2011/11/5・6 安曇野ほか その3 須坂2011年11月21日 22時47分56秒

お出かけばかりしていて、ブログがほったらかし。
気を取り直して安曇野探訪記を再開します。

長野県須坂市は蔵の町として有名ですが、屋根瓦も凝ったものが数多く残り、
須坂市立博物館が平成12年に開催した企画展「須坂の甍」の図録には
さまざまな鬼瓦や飾り瓦に交じって、二体の鍾馗さんが掲載されています。

さんろくさんはこの情報をもとに、現在でもこの鍾馗さんが保存されていることを
突き止め、我々の訪問の段取りまでつけてくださいました。

安曇野からはずいぶん遠いですが、今回のツアーの始まりは
外からは見ることのできない、収蔵鍾馗さん訪問からスタートです。

1体目は小河原新田町のAさん宅。
図録では屋根にのっています。

図録より
(「須坂の甍」より転載)

ところが、家の建て替えの際に降ろされて、
現在では玄関の土間に置かれていました。

須坂市小河原新田町の鍾馗さん

ひびが入っているので動かすに動かせないそうですが、
大事にされていました。
信州に多い素朴な鍾馗さんとは完全に一線を画して、
均整が取れた高い技術を感じる鍾馗さんです。

うっかり聞き忘れましたが、さんろくさんはどうやって探し当てたのでしょう?


つづいて二体目は市街地中心部・穀町のMさん宅。

腰から下が欠損していますが、それでも50cmくらいある堂々たる鍾馗さんです。
蔵に収蔵してあるのを出してきていただきました。

須坂市須坂の鍾馗さん
(立派な鍾馗さんを前に色めき立つツアーメンバー)

現在も瓦関係の商売をやっておられますが、
先代までは瓦製造も手がけておられたそうで、
さんろくさんの聞き込みによれば、M家に招かれた三州の鬼師、
神谷喜三郎の作品ではないかとのこと。

須坂市須坂の鍾馗さん・彩色の痕跡

剣はぶっとい金属製。耐久性を考えると正解ですが手がこんでいます。

また、細部には、茶、緑、黄の彩色の痕跡が残ります。
いったいどんなに華やかな鍾馗さんだったのでしょうね。

他にもこちらには様々な瓦が保存されており、Mさんはわざわざ事情に詳しい
親戚の方にも声をかけていただき、貴重なお話を伺うことができました。


さらに、近くの神林家、今井家(蝶の民族館)を訪問しましたが、
先の予定もあって駆け足となり、先方にはちょっと申し訳ないことをしました。


Aさん宅でもMさん宅でも物好きの訪問に対し、
嫌な顔もどころか逆にご親切におもてなしまでいただきました。
須坂の人の親切さに触れ、いきなり暖かい気持ちになったところで午前の部は終了。慌しく須坂を離れましたが、またゆっくりと訪問したいところです。

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