鍾馗さんの分布状況2012年02月05日 23時13分26秒


分布地図_5種すべて

よく見られる5種の鍾馗さんの分布状況を地図にプロットしてみました。

鍾馗さん凡例

いずれも300体以上見つかっている鍾馗さんなので
地図にしてみるとそれぞれの分布の特徴が浮かび上がってきます。

分布図_083

分布は愛知県と滋賀県が中心ですが、鍾馗分布エリア全域で見られます。

最もたくさん記録されている鍾馗さんですが、リンク先を見ていただくと分かるとおり
かなりバリエーションが多く、分類も議論がありそうです。

分布図_082

この鍾馗さんは前の083以上に、鍾馗分布エリア全域に満遍なく見られます。
こうして広い地域に分布する鍾馗さんは、流通ルートの整備された以降の
近年になって、三河や淡路などの大産地から広がっていったのではないかと
想像されます。

分布図_063

この鍾馗さんは一転して関西地区限定。愛知・岐阜・三重の東海地方ではまったく見つかりません。
この鍾馗さんは淡路島で作られているようですが、三州瓦の本拠地である東海地方には入り込む余地がないのでしょうか?

分布図_135

こちらも063と同じような分布。

分布図_050

この鍾馗さんは地図では一見、数が少ないように見えますが、
京都市内に集中して見られるのがこのスケールでは表現しきれないためで
実際にはこの五種の中で一番数多く分布しています。

「京都限定」に近い鍾馗さんですが、近隣府県でぱらぱらと見られます。
また滋賀県大津市では相当数が分布しており、
京都文化圏が琵琶湖南岸に沿って
滋賀県の方に伸びていっているようです。

NHK連続テレビ小説「カーネーション」に登場する鍾馗さん2012年02月06日 23時25分24秒

実は今やっている「カーネーション」、
すごく気に入っていて欠かさず見ています。

カーネーション

大阪・岸和田が舞台で、大正時代に始まって現在は昭和三十年代。
筋書きなど詳しくは上記リンクに譲るとして、
このドラマ、ドラマとしての魅力はもちろん、
時代考証や小道具にも手抜きがなくて感心します。

主人公が暮らす家の小屋根に鍾馗さんがあげられています。
ご存知の通り(誰が(^^))、岸和田も鍾馗の多いところで
こんなところにも納得します。

第1回で映っていた鍾馗さん

カーネーション(大正)

画面左下ですね。

今日(2月6日)、第104回ではこんな感じです。

カーネーション(昭和三十年代)

店の名前は「小原呉服店」から「オハラ洋装店」に替わっていますが
看板の左の鍾馗さんはそのまま・・ と思いきや。

何気なく見ていて、あれっ?て思いました。

なんか鍾馗さんが替わった気がする。

大正期

大正期の鍾馗さんは右に示した#063で間違いないと思います。
これまで、ドラマで何度も映されています。
ちなみに右は岸和田市内に現存する鍾馗さん。

昭和期

昭和期のキャプチャは不鮮明で判然とはしないのですが、
なんか違うように見えませんか??

どっちかというと下の鍾馗さんじゃないかと。(#082

昭和期2

大阪には少ない鍾馗さんですが、岸和田でも見つけています。
それにしても、わざわざセットの鍾馗さんを取り替える理由もないし。
落として割ってしまったとか。
思い過ごしかなあ?

2012/2/4 岸和田市、和泉市2012年02月09日 21時46分58秒

2月最初の探訪はちょっと大遠征、大阪府岸和田市~和泉市でした。

岸和田といえば今や、だんじりと並んで、前の記事のカーネーションですが、
探訪は岸和田市中心部は素通りして、町のずっと南にある山間部をめざしました。

和泉山脈と呼ばれる大阪・和歌山県境に連なる山々の懐に抱かれた村々を訪ね歩いたのですが、さすがは大阪で、このあたりには山村部の民家のイメージとは程遠い、重厚で豪壮な古民家が立ち並んでいて、初めて訪れたときは目を疑ったものです。

中には高度成長期以降の土地成金もいるのかもしれませんが、そういった今出来の豪邸とはあきらかに違って、歴史と伝統を感じさせる落ち着いた佇まいのお宅が圧倒的に多い。おそらくはかなり昔から野菜や綿など換金作物を大阪方面に出荷することで現金収入があり、裕福だったのではないでしょうか。

話は変わりますが、このあたりは盟友おとんさんのホームグラウンドです。
今、忙しそうなのでお誘いしなかったのですが、今回の探訪もおとんさんの見つけた鍾馗の追っかけが多いのです。なんとなく縄張り荒らしのような後ろめたさを感じながら、あわよくばおとんさんの見落とした鍾馗さんがひとつでも見つからないかという「すけべ心」もある探訪です。

冷え込みはありませんでしたが、晴れたり曇ったり落ち着かない天候で
曇っていたときに写した鍾馗さんはぼんやりした出来になってしまいました。

スタート地点は岸和田市河合町。
ここは三度目の訪問ですが、ユニークな鍾馗さんを3体ほど確認済みの集落。

こうしたところはまだ見ぬ鍾馗さんが潜んでいそうな気がするもので、気合いを入れて探してみましたが、この日は新たな新種発見はなし。

ここから東に向かい、隣の神於町で本日お初のレア鍾馗さんを発見しました。
非常に高いところにあって、たまたまいらっしゃった家の人にご挨拶したところ、
苦労している私を見かねて脚立を出してきてくれました。遠慮なく拝借して撮影したのがこちらの鍾馗さんです。
岸和田市神於町の鍾馗さん

写真を撮り終えて家の人と話していたら、
「ちょっと前に同じように鍾馗さんを写しに来た人がいて、脚立をだしてあげたよ」。
ありゃさては?と思い、あとで確認したらやはりおとんさんでした。
ブログにも載せておられ、メールでも教えていただいていたのをすっかり忘れていました。

さらに東進した内畑町ではこの鍾馗さん。

岸和田市内畑町の鍾馗さん

大阪南部でよく見かけるのですが、「手びねり」らしく皆それぞれちょっとずつ違っているので分類泣かせの鍾馗さんです。

これもおとんさん記録済でした。

内畑町からは北上。
包近町は以前おとんさんといっしょに来たことがあります。その後おとんさんが単独行で発見した鍾馗さんをカメラに収めます。

岸和田市包近町の鍾馗さん

暗いところにあって撮影は難しい。

岸和田市包近町の鍾馗さん

同じく包近町のこの鍾馗さんは再撮影。
残念ながら足元がどうしても見えません。

再び南下して和泉市に入り、春木町を経由して松尾寺町へ。
ここで今日ようやく本当の初物に出会いました。

和泉市松尾寺町の鍾馗さん

とっても見つけにくいところにあり、目に付いたのはラッキー。
これはおとんさんも見落としていたそうで、「ヤッタ」ようやく面目を保ちました。

同じ松尾寺町で見つけた鍾馗さん。

和泉市松尾寺町の鍾馗さん

こちらは珍しいものですが、#143 富田林の鍾馗さんと同じものでした。


この日はもっともっと先まで歩く目論見でしたが、
予定の半分ちょっと行ったところで時間切れになりました。
この日の歩行距離は23kmほど。

さらに、帰宅して整理していたら、経由した内畑町で
おとんさんから教えていただいていた希少鍾馗さんをなんと三体も
チェックし忘れていたことが発覚しました。

涙(;;)

気を取り直して今週末、続きを探訪に行ってくるつもりです。
もちろん取りこぼしもフォローしてきます。祈好天。

2012/2/11 岸和田市、和泉市2012年02月15日 00時49分21秒

予告どおり、二週続きで大阪に行ってきました。
先週行き残した岸和田市から和泉市にかけての山あいが目的地です。

痛恨のチェック忘れをした岸和田市内畑町をまっさきに訪れた後、
先週の続きで和泉市若樫町から探訪再開し、ここから東に向います。

このあたりもおとんさんのホームグラウンド。めぼしい鍾馗さんは
一昨年におとんさんの車でご案内いただいたことがあり、大野町、坪井町などの
落ち着いた集落ははっきりと記憶にあります。

岡町までいったところで北西に進路を変え、粉河街道(父鬼街道)に沿って
和泉市中央部を目指します。

予定ではそのまま北上してJR和泉府中駅まで行くつもりでしたが、
かなり遅れ気味となったため、和泉中央駅で終了。

また余韻を残す終わり方をしてしまいました。

おとんさんのブログで紹介されていないお宝鍾馗さんは以下の三体。
さすがにくまなくもれなく探索されているのを再認識しました。

和泉市内田町の鍾馗さん
(和泉市内田町)
先週、バスの車窓から目に入ったので、今回見てきました。
そんなに古くはなさそうですが、手作りっぽい初めて見る鍾馗さんでした。


和泉市若樫町の鍾馗さん
(和泉市若樫町)
同じタイプの鍾馗さんはおとんさんのブログにも何体か紹介されています。


和泉市納花町の鍾馗さん
(和泉市納花町)

新しいお宅です。2010年3月撮影のストリートビューでは
まだ鍾馗さんがあげられていないことが確認できました。
これから二歳を迎えることになりますね。

2012/2/11 岸和田市、和泉市 補遺2012年02月20日 21時02分14秒

前の記事の最後、納花町の鍾馗さんの拡大写真です。

和泉市納花町の鍾馗さん拡大

正面から見ると目の下に隈があるようですが、
こうしてみてもずいぶん落ち窪んでいます。

そして、黒目には黒いガラス玉かプラスチックのようなものが埋め込まれています。
鍾馗さんでこうした細工は始めてみました。

類例にはこんな鍾馗さんが。

滋賀県東近江市五個荘塚本町

こちらは玉を入れたわけではなく、
磨いたか釉薬で光沢を出しているように思えます。

下田で鍾馗さん2012年02月21日 00時10分18秒

家族旅行で伊豆へ出かけたついでに下田の鍾馗さんを見てきました。

今回の旅行のテーマは以下の通りです。
 ・銭湯のペンキ絵のような富士山を堪能する。
 ・河津桜を賞でる。
 ・稲取の雛のつるし飾りを鑑賞する。

あくまで鍾馗さんはついで。家族旅行ですから・・

駿河湾越しに富士山が広がる景色を楽しめそうなという観点から
お宿をセレクト。
沼津市西浦にある民宿「西浦荘」に決めました。
投宿した日は結局、富士山は全貌を現しませんでしたが
翌朝は快晴。

富士山の朝焼け連続写真

宿の部屋からはさえぎるものもない見事な景色、
180°のパノラマがひろがっていました。

富士山眺望パノラマ
(ちと重いのでクリックはご注意)

宿の選択と天気は最高。テーマその1は大成功です。



下田に鍾馗さんがいることを教えていただいていたのですが、
今回ようやく訪ねることができました。
重厚な民家が並ぶ下田の旧市街の中、「風待工房」というカフェの軒にあがっていました。

下田の鍾馗さん

情報では同じものが二体ということでしたが、なぜか一体になっていました。
愛知県に非常に多い鍾馗さん #159 です。
静岡県ではこれが二体目の記録。
一体目は浜名湖岸の新居町ですので、東西の両端。
他にもきっとあるとは思いますが、静岡県では探してもほとんど見つかりません。



昼食後、河津へ。
河津桜はすっかり有名になり、桜のシーズンには観光客があふれるようです。
例年の見ごろに合わせて日程を設定したのですが、今年は寒いせいか開花が遅れ、まだほとんど咲いていません。

河津桜20120218

この写真を見れば、「結構いいじゃないか」と思われるかもしれませんが、
なんでも、駅前の三本だけ休眠打破剤とかいう薬剤を使って
無理やり咲かせているとか。
確かにこの日もずいぶん多くの見物客が来ていましたので、
一本も咲いていないでは皆さん納得しないから、地元も苦労されています。


河津桜20120218

実際のところはまだこんな感じ。
出かけられる方は地元の開花情報を確かめてから行きましょう。


ほとんど予備知識もなく、つまりそれほど期待もしていませんでしたが
これはなかなかのものでした。

稲取のつるし雛

雛飾りを取り囲む、膨大な手間ひまをかけて作られた飾りつけに圧倒されました。

京都で本屋めぐり(^^;2012年02月29日 00時21分36秒

「鍾馗さんを探せ!!」出版直後の19日、行ってきました京都へ。
おひざもと京都の書店でどんなふうに扱われているか、
今のうちに見ておかないといけないですからね。

今記事はしょーもないです。
お忙しい方は読まないように。

京都在住の師匠にもお付き合いいただき
京都駅八条口アバンティブックセンターから探訪開始しました。
いきなり旅行書コーナーに平置きしてあるのを発見!
幸先よしです。

四条に移動してジュンク堂四条店に。

鍾馗さんを探せ-ジュンク堂四条店

ここも京都本コーナーの目立つ位置に置いていただいている。
しかも横にはpopを貼って!

次は四条河原町交差点のコトクロス内、ブックファースト京都店

鍾馗さんを探せ-ブックファースト四条河原町店

ここも京都本コーナー平置き!

次は河原町通りを少し北へ行ったジュンク堂BAL店、
ここは現在京都で一番大きい書店だそうですが、エスカレータを降りて
店内に入ったところに上と同じpopが貼られて平置きしてあるので
広い店内をさまようこともなくすぐ発見。

さらに北へ行って、地下鉄京都市役所駅近くにある、
ふたば書店ゼスト御池店では、京都本コーナーに平置きしてあるだけでなく

鍾馗さんを探せ-ふたば書店ゼスト御池店

なんと「話題書コーナー」にも置いてあるではないですか!!
周りの本は雲の上のベストセラーばかり。
ほんとにこんな所に置いてもらっていいのだろうか?

最後の極めつけは大垣書店三条烏丸店。
こちらは店頭のショーウィンドゥに大きなポスターを掲示していただいている
どれだけ感謝してもしたりない、ありがたいお店です。

鍾馗さんを探せ-大垣書店三条烏丸店

店内入ってすぐのコーナーにどーんと60冊! ひぇ~
ポスターもいっぱい貼ってはる (思わず京都弁になってしまった)
ジョブスさんより上の扱い。
あまりの厚遇に声もなし。
こちらだけは店長さんに挨拶して、
許可をいただいて写真を撮らせていただきました。

(他はこっそり写しているので手ブレしています。各書店の皆さまゴメンナサイ)


初めて自分の本が世に出たことで、正直言って浮かれています。
これからも、ちょっと浮かれた記事を公開してしまうかもしれないですが
平にご容赦を。