【0065】正真正銘 奈良限定2010年08月15日 23時18分37秒

【分布と記録数】 奈良県(74)
【リンク】 博物館・収蔵室

奈良県ではよく目にしますが、他では一体も見つかりません。
これは意外に珍しいこと。
交通が発達してからは、窯元や瓦屋さんの商圏も拡がり
基本、地域に根ざした商売をしていても、引き合いがあれば
隣県へ出向くことはやぶさかではないはずで、
偶然なのか、途絶えたのが古いのか。確かめようもありません。

橿原市北八木町の鍾馗さん
(橿原市北八木町)
こちらが大部分を占める標準タイプ。

五條市今井の鍾馗さん
(五條市今井)
これは標準タイプの変り種で鬼瓦と一体焼成。
へら跡もやや派手。一品ものです。

王寺町本町の鍾馗さん
(王寺町本町)
こちらは別タイプでややずんぐりむっくり。

川西町唐院の鍾馗さん
(川西町唐院)
ずんぐりタイプのバリエーション。
胸に「九字」を切っています。一品ものです。

橿原市高殿町の鍾馗さん
(橿原市高殿町)
これもずんぐりタイプのバリエーション。
細部意匠が違っていますが、基本スタイルは同じ。
一品ものです。

五條市須恵の鍾馗さん
(五條市須恵)
これもずんぐりタイプのバリエーション。
一品ものです。

これら細部の違いは型から抜いたあと、
職人さんがへらを片手にいろいろ工夫した結果。
瞬間芸みたいなもので、無数のバリエーションが存在します。
気にし過ぎてもきりがないし、なるべく尊重して区別してあげたいし。

悩ましいところです。