八幡系 (4) 様式の継承と作家意識2010年09月09日 23時52分06秒

かわらミュージアムでは、他にも面白いものを見つけました。

かわらミュージアム「棟鬼」
鍾馗さんではありませんが、寺本仁兵衛の作。
技巧を凝らしています。

そしてこちらは野洲市で発見した、八幡系鍾馗の優品
野洲市木部の鍾馗さん
(野洲市木部)

顔の表情など、驚くほどそっくりです。

この鍾馗さん、側面に銘が入っています。
野洲市木部の鍾馗さん(側面)
◇北村 瓦屋 平右ヱ門  と読めます。
残念ながら作成年代はわかりませんが、寺本仁兵衛とは別人です。

寺本家が八幡瓦製造の中心だったとすると、こちらはその系譜に属する、
弟子のような人だったのでしょうか。
この鍾馗さんも技術は非常に高く、本家の技術が継承されています。


通常、鍾馗さんに銘が入っていること自体がごくまれで
ほとんどの作者は「作品」を作っているという意識はなかったと思いますが、
八幡系鍾馗の作者はある程度、作家意識があったものと推測できます。

「銘を入れる」 
このことが、八幡系鍾馗が他の鍾馗さんとは一線を画する存在だった
ひとつの証しだと思います。

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