【鍾馗探訪ガイド】常滑市(2)2010年10月27日 23時52分02秒

常滑市の中心部の鍾馗探訪。

常滑駅からも近い、「やきものの散歩道」あたりを起点に鍾馗さんを
訪ね歩くとしたら、南の方へ向かうといいでしょう。

起伏が多く、製陶所が集中して観光客も多い栄町にも多くの鍾馗さんが見られますし、その南側の本町は低平な商業地域。さらに南の市場町、保示町は再びアップダウンのある、正住院を中心とした寺院の多い古くからの住宅地の風情。
このあたりが最も鍾馗さんが多く見られる地域で60体以上確認しています。

県道252号線沿いに歩いても結構鍾馗さんを目にしますが、
奥に入って迷路のような細道を歩き回ってみてください。
鍾馗さん以外にもいろんな発見がありそうな、雑然とした古い町が待っています。

地図は必須。なしだと確実に迷います。

常滑市栄町の鍾馗さん
(栄町) 素焼きは全国的にはレアだが、常滑では普通に見かける。

常滑市市場町の鍾馗さん
(市場町) 隣には鬼を持たない兄弟も。

常滑市保示町の鍾馗さん
(保示町) 弥生時代の衣装のよう。

【鍾馗探訪ガイド】常滑市(1)2010年10月26日 23時40分42秒

常滑市は愛知県、知多半島西側中央部の南北に細長い町です。

古くから焼きものの町として知られ、市内には今でも食器や土管を製造する窯元が多く見られます。
起伏の多い入り組んだ街並みに煉瓦作りの煙突が点在する風景は独特で、
こうした製陶工場を縫って通じた散策路は週末には観光客で賑わっています。

常滑風景

2005年、沖合いに中部国際空港が開業し、こうしたノスタルジックな風景も失われるのでは?と危惧していましたが、今のところ幸いにも旧市街に大きな変化はないようです。


この町を探訪地ガイドの第一回に取り上げたのは
愛知県でも最も鍾馗さんが多く見られるところだからに他なりません。

これまでに管理人が記録した鍾馗さんは、さほど広くない市域に220体強。
これは可住地面積当りでの分布密度としては、愛知県では東浦町に次ぎ、堂々の2位。
全国でみても、奈良県中央部の市町に続きベスト10に食い込んでいるのです。

市内を縦断する常滑街道(県道252号線)に沿って、
あっちにもこっちにも、鍾馗さんを見かけます。
車で通ってもつい気になってしまって、危ない危ない。

常滑市熊野町の鍾馗さん
(常滑市熊野町)

市街中心部には「やきものの散歩道」にやってくる観光客向けの駐車場もあるので
車をとめて歩いて廻りましょう。

鍾馗さんの紹介は明日以降に続きます。

仲良く並んだ鍾馗さん2010年09月04日 23時59分54秒

伊賀市の最終回です。

本宅「鍾馗博物館」の収蔵室では分類を主眼においているので、
写真のように並んでいる鍾馗さんも泣き別れになっています。
右が【0578】、左が【0579】ですが、
実際はこのようにくっついて置かれています。

伊賀市上野西大手町の鍾馗さん
(伊賀市上野西大手町)

同じ鍾馗さんが複数置かれている家は珍しくないのですが、
こうして全然違う鍾馗さん、それもどちらもレア物というのは
結構珍しい例です。

左の鍾馗さんは右手が欠損していますが、
兄弟のような下の鍾馗さんから想像すると、
やはり右手は水平に大きく手のひらを開いて、
「あいや、待たれい!!」とやっていたのでしょうね。

伊賀市東條の鍾馗さん
(伊賀市東條)

浦島太郎風 二題2010年09月03日 23時48分02秒

まだ伊賀市にいます。

郊外の集落で見つけた鍾馗さんですが、
何度見ても腰蓑が浦島太郎に思えます。

伊賀市西明寺の鍾馗さん
【1015】(伊賀市西明寺)

同じく伊賀市内でこんなのも。
伊賀市柏野の鍾馗さん
【0254】(伊賀市柏野)

こちらも腰蓑です。
今は針金を持っていますが、両手に何かを通すように作られていて
もともとは釣竿でも持っていたのかも?


伊賀上野に逗留2010年09月02日 23時39分13秒

ひょんなことで伊賀上野の鍾馗さんを紹介して、
まだまだ紹介したい鍾馗さんがたくさん残っていることに気が付いたので
もう少しこの町に滞在することにしましょう。

伊賀市上野東日南町の鍾馗さん
【0556】(伊賀市上野東日南町)

がっしりした鍾馗さんが多い伊賀市では異色のひ弱な鍾馗さん。
なんとも頼りない手足で、鬼から護ってくれるのかかなり心もとない気がします。
同様の頼りない鍾馗さんはこちらにも。
 【0724】伊賀市上野池町


上野城の南側に広がる旧市街では、あちらこちらで鍾馗さんを目にします。
そして希少性の高い、伊賀上野独特の鍾馗さんが多いのもここならでは。
街並みを散歩しがてら、鍾馗さんを探すには最適の小さな町です。

伊賀上野中心部の分布図
●が鍾馗さんの位置

謎の模様-三重県伊賀市2010年09月01日 23時52分10秒

上野を中心とする、三重県伊賀市はこのブログでも何度も取り上げていますが
珍しい鍾馗さんがあちこちで見つかる、鍾馗探訪には最高!の町です。

伊賀市で見つかる鍾馗さんのうち、かなりの割合で今日紹介する共通の文様が
見られ、何か意味があると思うのですがよくわかりません。

ご存知の方がいらっしゃればぜひ教えてください。

伊賀市東條の鍾馗さん
0579】(伊賀市東條)

胸のところに釣り針状の三本線が入っています。
この鍾馗さんの場合は下向きに三本。

伊賀市上野相生町の鍾馗さん
0585】(伊賀市上野相生町)

この鍾馗さんの場合は上向きなので、草みたいです。

伊賀市上野向島町の鍾馗さん
0844】(伊賀市上野向島町)

下向き、5本線。

伊賀市上野忍町の鍾馗さん
0554】(伊賀市上野忍町)

下向き、2本線?

伊賀市上野愛宕町の鍾馗さん
1122】(伊賀市上野愛宕町)

下向き、4本線


ご覧のとおり、見た目は全然違う鍾馗さんたちの
胸の模様だけが共通で、これまで模様を確認したのは15体ですが、
うち14体が伊賀市内で見つかっており、他の地域では見つからないというのも
謎めいています。
残りの1体は隣町、滋賀県甲賀市)


ひょっとして伊賀忍者の符牒か何か? まさかね。

鍾馗さんの探し方 その32009年01月23日 21時47分39秒

松阪市町平尾町の猫を持った鍾馗さん
今回は鍾馗さん探訪のルート作りをサポートしてくれるツールの紹介です。

国土地理院のサイトでは『国土変遷アーカイブ』というメニューがあり、全国各地の空中写真が大量に公開されています。
中でも第二次大戦直後に米軍が撮影したものが圧巻で、約60年前の空から見た日本の姿を見ることができます。
現在の地図であたりをつけ、60年前の空中写真を見ると、今は新興の住宅地に埋没している古くからの集落が、農地の中に浮かび上がっており、
現在の地図ではなかなかピックアップできないような小集落を再発見したり、現在では内陸となっている集落が元々は海岸集落であることを発見したりと、
鍾馗さん探索のことをいっとき忘れ、タイムトリップすることもしばしばです。

以前は大都市近郊しか公開されていませんでしたが、最近全国がカバーされて完成しました。
まさに頼もしい味方です。

明日は先週に引き続き松阪方面へ行く予定ですが、寒波襲来の模様。
・・どうなることか・・

鍾馗さんの探し方 その22009年01月21日 23時52分53秒

ルートマップの例
その1に説明したようなやり方で発見した集落を、地図上にどんどん記載していくと、訪問候補地がたまってきます。
それらを無駄のないように線で結んでいくと、『ルートマップ』が出来上がります。
例では赤線が一日の行程。点在する赤い不整形が訪問集落です。

◎要注意点
このとき、欲張ってつまみ食いするより、狭いエリアで取りこぼしのないように集中して回ることを薦めます。
『行き残し』た集落が飛び飛びに残ると、後で気になって仕方がないのですが、非効率で出かけられないためにいつまでも残されてしまい、地図を見るたびにむずむずします。

次回は、ルートマップ作りのサポートツールと利用法を紹介します。

鍾馗さんの探し方 その12009年01月21日 01時14分10秒

鍾馗さんをいかに見つけ出すか。

探索のメインは「ひたすら歩く」というアナログアプローチですが、
計画段階や整理にはそれなりにITを活用しています。

何回かに分けてそのテクニックを公開していきます。

まずは基本となる、地図でのあたりのつけ方です。

サンプルの地図をご覧ください。


橿原市山之坊町

細い川をはさんで左と右で集落の様子がかなり異なっているのにお気づきでしょうか。

左側は直交する街路によく似た形の住宅が規則正しく並んでいます。
一方右側では、道は不規則に交差し、道幅も概して狭く、まちまちのようです。家の形も大小さまざま。
もうおわかりだと思いますが、左は新興の住宅地、右は古くからの集落です。
しかも右の集落にはお寺があります。
訪れるべきは右の集落、左は行っても99%無駄足です。

ただし右のような集落、くれぐれも車では入らないでください。
2回に1回は立ち往生して前にも後ろにも進めなくなります(^^;)

地図とにらめっこして、こういった「匂う」集落をピックアップしていくことが探訪計画の第一歩になります。

今、テレビではオバマ大統領の就任式が始まりました。