【0155】剣振り上げ系の代表選手 (の親戚)2010年08月04日 23時06分07秒

昨日の続きです。
どこか間の抜けた仲間が
少数ですが、あちこちで見つかります。

斑鳩町阿波の鍾馗さん
(斑鳩町阿波)
愛知、奈良に4体。

京都市左京区春日上通の鍾馗さん
(京都市左京区春日上通)
この1体のみ。
ただし昨日の光本瓦店のカタログに載っています。

吹田市内本町の鍾馗さん
(吹田市内本町)
大阪、滋賀、京都で7体。

野洲市須原の鍾馗さん
(野洲市須原)
この1体、only oneです。


【0155】剣振り上げ系の代表選手2010年08月03日 23時58分22秒

【分布と記録数】 愛知県(73)、奈良県(63)、三重県(30)、滋賀県(27)、
            京都府(27)、大阪府(6)、岐阜県(2)、兵庫県(1) 合計 (229)
【リンク】 博物館・収蔵室
各地に分布し、よく見かける鍾馗さんです。

今日紹介する3種は比較的数の多いもので、
他に5種ほど記録していますがそちらは明日ご紹介予定。

京都市東山区慈法院庵町の鍾馗さん
(京都市東山区慈法院庵町)
一番ポピュラーな鍾馗さんで、【0155】の8割はこのタイプ。
整った姿で洗練されています。

京都市北区紫野下門前町の鍾馗さん
(京都市北区紫野下門前町)
一つ目に比べるとかなりワイルド、言い方を変えると荒っぽい。
光本瓦店のカタログに載っていました。

松阪市町新松ヶ島町
(松阪市町新松ヶ島町)
愛知、三重中心に分布。
これもかなりあらっぽい作りです。

【0060】【0061】京の「気は優しくて力持ち」2010年07月29日 23時06分37秒

【分布と記録数】 京都府(58)、大阪府(4)、滋賀県(2)、
            岐阜県(1)、奈良県(1)、兵庫県(1) 合計 (67)
【リンク】 博物館収蔵室【0060】 博物館収蔵室【0061】
分布はほぼ京都限定。
少し困ったような表情の大きな顔の鍾馗さん。
人が良さそうです。
京都市右京区嵯峨野高田町の鍾馗さん
(京都市右京区嵯峨野高田町)
この鍾馗さんは型の新しいうちに作られたものか、
比較的エッジがシャープな感じですが、普通は下の鍾馗さんのように
角が取れています。

#0050と比べるとご覧のとおりかなり大きい。30cmくらいはありそうです。
0050と0061比較
(岸和田市南町)

以下は【0061】で登録しているもの
少し大きくなります。この鍾馗さんは真剣に怒っている感じですね。
京都市下京区島原上之町の鍾馗さん
(京都市下京区島原上之町)


以下は珍しいもの

さらに大きく40cmくらいあった気がします。この1体だけしか見つけていません。
京都市上京区三条殿町の鍾馗さん
(京都市下京区島原上之町)


さらに大きく50cmくらいはあるのでは。2体発見しています。
近所の等身大鍾馗さんには遠く及びませんが、
瓦鍾馗としては相当大きいほうです。
重たそうな眉の下には眠そうな眼。力持ちでしょうね。
京都市東山区若松通の鍾馗さん
(京都市東山区若松通)


【0069】現代の二枚目鍾馗さん その32010年07月28日 23時49分22秒

昨日の続きで【0069】のうち、剣を下におろしているタイプの後半4種です。

識別2

間違い探しクイズみたいになってきました。
よろしければ拡大画像で、まじまじとご覧ください。

答えはこちら
識別のポイントです。
左二つは進士巾の左右が一文字に傾いていますが、
右二つは「ハ」の字状。

左二つでは左手でつまんだ裾の形が違っています。

また右二つはそっくりなのですが、
下げた剣の先端が右端の鍾馗さんでは左右の脚の
中間付近に位置するのに対し、赤い鍾馗さんの剣の先端は左脚に
近いところに位置します。


京都市中京区丸太町通の鍾馗さん
(京都市中京区丸太町通)

南知多町日間賀島の鍾馗さん
(南知多町日間賀島)

常滑市大和町
(常滑市大和町)

東浦町石浜の鍾馗さん
(東浦町石浜)

【0069】現代の二枚目鍾馗さん その22010年07月27日 23時42分58秒

昨日の続きで【0069】のうち、剣を下におろしているタイプ。
といってもそれだけで8種が認められるので、
2回に分けます(^^;

たてがみタイプ比較

今日は髪を派手に逆立てている4種の識別ポイントです。

左から二つはほとんど違いがありませんが、
2番目のほうがより派手に逆立てています。
ちなみに赤色をしていますが、色の違いは土や釉薬でいかようにもなるので、
識別の対象とはしていません。

左から3番目は袴の形が他と異なっており、手でつまんでいません。
この形は昨日の一つ目と同じデザインで滋賀県特産です。

一番右はしょぼい写真で申し訳ないですが珍しいタイプ。
他とは作風がなんとなく違うのですが、見た目の識別点は
クロスする帯紐と、裾の形状。

京都市上京区猪熊通の鍾馗さん
(京都市上京区猪熊通)

高浜市田戸町の鍾馗さん
(高浜市田戸町)

竜王町須恵の鍾馗さん
(竜王町須恵)

野洲市市三宅の鍾馗さん
(野洲市市三宅)

【0069】現代の二枚目鍾馗さん その12010年07月26日 23時51分22秒

ご覧のとおり広く分布していますが、
愛知県と滋賀県が中心で微妙にデザインが異なります。
高浜の鬼良さんで今でも作られているようです。

【分布と記録数】 愛知県(107)、滋賀県(51)、京都府(20)、岐阜県(18)、
            三重県(7)、奈良県(6)、大阪府(4)、埼玉県(1) 合計 (214)
【リンク】 収蔵室

この鍾馗さんも13種類の亜種を数えており、
今日はそのうち、剣を胸に捧げ持つタイプ4種と剣を振り上げる1種を紹介します。

近江八幡市玉木町の鍾馗さん
(近江八幡市玉木町)
ロングスカートをはくこのタイプは滋賀県特産。
苦味ばしったお顔、均整のとれたスタイルは現代的ですが、
少し面白みに欠けるのは否めません。

京都市上京区日暮通の鍾馗さん
(京都市上京区日暮通)
いっぽう、片手で裾をつまむこの鍾馗さんが
数は一番多いようで、70体以上を記録。

養老町鷲巣の鍾馗さん
(養老町鷲巣)
これは上の鍾馗さんの突然変異で一品もの。
そっくりなんですが、何か違う。
頭が小さく、腰を少しひねっています。

海津市今尾の鍾馗さん
(海津市今尾)
これも突然変異で、剣が異様に大きい。

京都市上京区椹木町通の鍾馗さん
(京都市上京区椹木町通)

剣を振り上げるタイプはこの一種のみ。
各地で満遍なく見られます。

【0094】頼もしい大柄鍾馗さん2010年07月24日 23時22分37秒

分布数をご覧のとおり、関西一円に満遍なく分布しており、
淡路島のタツミさんで現在でも作られているようです。
 ネット販売のサイト

【分布と記録数】 奈良県(25)、京都府(21)、三重県(20)、大阪府(17)、
            愛知県(7)、滋賀県(6)、兵庫県(3) 合計 (99)
【リンク】 収蔵室

田原本町多の鍾馗さん
(田原本町多)
見られるのは、ほとんどはこのタイプ。
どーんと突き出した腹と、がっしり大きい顔が頼もしい。

京都市中京区蛸薬師通の鍾馗さん
(京都市中京区蛸薬師通)
上の鍾馗さんに鬼を付けただけですね。
これはほとんど見かけません。特注品かな?

御所市柳町の鍾馗さん
(御所市柳町)

一見、一番上とどこが違うの?という感じですが、
顔の表情が微妙に違うんですね。
こちらのほうが寄り目で、かなり気が弱そうです。
この鍾馗さんも少ない。

【0080BX】【0078BX1】遠く離れた親戚2010年07月23日 22時49分26秒

南知多町内海の鍾馗さん
(南知多町内海)
【分布と記録数】 愛知県(47)

奈良市中新屋町の鍾馗さん
(奈良市中新屋町)
【分布と記録数】 奈良県(16)、京都府(2)


この2種の鍾馗さん、実によく似ています。
下は斜めに生えた角のような進士巾がトレードマークなのと
顔つきが上に比べ陰気くさいのが特徴。

これだけ似ていながら、分布地は全然違います。
上は愛知県内だけで見られ、
下はほぼ奈良市内のみ。京都府で2体見つけていますが、旧木津町と山城町。
奈良市の隣町です。

なぜこんなことが起こるのでしょうね?

【0141】奈良の特産種2010年07月22日 23時51分03秒

奈良では非常によく見かけます。
しかし余所ではほとんど見ず、大阪にわずかに記録があるだけ。
奈良ローカルで手広く商売していた瓦屋さんの取り扱い?
奈良盆地全域で見られますが、奈良市や大和郡山市といった北部には少ない。

【分布と記録数】 奈良県(124)、大阪府(6) 合計 (130)
【リンク】 収蔵室

河合町穴闇の鍾馗さん
(河合町穴闇)

この鍾馗さんでは足元の台座が金網のような模様になっています。
この模様にはいろいろなパターンがありますが、
基本的な鍾馗さんの形態はこれひとつ。


広陵町百済の鍾馗さん
(広陵町百済)
唯一、この鍾馗さんだけが、少し雰囲気の違う亜種ですが、
2009年再訪時には見当たらなくなっていました。
失われた可能性が高そうです。

【0095】守りの備えは大丈夫?2010年07月21日 22時36分25秒

愛知、滋賀、京都に多い一般的な鍾馗さんです。
椅子に腰掛けたようなポーズは安定感がありますが、
鬼に対抗して、いざというとき機敏に動くにはちょっと?

【分布と記録数】 愛知県(116)、滋賀県(53)、京都府(47)、三重県(14)、奈良県(12)、
            岐阜県(8)、大阪府(5)、兵庫県(1) 合計 (256)
【リンク】 収蔵室

名古屋市南区元桜田町の鍾馗さん
(名古屋市南区元桜田町)
これが標準タイプ。愛知県に多く見られます。
そして現在でも三河で作られている模様


京都市上京区西洞院通の鍾馗さん
(京都市上京区西洞院通)

上にそっくりですが、識別のポイントは
1)腰紐の結び目 これは左右長さが違うが、上のはほぼ同じ長さ
2)袴の襞の数  こちらの方がやや多い。

まあ、微妙な違いです(^^;
気にする必要はないでしょう。

こちらの方が、何となくですが表情は恐ろしげ。

竜王町岩井の鍾馗さん
(竜王町岩井)

数としてはこれが一番多い。各地で見られます。
造形が簡略化されて出っ張りも少なく、いかにも大量生産向き。


甲賀市甲南町葛木の鍾馗さん
(甲賀市甲南町葛木)

かなり造形的な特徴も違っている上、他よりかなり大きい。30cmあります。
今でも作られていますが、不思議にあまり見たことはない。


京都市東山区下河原通の鍾馗さん
(京都市東山区下河原通)

こちらはうって変わってちんまりしています。16cm
これも今でも作られていますが、町ではほとんど見たことがありません。


半田市有脇町の鍾馗さん
(半田市有脇町)

これは突然変異。最初の鍾馗さんと同じかもしれませんが
表情があまりにも違うので、別亜種としました。