去る者、来る者2011年06月06日 19時52分24秒

6月4日は京都市内を洛西を中心にうろうろしました。
鍾馗さんはまだ整理中なので、探訪記は後日。

今日は街角で見つけたちょっとしたドラマ?を紹介します。

ところは中京区西ノ京池之内町。姉小路通の神泉苑通と美福通の間。

右(東)に見える瀬古クリーニング店は取り壊したばかりのようで、
更地になっていました。
昨年2月に通りがかった際に、看板の「洗張・丸染」の文字の左側あたりに
下の鍾馗さんを見つけたのですが、家と共に失われたと思われます。

姉小路の失われた鍾馗さん

いっぽうで、
左手(西)の「大衆食堂」のさらに左隣の家が建て替っていました。

姉小路の建て替ったお宅に鍾馗

二軒まとめて二世代住宅に建替えられたのでしょうか。
軒には鍾馗さんがのっています。

姉小路の鍾馗さん(#159)

この付近のストリートビューが高精細になったのは昨年も後半と思われ、
この家も、1年以内に建替えられたに違いないのですが、
鍾馗さんには古色があるのが不思議です。


目と鼻の先で家が壊され、改築され、
それとともに鍾馗さんも代替わりしていきます。
鍾馗さんが消える一方の他の町に比べれば、
古いものをそれなりに消化しつつ
新陳代謝していく京都はまだまだ頼もしいですね。

2011/6/4 京都2011年06月20日 21時00分45秒

6月4日 京都探訪記、アップがずるずる遅れてしまいました。

コースは概ね以下の通りです。

JR桂川駅→上久世→桂離宮前→桂大橋→西京極駅南→西院→JR二条駅南→四条大宮→JR二条駅北→太子道→太秦→帷子ノ辻→嵯峨嵐山→鳥居本→大覚寺→広沢→妙心寺→千本中立売→烏丸今出川

2011/6/4 探訪コース

地図にしてみると、如何に意味のない歩き方かわかりますね。
桂川駅からゴールの烏丸今出川までは、普通に歩けば15kmくらいでしょうか。

二条駅付近までは、まあまあ目的地に向っている感じですが、
そこでいきなりコースを逸れて鳥居本まで延々と回り道。
約20kmも回り道しています。

もちろんここをご覧の皆さまは、筆者の目的をご存知だと思いますので
説明は省きます。

今回のコースは京都でも郊外、
鍾馗さんは基本的に戦前あたりに市街化された町に多く見られるため、
京都と言えども今回のコースにはあまりないだろうと予想していました。

これまでほとんど歩いたことのないエリアのため、
少しずつ空白を埋めていこうと思い立ち、少しでも
古い町の面影が残っていそうな旧道をつなぎ合わせたコースを作ってみたところ、
上記のような不思議なルートが出来上がりました。


見つけた主な鍾馗さんをご紹介します。
西京区桂楠町の鍾馗さん
桂駅の南東に位置する楠町で見つけた鍾馗さん。(#1293
初めて見るもので、細部の仕上げが実に丁寧。
作者の性格がしのばれます。


姉小路通の鍾馗さん
二条駅に程近い、姉小路通。(#1294
よくある#0063にそっくりですが、サイズは極小。
10cmくらいしかありません。


太秦_三条通の鍾馗さん
太秦・広隆寺門前の京料理店の屋根で発見。
#0596として何体か発見していますが、この鍾馗さんのポイントは腰の「知恵の輪」。
最初は針金かと思いましたが、瓦製のようです。
類例ではすべて失われており、オリジナルにこれが着いていたのかわかりませんが
不思議な意匠ですね。


有栖川_三条通の鍾馗さん
有栖川付近の三条通沿い。(#1295
この鍾馗さんは師匠・服部さんの「洛中・洛外の鍾馗」に収録されています。

鍾馗博物館に掲載したのをご覧になった服部さんから、連絡をいただきました。
「京都右京区の鍾馗さん、まだ残っていたので安心しました。これは京都に一体しかなかったので、もうなくなっているのではないかと心配しておりました。」



鳥居本の飾り瓦屋敷
嵯峨鳥居本のいちばん奥まったところにあった、飾り瓦満載のお宅。

鍾馗さんは4体確認。

飾り瓦屋敷の鍾馗さん その1
これは#0691
田辺、木津川など、京都南部で3体、類例が見つかっている鍾馗さんを
扇型の台座に取り付けて装飾品に仕立てたのでしょうか。

飾り瓦屋敷の鍾馗さん その2
こちらは#784
大阪府高槻市内で類例3体発見しています。
めりはりのある造形が特徴で、すぐに親戚とわかります。

どうやって集められてのでしょうか。


鳥居本のみみずく?
最後は嵯峨釈迦堂近くのこちら。
一見してどきっとしましたが鍾馗さんではないですね(^^;
みみずくでしょうか。

この日一日で百体弱の鍾馗さんを発見、さすが京都ですが
やはり、見つかったのは多くが旧市街。
分布図はあるところ・ないところでくっきりと分かれそうです。

2011/6/12 西尾市(旧吉良町・一色町)2011年06月27日 20時08分45秒

二週間前になってしまいましたが、三河湾に面した旧吉良町、一色町を
ひとめぐりしてきました。

4月に西尾市と合併したばかりだそうで、
うかつにも歩き始めたときは知りませんでした(^^;

吉良吉田駅を起点に、旧吉良町南部と旧一色町全域をぐるっと一回りしました。

金蓮寺弥陀堂
途中の金蓮寺弥陀堂。
愛知県には珍しい国宝建築ですが、ものものしい雰囲気はまるでない、
のどかな環境の小寺院で、お堂にも近づいてゆっくり鑑賞できます。


鍾馗さんは多くもなく少なくもなくといったところで
総行程35kmで30体程度を発見。
ただし新種・珍種の発見はありませんでした。


一色町中外沢の鍾馗さん
(西尾市一色町中外沢)
#0083ですが、この眉と髭は何とかならんものかと、
見るたびに思います。

初めて見つけたときは子供のいたずらと確信しましたが、
その後、愛知県内の各所で発見することとなり、
新しい家に乗っていることから、今でも県内の瓦屋さんが
各地に供給していることが明らかになってきました。
これはやめてほしいなぁ・・

この鍾馗さんの仲間
権造の仲間たち
(名古屋市守山区、刈谷市半城土町、東海市荒尾市)


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「みちくさ学会」第15回記事が掲載されました。
よろしければお寄りください。今回は手びねり鍾馗さんの魅力を紹介。