2011/4/10 小坂井・豊川 ― 2011年04月17日 23時56分10秒
豊川方面に花見に出かけたついでに鍾馗さんを探してきました。
名鉄伊奈駅から豊川稲荷駅まで寄り道しながら約12km。
以前にも歩いたことがありますが、
今回は旧街道とおぼしき道を一直線に歩きました。
残念ながら目新しい収穫はありませんでしたが、
以前に小坂井の東海道沿いで見つけた鍾馗さんを再訪して来ました。
この鍾馗さん、なぜか街道には背を向けています。
街道側からはこんな感じ。
何か文字が書かれているのがおわかりですね。
2007年にはじめて見つけたときは撮影時に気がつかず、
写真を見てもせっかくの銘がよく読めませんでした。
左が2007年の撮影、右が今回のもの。
これならはっきりわかります。
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明治■八年 未三月上旬 (■は"廿"か"十")
製造人 三州八名郡/鈴木金次郎/西郷小野田
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明治28年が未年なので、■は"廿"だろうと予想していました。
八名郡はかつて豊橋市の北東部に存在していた郡名。
小野田村は1889(明治22)に他と合併して西郷村になり、
さらに1906(明治39)にその西郷村が他と合併して石巻村になっています。
その後、石巻村は1955に豊橋市に編入されて現在に至っていて、
「西郷」という地名は明治22の合併以前の村名にはなく
"西郷小野田"という銘の表記は、
西郷村小野田の状態だった明治22年から明治39年の間に、
この鍾馗さんが作られたことを裏付けるものといっていいでしょう。
鈴木金次郎さんは色々な飾り瓦を製作していたのでしょうか、
自分の名を刻んだ印判を誂えています。
東三河地方は鍾馗の少ない地域ですが、
こうした職人さんが明治には確かに存在していたようです。
写真は二川稲荷の御衣黄。
緑がかった花を咲かす、珍しい桜です。
きれいに見えますが咲いていたのはこの二輪だけ(^^;