」という屋号の瓦屋さんで製作されたのでしょう。
02.橋本市橋本 【#0189】
01のすぐ近くにありますが、この鍾馗さんのいる家は再開発中の町並みにぽつんと取り残されています。残念ながら風前の灯です。
2009年以来、4年ぶりの再々訪で健在を確認しました。
このお宅もとても由緒のある家のようですから、しばらくは安泰でしょうか。
04/05.橋本市九度山 【#1459】
大棟両端に対であがっていました。
こうして並べてみると 03.橋本市古佐田 とは表情や両手の造形がそっくりですね。
同一グループに分類したほうがいいかも?
この二体は明らかに兄弟です。
鍾馗さんのかぶる巾または帽子については、最近服部さんがおとんさんの掲示板で
考証を披露しておられますが、この鍾馗さんのような三本角はどの時代にもなかった、この鍾馗さんを作った職人さんのオリジナル。
こちらは探索中に発見した量産品です。
この鍾馗さんは2006年以来、約7年ぶりの再会です。
苔むすお顔は7年前からそのまま、特に苔が増殖してはいないようで
要はほったらかしなんですね。
豪邸の軒、正面ではなくお寺があるわけでもない横を向いて、中途半端な位置におられました。力強い姿なので目立つところに置いてもらえば映えると思うのですが。
橋本市東家にそっくりの兄弟を、吉野町上市には双子の兄弟を見つかっています。
浜千鳥の文様が衣服に彫り込まれていて、独特の個性になっています。
続きはまた。
その2 へ
その3 へ
2010/3/27 和歌山 ― 2011年03月29日 23時42分49秒
和歌山県の建築士、鬼瓦さんのブログ「鬼瓦ノ呟キ」で、
すさみ町の鍾馗さんが紹介されているのに
かなり前から気づいていました。
とはいえとっても遠いので、出かけるチャンスがありませんでしたが、
家族で和歌山に行く機会があったので、立ち寄ってきました。
すさみ町周参見地区は小さな町で鍾馗さんも難なく発見。
鬼瓦に嵌め込まれたような、薄手の鍾馗さんで、
古いのでしょうか、かなり風化が進んでいました。
ここは潮岬にも近く、本州最南地。
私の記録した鍾馗さんのなかでも最南のものです。
今回の家族旅、主目的はこちら(^^;
白浜アドベンチャーワールドの双子パンダが生後半年を過ぎてかわいい盛り、
すぐに大きくなってしまうし、最近は外で遊んでいると言うことで、
娘たちが帰省したのを機にはるばる会いに行ったのです。
いい年したおっさんも夢中にさせる、侮れない実力者です。
2010/11/13 高野口⇒名手 ― 2010年11月15日 23時19分13秒
ここ一か月ほどは鍾馗を尋ねての遠征はお預け状態でしたが、
久しぶりに遠出してきました。
今回の目的地は和歌山県。
県北端を流れる紀の川に沿って、橋本市高野口町から
紀の川市名手まで、概ね「大和街道」を歩きました。
今回もおとんさんに同行していただいています。
奈良・大阪全域に広がる鍾馗文化は、和歌山県にも多少伝わっていて、
橋本市内では、多くはないもののこれまで10体以上の鍾馗さんを記録しています。
以前に名手市場を訪ねた時に2体の鍾馗さんを見ており、
今回はその間(高野口~名手)に鍾馗さんがあるのかどうか、
確かめるための探訪です。
この日は予報では晴れでしたが、すっきりしない空模様。
おまけにかなりの黄砂で、山並みも霞んでいました。
歩き始めてまもなく、高野口町大野でおとんさんが小さな家の棟端に
鍾馗さん発見。
久しぶりに遠出してきました。
今回の目的地は和歌山県。
県北端を流れる紀の川に沿って、橋本市高野口町から
紀の川市名手まで、概ね「大和街道」を歩きました。
今回もおとんさんに同行していただいています。
奈良・大阪全域に広がる鍾馗文化は、和歌山県にも多少伝わっていて、
橋本市内では、多くはないもののこれまで10体以上の鍾馗さんを記録しています。
以前に名手市場を訪ねた時に2体の鍾馗さんを見ており、
今回はその間(高野口~名手)に鍾馗さんがあるのかどうか、
確かめるための探訪です。
この日は予報では晴れでしたが、すっきりしない空模様。
おまけにかなりの黄砂で、山並みも霞んでいました。
歩き始めてまもなく、高野口町大野でおとんさんが小さな家の棟端に
鍾馗さん発見。
見たことない様式の優品。
なかなか幸先良いと思ったのですが・・
その後は妙寺、丁ノ町、笠田など、重厚な古民家が残る町並みを
いくつも通過するのですが、立派な鬼瓦をあちらこちらで目にするにも関わらず
鍾馗さんはさっぱり見つかりません。
結局20km強歩いて、見つかった鍾馗さんはこの1体だけでした。
その後は妙寺、丁ノ町、笠田など、重厚な古民家が残る町並みを
いくつも通過するのですが、立派な鬼瓦をあちらこちらで目にするにも関わらず
鍾馗さんはさっぱり見つかりません。
結局20km強歩いて、見つかった鍾馗さんはこの1体だけでした。
橋本より西に鍾馗さんは、基本伝わっていないと結論するしかありませんね。
時間が余ったので、大阪府へ戻り、おとんさんが和泉市内で発見した
逸品の鍾馗さん達にご案内していただきました。
近日中に鍾馗博物館にアップします。
【0084】安定感抜群 安産型 その② ― 2010年07月10日 23時44分00秒
昨日に引き続き、【0084】
今日は腰の辺りに剣を捧げ持つタイプ。
今日は腰の辺りに剣を捧げ持つタイプ。
(京都市中京区新町通)
これはあちこちで見ることができます。
ただしほとんどは京都市内。
昨日の鍾馗さんに比べると細工が緻密で、
あちらが量産タイプとすれば、これはその原型となった手作り品の趣きです。
これはあちこちで見ることができます。
ただしほとんどは京都市内。
昨日の鍾馗さんに比べると細工が緻密で、
あちらが量産タイプとすれば、これはその原型となった手作り品の趣きです。
(京都市北区平野通)
見た目の印象は異質ですが、各部パーツは他と同じ。
10体ほど見つけています。
これ以下はいずれも1体しか見つけていない、
突然変異のような鍾馗さんたちです。
10体ほど見つけています。
これ以下はいずれも1体しか見つけていない、
突然変異のような鍾馗さんたちです。
(京都市北区鞍馬口通)
右手の位置が低いのでここに記載しましたが、
印象としては昨日のグループに属します。
右手の位置が低いのでここに記載しましたが、
印象としては昨日のグループに属します。
ずいぶん雑な、しろうとくさい作りです。
(大東市中垣内)
これは別番号が適切かもしれません。
分類は難しい・・
これは別番号が適切かもしれません。
分類は難しい・・
(大東市中垣内)
コメントは上に同じ・・
さらに加えて写真が悪すぎ・・
コメントは上に同じ・・
さらに加えて写真が悪すぎ・・
(京都市東山区古門前通)
2番目の鍾馗さんと同系列。
というか、頭髪部分が欠け落ちただけかもしれません。
2番目の鍾馗さんと同系列。
というか、頭髪部分が欠け落ちただけかもしれません。
【0084】安定感抜群 安産型 その① ― 2010年07月09日 23時30分43秒
昨日のHybridと顔は同じですが、
今日紹介するのはそこらじゅうで見られる、一般的な鍾馗さん。
【分布と記録数】 京都府(66)、奈良県(52)、大阪府(15)、三重県(4)、
滋賀県(6)、兵庫県(3)、和歌山県(1)、東京都(1) 合計 (148)
【リンク】 収蔵室
今日紹介するのはそこらじゅうで見られる、一般的な鍾馗さん。
【分布と記録数】 京都府(66)、奈良県(52)、大阪府(15)、三重県(4)、
滋賀県(6)、兵庫県(3)、和歌山県(1)、東京都(1) 合計 (148)
【リンク】 収蔵室
実はこの【0084】に細かいバリエーションを19種類も確認しているので、
何日かに分けて紹介します。
まずは、剣を胸の辺りに捧げ持つタイプ4種。
これらは量産型で、新しいものです。
民家の塀によく見られ、七福神と組み合わされている場合も多い。
今でもどこかで作られていると思われますが、未確認。
(京都市中京区新町通)
(天理市石上町)
(田原本町保津)
(安堵町西安堵)
違いはこちらで確認ください。
違いはこちらで確認ください。
【0135】奈良・大阪の多数派鍾馗 ― 2010年07月07日 23時39分12秒
【分布と記録数】 奈良県(102)、大阪府(87)、滋賀県(22)、京都府(17)、
兵庫県(3)、三重県(2)、兵庫県(1) 合計 (234)
【リンク】 収蔵室兵庫県(3)、三重県(2)、兵庫県(1) 合計 (234)
奈良県と大阪府でごく普通に見られるこの鍾馗さん、二つのタイプがあります。
(大阪市東住吉区北田辺)
(葛城市加守)
左右の髭がなびいて広がっているか否かが識別のポイントですが、
他にも違いがあちこちにあり、鬼の姿を見比べていただくと分かりますが、
下のほうがずいぶん雑な作りです。
しかも下の鍾馗さん、実際に見つかるのはこんな感じのが多い。
他にも違いがあちこちにあり、鬼の姿を見比べていただくと分かりますが、
下のほうがずいぶん雑な作りです。
しかも下の鍾馗さん、実際に見つかるのはこんな感じのが多い。
(高取町市尾)
同じ鍾馗さんには違いないのですが、すべての線がぼやけて
鬼にいたっては、言われなければそうとは気づかないほど
ぼんやりしていてちょっとがっかりです。
おそらく、とうに耐用を過ぎた型を使い続けたのでしょうね。
同じ鍾馗さんには違いないのですが、すべての線がぼやけて
鬼にいたっては、言われなければそうとは気づかないほど
ぼんやりしていてちょっとがっかりです。
おそらく、とうに耐用を過ぎた型を使い続けたのでしょうね。
【0257】橋本市清水 ― 2010年06月15日 23時26分46秒
【所在地】 和歌山県橋本市清水
【発見日】 2006/8/16
【撮影日】 2006/8/16
【整理番号】 0257HX4
【発見数】 18
【発見日】 2006/8/16
【撮影日】 2006/8/16
【整理番号】 0257HX4
【発見数】 18
【リンク】 収蔵室
【コメント】奈良県内のあちこちでよく似たのを見ることができますが、
奈良県以外ではこれが唯一の記録。
奈良県以外ではこれが唯一の記録。
独特の個性でピンときます。
四角い顔に腫れぼったい瞼、筋の入ったしゃくれた顎。
衣服にはびっしりと雲形や植物の文様が入り、
足元はカウボーイブーツのような装飾が施されています。
四角い顔に腫れぼったい瞼、筋の入ったしゃくれた顎。
衣服にはびっしりと雲形や植物の文様が入り、
足元はカウボーイブーツのような装飾が施されています。