2013/8/24,30 碧南2013年09月01日 21時30分04秒

少し暑さがひと息ついた8月24日、愛知県碧南市を歩いてきました。
自宅からは30分程度のご近所です。

この日は主に棚尾町を歩いています。

棚尾の地図

名鉄三河線は現在、碧南駅が終点ですが、10年ほど前まではその先、
棚尾の町をぐるりとひと巡りしてから矢作川を渡って
一色、吉良吉田へ向かっていました。地図には廃線跡がまだ記載されています。
実際に歩いても、線路は撤去されたものの路線の跡地はまだはっきりと残っています。
棚尾の町は周囲より少し高くなっていて、かつては三河湾に突き出した半島のような所だったようです。

碧南市棚尾の街並み

かつては醸造業と製塩で栄えた町は花街もあったほどで、
今は静かな街並みになっていますが、
そこここに繁栄の跡を偲ぶ建物が残されていました。
迷路のような路地がたくさんあり、三度目の訪問ですが
訪れるたびに新たな鍾馗さんとの出会いがあります。

今回であった鍾馗さん。
碧南市志貴町の鍾馗さん
志貴町 #1517で登録予定

メインストリート沿いですが、車からは見えない位置のため、
これまで気づきませんでした。


碧南市源氏町の鍾馗さん
源氏町

#0080の仲間ですが、類例なく亜種登録予定。


碧南市源氏町の鍾馗さん
源氏町 #1132の再訪


碧南市源氏町の鍾馗さん
右は前回訪問時の写真。今回、空き家になっていて庭が更地になっていたため
近寄って撮影できました。嬉しい話ではありませんが、#198だとわかりました。


碧南市鴻島町の鍾馗さん
鴻島町 #1131 再訪


翌週30日も碧南市へ。この日は大浜地区と新川地区を歩きました。
天気予報から曇り空を期待して行ったのですが、予報に反してかんかん照り。
またしてもまっ黒になって帰ってきました。

碧南市錦町の鍾馗さん
錦町

よくある#0015だと思っていたのですが、家に帰って眺めているとなんか違和感が。

#0015標準タイプとの比較

右の標準タイプと比べてみると、ちょっと寸詰まりですね。
足元の台座部分がなく、頭の進士巾の角もありません。
亜種のようです。


地域にもよりますが、碧南市周辺は比較的産業が好調で、
建物の更新も活発に行なわれています。
この2日でも、4体の鍾馗さんがなくなっているのを確認しました。
まだまだ気づいていない鍾馗さんを早く見つけてあげねば。

2013/9/7 飛鳥2013年09月11日 22時05分47秒

暑さのピークは過ぎてだいぶ過ごしやすくなってきました。
それでも探索で長時間歩くのはまだまだ辛い陽気です。

7日土曜日の天気予報は曇り時々雨。
普通はお出かけに向かない予報ですが、この時期の鍾馗さん探索にとっては
願ってもない陽気です。
かねてから行きたかった奈良県明日香村周辺に行ってきました。
奈良は鍾馗さんにはまった頃に通い詰めて、大体歩き尽くしたんじゃないかと
不遜な事を思ったりもしていましたが、最近のおとんさんの探索で
結構な数の見知らぬ鍾馗さんが見つかっています。

今回はおとんさんの追っかけをしながら、あわよくば新発見もないかなぁという
探索でした。

まずは新種から。

明日香村真弓の鍾馗さん
明日香村真弓  #1518で登録予定

煙り出しの下で埃に埋もれています。おとんさん、よく見つけたなぁと思います。

明日香村飛鳥の鍾馗さん
明日香村飛鳥  #1520で登録予定
これもおとんさん情報。元々は棟端の鬼瓦だったのでしょうが
今は軒に引っ越しています。

明日香村祝戸の鍾馗さん
明日香村祝戸  #1519で登録予定 
この鍾馗さんはとあるブログの情報をもとに発見しました。
嘉永五年(1852)の銘が入った江戸期の鍾馗さん。

詳しいことはこちらに掲載しています。


橿原市南山町の鍾馗さん
橿原市南山町  #065
奈良県ではよく見かける鍾馗さんで、型物だと思うのですが、
へらでの仕上げの差異で、色んな表情の兄弟が見つかります。
これもストックを眺めていても、まったく同じ鍾馗さんは見当たりませんでした。
分類泣かせです。


以下の鍾馗さんは再録。健在が確認できて安堵しました。

明日香村岡の鍾馗さん
明日香村岡 #435

明日香村岡の鍾馗さん
明日香村岡 #436

この二体は同じお宅の前衛と大将。
435は塀の上、436は主屋の棟で隣のお寺をにらんでいます。


明日香村飛鳥の鍾馗さん
明日香村飛鳥  #310

飛鳥寺の裏あたり、
植木の陰になり、夏場は見つけづらい。


橿原市御坊町の鍾馗さん
橿原市御坊町 #234

二階の軒下でいつも薄暗く、なかなか良い写真が撮れません。


新発見を狙って訪れた、橿原市南山町、南浦町、桜井市吉備 などでは
残念ながらめぼしい発見はありませんでした。

果報者の鍾馗さん2013年09月14日 23時23分45秒

前回記事で紹介した、明日香村岡の鍾馗さん。

明日香村岡の鍾馗さん

2006年4月に訪問した時はこんな感じでした。
明日香村岡の鍾馗さん(2006年4月)

なんとなく見比べていたら、この七年ですいぶんきれいになっています。
おでこや肩についていた苔がきれいに取られていました。
この手の苔が少々の風雨で自然に取れるとは思えませんので、
どなたかが丁寧に取り除いたのだと思われます。
固定する針金の形がまったく変わっていないので、屋根につけたまま
作業されたみたいです。かなり苦労したのではないでしょうか。

こうして大事にしてもらっている鍾馗さんを見つけるのはとってもうれしい。



この鍾馗さんを見ていて思い出したのが下の鍾馗さん。
兵庫県加西市の旧家に保管されていたのを、
市役所の学芸員の方が見出されました。


加西市の鍾馗さん(お化粧の後)

万延元年(1860)の銘が入った、極めて立派な鍾馗さんですが、

加西市の鍾馗さん(お化粧の前)
加西市HPより画像拝借しました)

見出された時はこの状態でした。痒そう。

学芸員の萩原さんは貴重な鍾馗さんに疵をつけてはいけないと、
ピンセットでひとつずつ苔を取っていったとのことです。


まったく省みられることもなく消えていく鍾馗さんも多い中で、
こうして良い人と巡り会って大事にされる鍾馗さんは幸せです。

イベントのお知らせ「秋の京都散策!鍾馗さんを探しながら…」2013年09月15日 00時23分12秒

*** このイベントは延期になっているのでご注意ください ***

10月5日(土) 京都での鍾馗さん関連イベントです。
下記は主催者からのお知らせの転載です。

****

ふくろうフォーラム97 アウトドアシリーズ26

「秋の京都散策!鍾馗さんを探しながら…」 

日 時: 平成25(2013)年10月5日(土) 午後1時~5時 雨天決行

集 合: 京都教育文化センター(教文センター)  

      京都市左京区聖護院川原町4-13  TEL:075-771-4221

*アクセス:京阪電車「神宮丸太町駅」5番出口より徒歩3分

行 程: 13:00鍾馗さんの簡単な解説と注意事項<テキスト・地図等、資料の配布>

      13:30教文センター出発→京都散策へ

      16:00教文センター再集合<発見した鍾馗さんの作品発表と表彰式>

      17:00解散→懇親会場へ

ゲスト: 小沢 正樹さん

(参考):鍾馗さんを尋ねて三千里(小沢さんのブログです)

    http://kite5656.asablo.jp/blog/

参加費: 500円

      (別途、小沢正樹さん著書「鍾馗さんを探せ!!」を購入ご希望の方は事前にお知らせください。)

用意するもの:デジタルカメラ・スマホ・携帯電話等の撮影用具(望遠レンズ付きのものをお勧めします)

申 込: 9/28までにお願いします。


***** 転載終わり *****

ふくろうの会は関西周辺の歴史好きの方が集まってできているサークルだそうです。


一般参加もOKだそうですので、
参加ご希望の方はこの記事へのコメント等でご連絡ください。
その際連絡用にメールアドレス欄を記載しておいていただけると助かります。


イベント延期のお知らせ2013年09月24日 21時34分55秒

前の記事でお知らせした10月5日開催のイベント

ふくろうフォーラム97 アウトドアシリーズ26
「秋の京都散策!鍾馗さんを探しながら…」

主催者さんのご都合で延期となりました。
変更後の日取りはまだ決まっていません。

ご参加連絡いただいていた方、申し訳ありません。
ご都合が合わず不参加だった方も、日取りが決まりましたら告知しますので
またぜひご検討くださいね。

こんな鍾馗さんたちに会えると思います。

京都祇園の鍾馗さん

京都祇園の鍾馗さん

京都祇園花見小路の鍾馗さん


京都宮川筋の鍾馗さん


秋の探索シーズン開幕!! 開幕戦の結果は? 2013/9/28 飯田~飯島2013年09月28日 22時44分25秒

ようやく探索シーズンがやってきました!
青空に誘われるように、久しぶりの探索に出かけてきました。

行先は久しぶりの長野県。
飯田から三州街道を北上します。

このあたり、二年ほど前に車でざっと回ったことがあります。

この記事にも書きましたが、三河の鬼師が信州に向かう途中に
このあたりを通った可能性はとても高く、ならばそのうちの誰かが逗留したり
居ついたりすることは充分考えられるんじゃないか!と
ひとり勝手に妄想していたので、可能性は低くても行きたかったところなのです。


天気は最高、飯田線桜町駅付近から歩き始めます。
市街地を外れるとすぐに街道らしい風景が始まります。

三州街道上郷黒田

コスモス


街道から伊那谷を見下ろす。
伊那谷を見下ろす

この街道はほぼ中央道に平行しています。
(正確に言えば逆で三州街道に平行して中央道が作られた、ですが)
伊那谷は天竜川によって作られた広い谷ですが、
街道は谷底からかなり高いところを通っていて、
東を望むと眼下に天竜川を望み(ほとんど見えませんが)
その向こうには南アルプスが延々と連なっています。

三州街道沿いの町並み
三州街道沿いの民家(大島)

三州街道沿いの民家(大島)

三州街道沿いの民家(上片桐)

三州街道沿いの民家(高遠原)

緩やかな二階の屋根をいっぱいに広げたこうした民家を「本棟造」というそうで、
信州ではよく目にします。
とっても立派に見えるけどすっきりしていて、信州人気質にも合うんでしょうね。
結構好きなデザインです。

さて、肝心の鍾馗さんはというと、

ひとつも見つかりませんでした。

開幕戦は完封負け・・・・

ひいきチームが負けているとチャンネルを変えてしまう人いませんか?
私もそうですが、この日の探訪もそんな感じ。
途中から鍾馗さん以外にテーマを切り替えてあれこれ楽しんできました。
というわけで、「三州街道みちくさ編」、まだ続きます。

2013/9/28 飯田~飯島 つづき2013年09月29日 18時32分19秒

この日歩いた三州街道は周囲に果樹園が多く、色々な果物がちょうど収穫期を迎えようとしていました。

フルーツ街道―りんご
りんご
 なんといっても主役。少し手を伸ばせば届くところに・・・

フルーツ街道―姫りんご
姫りんご
 りんご畑のはじっこに少し植えられていることが多いように見えました。
 色が鮮やかなので賑やかしなんでしょうか。

フルーツ街道―洋なし
洋なし
 梨もたくさんあるのですがほとんど袋がかぶせられています。
 洋梨は多くないですが時おり見かけました。

フルーツ街道―梅
 梅だと思います・・
 もっと早く収穫するものだと思いますので、放置された可哀想な奴かもしれません。

フルーツ街道―柿
 高森町は干し柿にする市田柿で全国的に有名です。

フルーツ街道―栗

フルーツ街道―栗拾い放題
ほとんど人の通りそうにない歩道ではこんなところも。
天津甘栗より小さい山栗サイズですが拾い放題。
電車の時間が迫っていなければ、袋に詰めて帰るところでした。

フルーツ街道―ぶどう
ぶどう
 ぶどうもほとんど袋がかけられるため、見ることができません。
 収穫はほぼ終わっているようでした。
 放置された房で比較的傷んでいないものを見つけて撮影。

 桃もたくさんあるのですが、傷みやすいため厳重に管理されているみたいで
 剥き出しになっている果実は目にすることはできませんでした。


以下はちょっとマイナーな果物?たち

フルーツ街道―かりん
かりん
 これもバラ科でりんごやなしの仲間ですが、
 生食はできず、ジャムにしたりするそうです。

フルーツ街道―なつめ
なつめ
 何の実かわからず、帰ってから図鑑で調べました。
 この一本を見かけただけ。

フルーツ街道―イチイ
イチイ
 モミやツガといった針葉樹の仲間です。材が固くイチイの一刀彫で有名
 鮮やかな赤い実はおいしいそうですが、種は有毒とのこと。

フルーツ街道―からすうり
カラスウリ
 これは果物ではないですが・・
 もう少し秋が深まるとオレンジ色に熟して、里山を歩くと至るところで目にします。

フルーツ街道―ソバ
ソバ
 これも果物ではない。
 でも信州でこれを目にすると、よだれが出ます。
 帰りの飯田線の車窓からは、赤いソバの花畠に観光客が詰めかけているのを
 目にしました。


松川町は「くだものの里」と名乗っていますが、
その名に恥じないのではないでしょうか?

お土産には、やはり主役のリンゴを購入しました。