バンガロール暮らし 30 スリランカ旅行記(3) ドライバーのスジ ― 2015年10月10日 01時59分07秒
長身で優しげなドライバーのスジ(Sujith)。
見た目通りシャイな32歳の青年でした。
空港を出て早々、「家が近いんだけどちょっと寄っていい?」と聞いてきます。
「どうしたの?」
「ちょっと着替えを取ってきたい」
そっか、彼にとっては突然の泊りがけ勤務。
何の前触れもないから大変だよね。
空港の隣町、ネゴンボ(Negonbo)の外れ、ラグーンと海に挟まれた中洲のようなところが彼の家でした。
NegonboはWikipediaによればスリランカで5番目に大きな町だそうですが、
ちょっと賑やかな田舎町といった感じ。
仏教が主流のスリランカには珍しく、キリスト教会が多くて
あちこちにマリア様の像も立っています。
カトリックが住民の過半だそうで、スジもカトリックでした。
ネゴンボと読むのかニゴンボと読むのか?スジの発音は「ヌゴンボ」と聞こえたけど。
まあ、なんでもいいか。
緑に囲まれた小さな家では来年小学校にあがる可愛い娘さんが待っていました。
(着替えを取った後は一年生の上の子を小学校まで送り届け)
細かいところにとても気が付く男で、
きれいな景色を見つけて車を止めてもらったりしているうちに
私の関心が判ってきたみたいで、
そのうち私がうとうとしていても絶景ポイントに来ると車を止めて
「マサキさん、ここきれいだよ。どうだい?」
朝食を取っていなかったので見かけたよろずやでパンを買いたいと言うと、
「パンならすぐ近くにおいしい店があるからそっちへ行こう」
(フィッシュフライサンド)
最後、空港に行く前の半端な時間に
自宅へ招いてコーヒーをごちそうしてくれました。
「マサキさんはコーヒーと紅茶、どっちがいい?」と聞いたうえで。
何しろ二日間、彼が頼りです。
いい奴でホントに幸運でした。
とはいえ、途中、頼んだ訳でもない所にいろいろ案内しようとします。
・スパイスガーデン
スパイス類をいろいろ集めた私設植物園のような所。
日本語ができるおっちゃんがマンツーマンで案内してくれて、
オイルマッサージまでしてくれました(気持ちよかった)
日本語ができる時点でちょっと黄信号が点滅し始めましたが
案の定最後に売店にご案内。
でも全然強引じゃなく、「良かったら買わない?」くらいの乗りだったので
楽勝でした。オイルマッサージに使った三点セット
サンダルウッド(白檀)、アロエ、ホホバ(Jojoba)のセットは15000円近くもしたので
欲しかったけどパス。案内料の代わりに500円ほどのガラムマサラをお買い上げ。
(案内のおっちゃん)
・宝石博物館
博物館とは名ばかりで宝石店です。
ここも案内人がマンツーマンで博物館をガイドしてくれたあと、お店へご案内。
宝石は好きなので一生懸命ルース(裸石)を見ていたら、
上客到来!とばかり一生懸命売り込んできます。
サファイアやルビーは見極めが難しすぎるので、キャッツアイ(クリソベリル)を
しばらく品定めしていて、結構きれいなのがあったので触手が動いたのですが
踏みとどまりました。
(お店の看板)
・その次は「シルクの店があるけど行く?」
すべて店との契約があって、ドライバーにはバックマージンがあるのでしょう。
ここは丁重にお断り。
でも国民性でしょうか、ドライバーも店も、
バンガロールの売り子みたいに強引なところは少しもないので
そんなに悪い印象はありませんでした。
逆に少しはお金を落としてあげないと悪いかな?なんて思ってしまいました。
旅の終盤でスジがぼそりと、「給料が安くて生活が大変なんだ~」 と愚痴り始めました。
「日給600ルピー(約500円)なんだよ」
「でもこういう風に遠距離の泊りがけの客の時は割増しになるんでしょ?」
「いいえ、日給制だから変わらないよ~」
だって、私はあんたの会社に30000円近く払ってるんだけど・・・
「僕ら、チップが頼りの暮らしなんだよ~」
(キター)
給料とか、どこまで本当の話かはわかりませんが、
インドのドライバーの給与水準を知っているので
まったくのホラ話とも思えません。
二日間の働きには十分感謝していたので、
もちろんチップははずんでおきました。
「またスリランカにおいでよ。今度は一週間くらいいるといいよ」
「絶対また来るよ。今度はスジを指名するからね」
バンガロール暮らし 29 スリランカ旅行記(2) 空港到着 ― 2015年10月09日 00時05分24秒
飛行機は定時到着。
入国カードがどこにあるかわからず、
必要ないのかと思ってパスポートコントロールに並びましたが、
そんな訳はなくて門前払い(涙)
すぐ横においてありました。
二度目に並んだカウンターの入国審査官は
「初めて? 観光に二日は短いよ~ 今度は一週間くらいはおいで。」
なんてフレンドリーなんだ。
バンガロールの審査官に研修させたい。
(到着ロビー 着いた時にはまだ真っ暗)
フリーパスの税関を過ぎて到着ロビーではやることがいろいろあります。
(1) SIMカード
インドでお世話になっているAirtelのブースがあったので、
さっそくSIMカードを入手しました。
通話なし、データ通信1.7GBで 4US$(約500円)
携帯オンチなのでSIMの設定を係員がちゃちゃっとやってくれて助かりました。
(2) 両替
両替カウンターもすぐ近くにいくつか並んでいます。
ATMが見当たらなかったので窓口でスリランカルピーを入手しました。
100 US$が 13,771スリランカルピー(SLRs)
パスポートの提示も不要で、すこぶる簡単です。
(3) タクシー
最大の課題のタクシー探し。
到着ロビー右手にいくつか旅行代理店のブースがあったので、
そちらの方を(いかにも不慣れな感じで)見ていると
一人のおっちゃんと目が合って、さすがはプロの勘!という感じで
大げさな身振りで手招きされました。
一期一会なので行ってみることにしました。
行き先の希望を告げると手慣れた感じで行程表を作ってくれます。
写真のとおり、人のよさそうなおじさんですが、
適当に日本語が混じったり、横浜に友達がいるとか、
慣れない日本人を安心させるテクニックを備えたやり手エージェントです。
(エージェントのおじさん 見積り作成中)
ドライバーの宿泊費やガソリン代、駐車料金等、
食事や観光地の入場料以外は一切込で、提示のお値段は240 US$(約29000円)。
ヌワラエリヤ直行のエアポートタクシーが11,000 SLRs(約9300円)とか、
事前にネットで見ていた相場とかと比べてもそんなにぼった金額ではなさそうですが
お約束で「高い、まけろ」と価格交渉(といっても筆談+電卓談)
結局230 US$になりましたが、いつも後で「もっと安くできたのではないか?」と
ぐちぐち気になるので、精神衛生に良くない仕組みですね。
(タクシーの手配が完了するころには夜が明けていました)
ともあれ交渉成立し、おじさんの案内で
空港ビルを出たところにドライバーが待っていてくれました。
ここ数日天気が悪かったようですが、この日は快晴。
気持ちの良い青空です。
バンガロール暮らし 28 スリランカ旅行記(1) 旅の準備 ― 2015年10月08日 02時39分35秒
(キャンディ市内)
バンガロールは秋がお祭りシーズンです。
仕事を終えた晩の深夜便に乗って、二日周遊してまた深夜便で戻る。
たった一泊はもったいないのですが、
バンガロールーコロンボはスリランカ航空でたったの一時間半。
デリーよりずっと近い。
気に入ったらまた行けばいいから、と軽いノリで計画開始しました。
今回は短日程ながらのんびりしようと、高原リゾートを選択。
まずヌワラエリヤという町での宿泊を決定。
紅茶農園の真っただ中の町で標高1800m~2000mもあるので、
熱帯ながらとても涼しいところだそうです。
英国植民地時代の名残のコロニアルホテルを予約しました。
一日目はかつての都で世界遺産の町、キャンディに立ち寄り、
二日目は絶景で知られるトレッキングコースのある
ホートンプレインズ国立公園に行くことにして、
時間があれば帰り道でコロンボに立ち寄る。
こんな感じのコースプランがほぼ決定しました。
ルート案
スリランカ全体図
次は移動手段。
コロンボからヌワラエリヤは約200km。
名古屋から大阪といったところ。
鉄道が結構有名で、景色がいいそうですが、
新幹線みたいな訳にはいかず、時間がかかるらしい。
バスも同じで、相当体力を消耗しそうです。
またインドでの経験から、現地語がわからないと
日本みたいに簡単には乗れないと思われます。
一人旅だと荷物が気になって自由が利かないので食事もままならないし、
たった二日の日程で時間を無駄にしたくないので
今回はタクシーをチャーターすることにしました。
日本人対応の代理店もありましたが、
お値段がかなり割高な感じなので空港で現地調達することにしました。
バンガロール発は深夜3:25でコロンボ着は4:55。
着いて空港でおたおたしている間に夜が明けそうです。
一時間くらいしか寝られずに、コロンボ・バンダラナイケ国際空港に到着。
(つづく)
バンガロール暮らし 27 ガネーシャ祭 ― 2015年09月21日 00時55分25秒
秋はインドでもお祭りが多いのですが、9月17日からはガネーシャ祭が始まりました。
は日本でも知られたヒンズーの神様ですが、インドでも一番人気です。
11日間も続くのですが、初日は会社もお休みになったので、
街の様子を見てきました。
一昨年、神輿のようにガネーシャをみんなで担いで鐘や太鼓を鳴らしながら
街を練り歩く集団を見かけたのですが、今回は見つかりませんでした。
街の一角ではガネーシャの人形を売っていました。
この辺りからは売り物なのか飾っているのか定かでない。
背後の猿はハヌマーンと言ってこれもヒンズーの神様。
三階建てのビルと同じくらい高さの大きな像。
前のガネーシャも1mくらいはあります。
お寺に大勢集まって盛り上がっていましたが、
異教徒はちょっと近寄りがたくでスルー(´・ω・`)
近くのアパートのガレージにガネーシャを飾りつけて
子どもたちが遊んでいたので写真を撮らせてもらいました。
ということで、街は普段とあまり変わりないのですが、
夜は近所の寺院で毎晩どんちゃん騒ぎ。
コンサート?やら説法?やら11時半まで大音量が流れています。
これがあと一週間続くのだろうか?
バンガロール暮らし 26 無題 ― 2015年07月24日 00時21分16秒
バンガロールの道は車とバイクでどこもあふれていて、
そこに人と牛と犬も入り交じって混沌を極めています。
1キロ進むのに30分という、最悪の渋滞にも耐える精神修養が必要ですが、
やっぱりイライラします。
どうせ誰も守らないとはわかっていますが、
法律はどうなっているんだ!! と
インドの道路交通法を見てみました。
妙に薄いです。
第一条
「早い者勝ち」
第二条
「弱肉強食」
以上。
なるほど。
バンガロール暮らし 25 ひまにあかせて世界をデータで見る ― 2015年05月13日 01時09分11秒
バンガロールともインドとも、ましてや鍾馗とは全然関係ありませんが・・
暇なのでネットサーフィンしていて、国連のサイトからデータをダウンロードしました。
国連・経済社会理事会のPopulation Division(人口部会?)というところが
世界の人口に関する統計データを公開しています。
とっても詳しいデータで、さすが国連!!という感じで感心したのですが、
1950年以降2030年まで、予測を含めて世界の人口30万人以上の都市の
人口推移が載っていました。
そこから年ごとの上位20位を表にしたのがこちらです。
表をクリックして、拡大してご覧ください。
1950年、1990年、2014年、2030年(予測)を抜き出してみました。
ここでの定義は行政区画ではなく「都市圏」なので、東京は関東圏+山梨県
京阪神は大阪、神戸、京都に奈良まで含んでいます。
(ちょっと広すぎるような気もしますが)
1950年には上位20傑に米国の6都市が入り、ヨーロッパの大都市、
ロンドン、パリ、ベルリン、モスクワといったところもランクインしていて
なんとなく納得のランキングです。
1990年になるとそうした旧来の大都市が軒並み順位を下げ、
途上国の都市が目立ってきます。
この傾向はますます拍車がかかり、2030年の予測では東京、京阪神、ニューヨークが先進国では残るだけとなります。
バンガロールで暮らしているとホントに人が多くて、どこまで行っても街が広がっているのにインドの勢いを感じますが、データもこの感覚を裏付けます。
(バンガロールはこの表に現れませんが、2030年の予測では世界21位、あと一歩のところまで来ます)
この順位をグラフにしてみると
先進国を寒色系、途上国を暖色系で表してみました。
上位がだんだんオレンジ色で占められていくのがよくわかります。
アフリカからはカイロに加え、ナイジェリアのラゴス、コンゴのキンシャサが
入ってきています。1950年にははるか下の方にいてグラフにならないので
対数目盛を使ってみました。
キンシャサの場合、1950年の人口が20万人に対して2030年には2千万人!
80年で百倍になってしまいます。
バンガロールでも日々感じる都市インフラの脆弱さ、
いったいどうなってしまうんだろうと他人事ながら心配になります。
バンガロール暮し 24 データで見るバンガロールの気候 ― 2015年04月17日 00時43分44秒
バンガロールは北緯13度くらい。
世界地図で見ると赤道まであとちょっとというところにあるので、
インドということも相まって、知らない人からは「暑いでしょう」とよくいわれますが
実際には暑くなく(暑くないことはないが)、
むしろ日本に比べると年間を通して湿度も低いので、ずっと快適な気候です。
バンガロールの標高は1000m弱あって、高原的な気候です。
年間の最低・最高気温を名古屋と比較したグラフを作ってみました。
赤いのが名古屋、青いのがバンガロールです。
このグラフから色々なことが読み取れます。
1.バンガロールの夏は3~5月。
今がいちばん暑い季節で、昼間は35度を超える日も多いですが、
7、8月になると最高気温が30度を超えることは少なくなります。
同じ北半球でなぜ夏がずれるのか、季節風とかの影響か、
7月ごろから雨季が始まるためか、詳しいことはよくわかりません。
2.バンガロールは年間の寒暖の差が少ない。
名古屋は最高気温が10度から35度くらいまで、年間25度くらい変化するのに比べ、
バンガロールは25度から35度まで、10度くらいしか変化しません。
こちらの人は11月くらいから「寒い寒い」とフリースを着こんだりしていますが、
日本人はどこが寒いの?といった顔をしています。
衣替えの必要はなく、年中薄手のシャツだけで過ごせます。
夜もせいぜい、窓を開けて寝るか、閉めて寝るかの違いくらい。
言葉を替えれば日本のような四季の変化があまり感じられないのが
日本人的にはちょっとさびしい。
3.一日の気温の変化が大きい。
名古屋の一日の気温変化は10度くらいですが、バンガロールは15度近くあります。
昼間、35度くらいまで上がっても、夜は20度ちょっとくらいまで気温が下がります。
湿度が低いこともあって、日なたは暑くても日陰に入れば意外に涼しいし、
夕方からは涼しくなってくるので、熱帯夜というのは年間数日くらいしかありません。
今、一番暑い時期ですが、夜しか家にいないので、家ではエアコン要らずです。
世界のいろんなところに行きましたが、一年を通じてこれだけ過ごしやすい所は
ほかにあまりないと思います。
バンガロール暮らし 23 ラールバーグ植物園(3) いきもの、その他 ― 2015年04月16日 01時52分56秒
大きな森だけあって、いろんな生き物が目につきます。
リスは定番で、そこらじゅうをちょろちょろしています。
むくどりの仲間 Jungle Myna モリハッカ
トビ 日本にいるのと同じ種類
つがいでしょうか、羽を広げて日向ぼっこ。
カワウ これも日本によくいるやつです。
園内に大きな丘があって、
近づいてみると、なんと一枚岩でできています。
バンガロールの街自体が、一皮むくとこんな岩盤の上にのっているのだと思います。
これなら地震もこないし、手抜き建築でも安心だ・・
丘に登ると市街地方面、UBシティがよく見えます。
園内の一角には日本庭園がありました。
鳥居。
石灯篭
なんか変ですが・・
がんばったで賞
すぐ脇にはこんな神様が。
さすがにこれは日本じゃない。
バンガロール暮らし 22 ラールバーグ植物園(2) 巨木 ― 2015年04月12日 18時56分16秒
バンガロールでは街中でもよく大木を目にしますが、
ラールバーグ植物園でも園内の至る所に伸び伸びと育っています。
温暖な気候に広い場所。
樹木にとっては願ってもない環境なんでしょう。
ネムノキの仲間みたいです。
下から見上げたところ
細かい葉が重なり合って風にそよいでいます。
暑い日でしたが、こうした木陰を作ってくれるので
みんな木の下で休憩。
なんの木かはわかりません。
これはイチジクの仲間だそうです。
小さな実を数えきれないほどつけていました。
これもイチジクの仲間
近寄ると迫力あります。日本のイチジクからは想像もつかない太い幹
この木は有名らしく、インドの名木サイトで紹介されていました。
この木もネムノキの仲間です。
バンガロール暮らし 21 ラールバーグ植物園(1) ― 2015年04月05日 19時54分07秒
アパートから歩いて30分、バスで10分くらいのところにある
ラールバーグ植物園(Lalbagh Botanical Gardens)に行ってきました。
とっても広いです。
入場料は10ルピー(20円)、カメラ持ち込みは別途50ルピーですが
写真を撮りたくなると思いますから、けちけちせずに払っておきましょう。
バンガロールは今、夏でたくさんの花が咲いていました。
まずはその紹介から始めます。
案内図。緑色が歩いたコースです。
ずいぶん歩いたつもりでしたが、まだ行っていないところがずいぶんあります。
地図で左にあたるサブゲートにはブーゲンビリアのアーケード
ブーゲンビリア 皆さんなごんでいます。
バンガロールでこういうところは極めて少ないです。
ブーゲンビリア
ブーゲンビリア
ブーゲンビリア
イメージにほど遠い大木もあります。
ブーゲンビリア
薄紫色のブーゲンビリア 見た目の印象通りの色に写りませんでした。
ハイビスカス
ハイビスカス めしべが力強そう!
ネムノキ
あとは名前もよくわからない花が続きます。
マメ科?の青い花
マメ科?の青い花
マメ科?の黄色い花
遠目には桜や桃に似ています。
上の写真と同じ花のアップ
上の写真と同じ花を裏側から。
裏地の方が派手です。
スイレン
ハス
園内にはローズガーデンもあります。
咲いていましたが、なぜか中には入れなかったので外から撮影。