2013/3/30 丹波、篠山、福知山2013年04月30日 10時58分55秒

フィールドワーク優先ですっかりアップが遅くなってしまいましたが、去る3月30日、服部さん、おとんさんと共に兵庫県丹波市在住の三河屋茂兵衛さんに、丹波地方の鍾馗さんを案内していただきました。

兵庫県丹波市、篠山市、京都府福知山市に点在する24体を一日で走り回っていただいたのですが、以下の写真のとおり、ほとんどが手作りの一品ものと思われます。
これまでほとんど存在しないのではないかと勝手に思っていた、丹波地方の鍾馗分布が塗り替えられました。

博物館への収録は少し先になりそうなので、しばらくはこちらをご覧ください。

もっときれいな写真をご覧になりたい方はこちら
 鍾馗を探そう  丹波・篠山 編    福知山編

丹波市氷上町黒井の鍾馗さん
丹波市氷上町黒井 【1472】
鬼はとても大きく、反対側には二本の脚が突き出ています。

丹波市氷上町谷村の鍾馗さん
丹波市氷上町谷村 【1473】

丹波市氷上町谷村の鍾馗さん
丹波市氷上町谷村 【1474】

丹波市氷上町谷村の鍾馗さん
丹波市氷上町谷村 【1475】

丹波市山南町北和田の鍾馗さん
丹波市山南町北和田 【1476】

丹波市山南町北和田の鍾馗さん
丹波市山南町北和田 【1477】

丹波市山南町井原の鍾馗さん
丹波市山南町井原 【1478】

篠山市西町の鍾馗さん
篠山市西町(魚屋町?) 【0620

篠山市西町の鍾馗さん
篠山市西町(魚屋町?)  【1479】
木造鍾馗は珍しく、見るのは三点目(

篠山市福住の鍾馗さん
篠山市福住  【1480】

篠山市福住の鍾馗さん
篠山市福住  【1481】
上の鍾馗さんとは同じ家、前後にあがっています。

篠山市小田中の鍾馗さん
篠山市小田中  【1482】

篠山市小原の鍾馗さん
篠山市小原  【1483】

福知山市萩原新町の鍾馗さん
福知山市萩原新町  【0741
リンク先の綾部の鍾馗さんとは間違い探しのようにそっくりです。

福知山市上野の鍾馗さん
福知山市上野  【1484】

福知山市三俣の鍾馗さん
福知山市三俣  【1485】

福知山市長田の鍾馗さん
福知山市長田  【1249

左手の鞘に刀身らしきものが覗いています。でも柄は右手にあり何か変です。

福知山市猪崎の鍾馗さん
福知山市猪崎  【0751

福知山市三和町草山の鍾馗さん
福知山市三和町草山  【1486】

福知山市三和町草山の鍾馗さん
福知山市三和町草山  【1486】
上の二体は同じお宅です。1センチはありそうな袖の厚みがいい。

丹波市市島町酒梨の鍾馗さん
丹波市市島町酒梨  【1487】


一日でこれだけの鍾馗さんを眼にすることができるなんて幸せ者(^^v
三河屋さんに感謝です。
その後も既に西脇市で新たな鍾馗さんを発見されたそうで、これからもよろしくお願いします。

2013/2/23 京都伏見2013年02月26日 22時04分18秒

三週連続の京都遠征です(^^;

今回は服部さんと一緒の探索。
おとんさんもご一緒するはずでしたが体調不良で急遽欠席。
中書島駅から二人で歩き始めました。
先週、先々週は雪もようのお天気でしたがこの日は晴れ。
空気は冷たいものの風はなく、まずまずの探索日和でした。

伏見の町は現在は行政上は京都市に含まれ、市街地もつながって一体化してしまっていますが、元来は京都からは独立した別の町。

鉄道輸送が始まるまで、京都への物資輸送の主役は船でした。
船は荷車や牛馬に比べ、はるかに効率的に物を運ぶことができます。
淀川が京と大坂を結ぶ物流の大動脈で、伏見はその河港として大繁栄していました。
全国から大坂に集まる物資は淀川で伏見まで運ばれ、鴨川や高瀬川を使って小ぶりな舟などに載せ替え、あるいは陸路で京まで運ばれたのでしょう。

(以上、朧げな知識と想像に頼って書いておりますのであまり真に受けないように・・)

実際に伏見の町を歩いても、街場の範囲が非常に広く、建て替えによりすっかり虫食いになっていますが、思わぬところで歴史を感じる古民家に出くわし、かつて、この町があらゆる商売で栄えていたのだろうと想像できます。


今回は探索するにあたり、あらかじめGoogleストリートビューでバーチャル探索し
四十体近くの鍾馗さんをピックアップしていました。
以下、目にしためぼしい鍾馗さんです。

伏見区京町通の鍾馗さん
伏見区京町通

釉薬のかかった新しい鍾馗さんです、一軒 #084 かと思いましたが、
草津市で一体だけ見たことがある #652 のようです。


伏見区丹波橋町の鍾馗さん
伏見区丹波橋町

ストリートビューでは翻る裾が目立ち、新種かと期待していましたが
#015 の亜種でした。 型物が大部分の#015の中では異色の、素朴な造りです。


伏見区榎町の鍾馗さん
伏見区榎町 #1454 として収録

伏見区榎町の鍾馗さん
同  #1455 として収録

上記二体は同じ家にあります。型物の#135と三体並んでいます。
一見よく似ていて兄弟だと思いましたが、細部に共通点がなく、
まったく別種の鍾馗さんでしょう。


伏見中之町の鍾馗さん
伏見区中之町 #195 に掲載

ストリートビューではよく見えず、来てみてびっくりの鍾馗さん。
近くにある浅田製瓦工場の初代 浅田徳三郎氏の作品に間違いないと思われます。
工場に保管されていた同じ鍾馗さんを見たことはありますが、町で見たのは初めて。
保存状態も良く、細工の精巧さに職人の執念を見る思いです。


伏見区堀詰通の鍾馗さん
伏見区堀詰通 #1456 として収録

この鍾馗さんは変哲のないアパートの壁に置かれていて、ストリートビューでは見逃していました。
京風のマイルドな鍾馗さんですが、標準サイズに比べるとかなり大ぶりで、初めて見る鍾馗さんです。


伏見区堀詰通の鍾馗さん
伏見区堀詰通 

伏見区堀詰通の鍾馗さん
同  どちらも #1039 に掲載

京都には珍しく大棟の上にあるのでストリートビューでは見えません。
下の鍾馗さんは1階の屋根で空を見上げています。

服部さんの著書「洛中洛外の鍾馗」で異彩を放っていた
今はなき「ふくろう鍾馗」の兄弟です!

山科髭茶屋屋敷町上鳥羽八王神町の二体 に続く合計五体目ですが、
二階の鍾馗さんは「本家」に一番似ているように思います。


この日、15kmほど歩いて93体の鍾馗さんを目にしました。
この密度は京都洛中なみ。
伏見、あなどれません。

2013/2/16 京都洛外2013年02月21日 22時43分13秒

二週連続の京都ですが、市街地でローラー作戦を展開した前回と違って
今回は郊外で旧街道とお寺を巡る巡礼旅。

洛西から洛南方面、阪急東向日駅を起点に向日市寺戸町→南区久世→伏見区久我
→南区上鳥羽→唐橋→吉祥院→西京区桂 と巡って桂駅がゴールの約27km。

この日も晴れたり曇ったりしながら終日雪がちらつく寒い日でした。

たぶん最高気温は5℃未満。滅多にしないマフラーを巻いて完全武装です。


歩き始めて早々に発見した鍾馗さん、ただし事前にストリートビューでチェック済(^^)
向日市寺戸町中垣内の鍾馗さん
向日市寺戸町中垣内  #1450 として収録

手足のバランスも顔の造作もどこか変で、洛中では少ない素朴派ですね。


京都市伏見区久我本町の鍾馗さん
京都市伏見区久我本町  #1451 として収録

これまた味のあるお顔。思いっきり離れた両目の間には眉が入り込んでいる。


京都市南区上鳥羽堀子町の鍾馗さん
京都市南区上鳥羽堀子町  #1452 として収録

どこかで見たような気がするのですが、結局わからず新種登録します。
上2体と違って、京街道(千本通)沿いの街場にあるので鍾馗さんも京風です。


京都市西京区桂巽町の鍾馗さん
京都市西京区桂巽町  #1453 として収録

こちらは服部さんの情報。
なんとイタリアンレストランにあがっています。
右手に剣を持つ姿は鍾馗さんだと思うのですが・・
この鍾馗さん、木彫りです。


route_walked20130216

この日のコースは赤い線。


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みちくさ学会に久しぶりに記事を掲載しました。


2013/2/9 京都2013年02月12日 23時14分44秒

2月9日(土)は京都市内へ。
昨年6月以来久しぶりののローラー作戦です。

<ローラー作戦とは>
京都・洛中で鍾馗さんを探すための作戦。
他の地域では鍾馗さんはお寺の周囲にあることが多いため、鍾馗探索のルートは
お寺を訪ね歩くことになります。
ところが京都ではこの法則がなく、街なかのいたるところにひそんでいるため、
鍾馗さんを探すには、『すべての』道を歩くことが必要になりますwww

探索の効率化のため、一日で東西南北を大路で区切った1ブロックをしらみつぶしに歩くようにしており、住人から見ればまさに不審者が近所を何度も行ったり来たりして
不気味でしょう。


直前に淡交社の I さんから、とても心配な情報が入っていたので、
探索に入る前にちょっと上七軒に立ち寄りました。
「鍾馗さんを探せ!!」の表紙を飾ったお気に入りの鍾馗さんがなくなっていたというのです・・

こちらのお宅には刊行後に朝日新聞の記者の方とおじゃまして、大事にしておられるとのお話を聞いていたのでちょっと信じがたく、自分の眼で見て納得しなければと
さっそく行ってみることに。

表紙の鍾馗さんの家

この日の京都は朝のうち小雪が舞っていました。
ご覧の状態で、二階の壁にはブルーシートがかぶせられ、玄関の戸のあたりはま新しい建具に更新されているようです。
これは取り壊しというよりは修理・改修に見えますので、鍾馗さんは破損防止のためにいったん取り外されてどこかに保存されているのではないかと(希望的観測をこめて)
思います。
 I さんが見たときはブルーシートも鍾馗さんもなかったそうで、この前の状態を確認されたのでしょう。復活を期待しています。


さて、今回の探索場所は京都西南部、
概ね 北:四条通 東;山陰本線 南:五条通 西:西大路通 で囲まれた一角です。

中心部のようには町屋も残っていないので、あまり期待できないエリアだと思っていましたが、昨年末、西院の町屋で鍾馗さんの話をさせていただいた際にちょっと周囲をぶらついたら、意外に鍾馗さんを見つけたので今回の探索になりました。

結果、見つけた鍾馗さんは59体。まずまずの数ですが、うち20体近くは四条通の北、壬生にはいった方での発見です。
あっと驚く希少鍾馗さんの発見はありませんでした。

下京区新千本通の鍾馗さん
下京区新千本通

中京区壬生森町の鍾馗さん
中京区壬生森町

上の二体はいずれも#817で収録した鍾馗さんとまったく同じものです。
これまで掲載の一体しか見たことがなかったので、一品物の手びねりだと思って、
「鍾馗さんを探せ!!」にもそう書いてしまいました。あいたたたー。


中京区土居ノ内通の鍾馗さん
中京区土居ノ内通

この鍾馗さん(#515)は滋賀県・近江八幡周辺に多く、ちょっと違う亜種が大阪でも見られますが、京都では初発見。

dendoroubikさんの「ゲジデジ通信」でこの鍾馗さんの生まれ故郷のことが
紹介されています。


この日、歩いたところは赤い線、青線はこれまでに歩いたところです。
などが鍾馗のあったところ。

洛中の全体図はこちら。


いつ終わるかと思っていたローラー作戦も作戦終了が見えてきた。
これはかなり寂しい・・

2012/6/10 京都2012年06月16日 10時50分39秒

吉例の土曜日が雨だったため、一日ずらして日曜日に京都を歩いてきました。

本を出したものの、まだまだ訪れていない所は数多く、
あちこちにまだ見ぬ鍾馗さんが隠れているのではないかと思っています。

今回は下京区の西の端にあたる、梅小路、西七条あたりを集中的に歩きました。

本ではこのエリアからはただ1体、この鍾馗さんを紹介しています(P85 No.127)が、
実はこのあたりは全然歩いたことがない。

下京区御前通の鍾馗さん

このエリア、およそ史跡、名所の類はなく、観光客は皆無。
私もこれまでほとんど立ち入ったことがないところですが、
空白地帯として残しておくのも気持ち悪いので、今回歩いてみました。

思いのほか古い町屋も見られ、たくさん鍾馗さんも見つかりましたが
京都のレギュラー陣ばかりで、珍しい鍾馗さんはなし。

エリアは旧市街地の外れにあたるようで、東の方はかなり町屋が目立ちますが
西大路に近づくと新しい住宅ばかりになってきます。
「しらみつぶし」探索はこのあたりまでで、これより外は古い集落を縫い歩く、
他地域と同じ探索方法に切り替えても良さそうです。


そのあとは五条通をひたすら東に向かい、五条楽園に行きました。
ネットで見つけた鍾馗さんを目当てにうろうろし、無事発見。
おまけもありました。

五条通の鍾馗さん
五条間之町西入ル 量産型#0015の突然変異?

五条楽園の鍾馗さん
五条楽園  明らかに奈良系です。

五条楽園の鍾馗さん
五条楽園  こちらは近江系?


この日歩いた距離は約30km。 地図上の赤い線です。
歩いたルート

map2
次はこの上あたりですかね (^^;


この日見つけた鍾馗さんは81体。
町はずれといっても沢山あるものです。


三年連続 京都で名残の桜見物2012年04月25日 00時08分57秒

4月22日(日) 雨の京都に行ってまいりました。
目的は鍾馗さんでなく桜、振り返ってみると昨年も一昨年も桜を見に京都を訪れています。


行き先も北野・平野神社から西陣・雨宝院あたりとほぼ同じコース。
ソメイヨシノは完全に葉桜ですが、遅咲きの品種が楽しめます。

傘を差しながら花を眺め、写真を撮るのは忙しいですが、
雨のせいもあって、人手はぱらぱら。
静かな花見を楽しめます。

雨に濡れる花や葉がきれいだったので、コメント抜きで何枚か、
いずれも平野神社です。

桜 京都北野・平野神社

桜 京都北野・平野神社

桜 京都北野・平野神社

桜 京都北野・平野神社


遅咲きの緑色の花をつける桜、御衣黄(ぎょいこう)と鬱金(うこん)が
このあたりで見られます。去年までより1週間遅く訪れたためか、今回いづれも見頃を迎えていました。

御衣黄(2012年 平野神社)
(御衣黄・平野神社)
とても濃い緑色で花弁は縮れています。白菜みたい。
御衣黄(2012年 雨宝院)
(御衣黄・雨宝院)
色は薄く、中心に紅色が差していますが花弁の形は同じですね。
御衣黄(2012年 嘉楽中学校)
(御衣黄・嘉楽中学校)
色合いは雨宝院に似ていますが、花びらの縮れはあまり目立たず、
ずいぶん違った印象を受けます。
鬱金(2012年 平野神社)
(鬱金・平野神社)
こうして並べると嘉楽中学校の花ととっても似ている。
嘉楽中学校のが鬱金であれば、素人としてはとっても納得がいくのですが・・

昨年も同じいちゃもんをつけていますね。我ながらしつこい。


最後に嬉しい鍾馗さん情報です。
嘉楽中学校前の鍾馗?さん(2005年10月)

2005年10月に五辻通・嘉楽中学校の前の町屋にあげられていました。
木製でとても小さいうえ、およそ鍾馗さんには見えない姿ですが、
本人は悠然と通りを睨んでいました。
2010年4月まではあったのですが、同年10月に訪れた際には家ごとなくなっていて
消滅したとあきらめていました。

嘉楽中学校前の鍾馗?さん(2012年4月)
ところが今回再発見!

今どきの家に建て替わっていましたが、鍾馗さんだけは復活して
玄関の上で悠然と曇り空を眺めていました。


ちなみに建て替え前も建て替え後も、鍾馗さんを固定する針金の取り回しがとっても丁寧です。瓦屋さんか家人かわかりませんが、こだわりを感じずにはいられません。

町屋の建替えは残念ですが、鍾馗さんだけでもこうして残されました。
当分は安泰でしょうから、まずはめでたいことです。

「木津川の地名を歩く会」2012年04月13日 23時50分00秒

最近、自著「鍾馗さんを探せ!!」を取り上げていただいたご縁で、
ブログ「木津川の地名を歩く会」の管理人さんとメールのやり取りをさせていただくようになりました。

木津川の地名を歩く会

トップのやさしいイラストは、管理人さんのお人柄がよく現れている感じ。
京田辺市にお住まいで、地元の歴史を研究・探訪するブログタイトルの研究会の他、
いろいろな活動を主宰されている、とてもエネルギッシュな方ですが、
難しい内容に触れているにも関わらず、文章はとっても平易で読みやすい。

身近な自然から、映画、古建築、人形など取り上げるテーマは多岐に渡り、
どの分野でもおざなりでない下調べをされた様子が窺えて、読み応えがあります。

そんな管理人さんに、鍾馗さんへの関心を持っていただくことに成功!
今、とっても熱心に探していただいています。

まもなく(4/15)開催予定の例会でも鍾馗さんを取り上げていただけるようで、
参加者の皆さんにも鍾馗さんを知っていただけるのではないかと期待しています。

例会案内の記事


2012/3/3 京都2012年03月24日 23時36分55秒

記事アップが遅れに遅れてしまいましたが、
3月3日にまたしても京都へ行ってきました。
今年に入って京都は既に4回目。ハイペースです。

出版がらみで打合せが入ったり、本屋を巡ってみたり、純然たる鍾馗探索は
少なかったのですが、今回はピュアな鍾馗探索。
一日かけて30kmたっぷり歩いてきました。

コースは地下鉄東山駅から北上して出町柳で鴨川を渡り、鞍馬口駅、堀川寺ノ内、
千本中立売と経由して大将軍あたりをうろうろ。
丸太町通を烏丸まで戻って京都市役所駅がゴール。反時計回りに中心部の北半を
ぐるっと一周したような感じです。

こう書くとあっさりしていますが、実際には気になる路地を見つけては入り込んだりしてみちくさしまくっています。

新しく見つけた鍾馗さんは65体、再確認した鍾馗さんが43体とやはり一日で
百体を超える鍾馗さんを目にしましたが、めぼしいものをご紹介します。

上京区猪熊通の鍾馗さん
(上京区猪熊通)

京都の市中ではとっても珍しく、大棟にあがっています。
一見してこちらの鍾馗さんを思い浮かべた方もいるのでは?

中京区黒門通の鍾馗さん
(上京区猪熊通)

比較写真

比べてみると、デザインは瓜二つ。共通の型から取ったとしか思えませんが、
細部の出来はまったく違います。
右がかなり丁寧に作りこまれていて、鬼師の腕の冴えを感じる仕上がりになっているのに対し、左は明らかに掘りが鈍いです。

服部さんによると、瓦屋さんの間では鍾馗の型の貸し借りが行なわれていたらしく
別々の職人さんが同じ型を使って製作していたとすると、なんとなく納得いきますね。


上京区猪熊通の鍾馗さん
(上京区猪熊通)

ひとつめの鍾馗さんからすぐ近くで、奈良産とおぼしき鍾馗さんを見つけました。
奈良系と思われる鍾馗さんを京都で見ることはめったにないことなので
これを見つけたときはかなり!!!。


中京区東洞院通の鍾馗さん
(中京区東洞院通)

この日のハイライトはこちら。
おわかりでしょうか?
服部さんの著作洛中洛外の鍾馗」の表紙を飾っていた
秀作の鍾馗さんです。

「鍾馗さんを探せ」に寄稿いただいたコラムでも紹介された、
服部さんお気に入りの一体。

本になってすぐ、棲家の解体とともに行方不明になっていましたが、
2008年に服部さんの友人が、もとあった場所にほど近いマンションのベランダで
再発見したという、ドラマチックなエピソードの持ち主です。

しかし、ベランダの桟が邪魔をしてお顔が見えない(;;)

中京区東洞院通の鍾馗さん

通りからはこれが限界。
かちっとした写真を撮るには、どうしてもお宅に上げていただかざるを
えないようです。




2012/1/22 京都半周2012年01月30日 23時22分34秒

ようやく本の最終校正も終わり、あとは刷り上りを楽しみに待つだけとなった日曜日、
また京都へ行ってきました。

今回の探訪の目的は服部さんの著書『洛中洛外の鍾馗』に収録されている
鍾馗さんのうち、まだ未確認の希少鍾馗さんを探すこと。

既に一度は振られた鍾馗さんも多く含まれているため、服部さんから詳しい情報を
伺っての探訪ですが、『もうなくなっていると思います』というコメントをいただいた
ものもあります。とはいえ、一度は自分の目で確かめないことには得心がいかないため、あえて空振りが多いことは覚悟です。

我ながら好きだなぁ。

今回の起点は地下鉄烏丸線十条駅。
京都駅の南は工業地域で鍾馗さんは少ないというイメージがあり、これまでもほとんど歩いたことがありません。

南区竹田街道の三面鍾馗さん
南区竹田街道

まずは洛中洛外の鍾馗 収録のこの鍾馗さん。
三体が背中合わせに一体になっています。

数々の鍾馗さんを見てきましたが、こうした例は
こちらで紹介している四連鍾馗さんのただ一例を知るのみ。

写真には写っていませんが台座もY字型の半丸瓦で、
現在は普通の小屋根にありますが、もともとは別のところにあったのでしょう。
Y字型の屋根に留蓋のようにして置かれていたのでしょうか。
三角形の屋根というのがどういう状態か、
かつての姿を考えてしばし空想の世界を楽しみましたが
ちょっと想像がつきません。

ここから鴨川を遡って北上。
この日は何度も橋を渡りました。
 五条大橋(西→東)
 団栗橋(東→西)
 三条大橋(西→東)
 二条大橋(東→西)
 賀茂大橋(西→東)
 河合橋(高野川 東→西)
 出雲路橋(東→西)

あっちへうろうろ、こっちへうろうろしながら、
千本鞍馬口までの約32kmを歩いて、
この日見た鍾馗さんの数は 初見 105体、再確認 36体。
やはり他の町とは桁違いに多いですね。

偉そうに本を出すことになりましたが、きっとまだ知らない鍾馗さんが
京都の町のあちこちに隠れているんだと思います。
そうでなくっちゃ。

以下、この日見た希少鍾馗さんです。

南区竹田街道の鍾馗さん
南区竹田街道
これまで西陣方面で一体見たことがあるだけで、これが二体目。
これは「洛中洛外の鍾馗」に収録されています。

東山区五条通の鍾馗さん
東山区五条通
いくつかのサイトで紹介されていた鍾馗さん。
手がかりは乏しかったけど幸い探しあてることができました。
陶器屋さんだからか、手には急須をぶら下げています。

東山区松原通の鍾馗さん
東山区松原通
六波羅蜜寺の近く。
このあたりはほとんど歩きつくしたつもりでいたが、
わずかに歩き残していた一角で発見しました。
#010の亜種で、このポーズは初発見。

左京区下鴨蓼倉町の鍾馗さん
左京区下鴨蓼倉町
「洛中洛外の鍾馗」に収録の鍾馗さん。
この前見つけたときはカメラのバッテリーが切れていたため、再訪再撮影。

左京区白川疏水通の鍾馗さん
左京区白川疏水通
淡交社・岩城さんからの情報。
およそ鍾馗さんはいそうにないお屋敷街でした。
こちらもバッテリー切れフォローの再訪再撮影。
奈良市周辺ではよく見かける鍾馗さんですが、京都市内では初発見。


北区紫野東藤ノ森町の鍾馗さん
北区紫野東藤ノ森町
よくある鍾馗さんですが、後にお札を模した?瓦製のプレートがあり、
『急急如律令』と書かれています。
これは陰陽道や密教、修験道などの「おまじない」のようなものだそうです。
こちらで意味を考察していますが、私には真偽のほどはわかりません。

奈良の鍾馗さんには時々見られますが、
服部さんによれば京都ではこれが唯一ではないかとのことです。


服部さんに伺っておいたうち、ここに掲載した鍾馗さん以外は
この十五年ほどの間にすべて失われてしまったようです。

年末年始の小探訪をまとめてレポート2012年01月16日 23時57分54秒

例年、正月休みに一度か二度は鍾馗探索遠征を強行しているのですが、
この暮れはお休みしてました。ちょっとスランプかも。

それでも暇を見て、30分から半日程度のご近所ミニ探訪を5回決行しました。
なんだ結構行ってるじゃないかと言わないでくださいね(^^;
これらは運動不足解消のための散歩みたいなものです。

12月30日 豊田市駒場町、安城市篠目町
  量産タイプ 2体

12月31日 安城市桜井町、堀内町他
  量産タイプ 1体

1月2日 春日井市鳥居松町、神領町他
  量産タイプ 4軒5体
  知り合いからの情報提供で、春日井市では初記録。
  写真の鍾馗さんは岐阜県養老町付近で数体見ているが、愛知県では初記録。

春日井市神領町の鍾馗さん
(春日井市神領町)

1月5日 京都市あちらこちら
 量産タイプ 8体、新顔 1体
 遊びに行ったついでにちょっとだけ探索したところ、
 偶然、服部師匠の本に掲載されている鍾馗さんを再発見(左京区下鴨蓼倉町)
 ところが悲しいことに、このときカメラはバッテリー切れ(;;)
 スマホで撮った写真は恥ずかしいので載せません。
 ご覧になりたい方は博物館でどうぞ。

1月8日 岡崎市北野町、小針町
 量産タイプ 7体、新顔 1体
 短時間の探索で意外にも大漁。

岡崎市小針町の鍾馗さん
(岡崎市小針町)

40cm程度とかなり大きく、
均整が取れていて、すっくと立った姿が凛々しい。

こういううれしい誤算があるので鍾馗探訪はやめられない。