【0084】安定感抜群 安産型 その③2010年07月11日 23時15分22秒

今日も続きですが、共通の特徴は剣を下におろしているところ。
いずれも発見数は数体以内で、珍しいものです。

京都市上京区二番町の鍾馗さん
(京都市上京区二番町)

京都市東山区轆轤町の鍾馗さん
(京都市東山区轆轤町)
赤い塗料はおそらく後付け。

八幡市橋本の鍾馗さん
(八幡市橋本)

八幡市橋本の鍾馗さん
(八幡市橋本)

四条畷市中野本町の鍾馗さん
(四条畷市中野本町)

寝屋川市高柳の鍾馗さん
(寝屋川市高柳)

枚方市渚元町の鍾馗さん
(枚方市渚元町)

2010/7/10 御所市風の森峠~大和高田市2010年07月12日 23時46分16秒

ほぼ一か月ぶりの探索日和。
しばらく週末は雨ばかりでだいぶ欲求不満がたまっていました。
いろいろ迷った末、奈良盆地南部、御所市方面に出かけることに。

「風の森峠」は五條と御所の間に位置しますが、いい名前です。
比較的開けた峠で、西に金剛山、葛城山を望んで
なだらかな傾斜地に民家が点在し、標高が高いわけではないですが、
空が広くて高原の雰囲気を持っています。

今回はここを起点に北上し、大和高田までを歩きました。

奈良らしい伝統様式の民家があちこちに残る葛城古道は
鍾馗さんの影は薄くても、十分楽しめます。

伝統様式の民家&鍾馗(御所市船路)

船路、名柄などの集落を経由して御所市街地をうろうろしたあとは、
脇田でおとんさんと落ち合い、ここからはおとんさんの車で同行探索。

ひと山越えれば大阪のこのあたりはおとんさんの準ホームグラウンドです。

この日は変化にとんだ久々のフルタイム探索を堪能しました。
暑くても、やっぱりお外がいいな!

【0134】巨顔・大阪系ルーツ?2010年07月13日 23時25分24秒

今日紹介するのも関西一円どこでも見られる、一般的な鍾馗さんです。
ただしこれもバリエーションが14もあり、
今日はなかでも一番ありふれたタイプからご紹介。

【分布と記録数】 大阪府(84)、愛知県(64)、京都府(37)、滋賀県(21)、奈良県(16)、
            三重県(16)、兵庫県(3)、岐阜県(1)、埼玉県(1) 合計 (243)
【リンク】 収蔵室

京都市上京区大宮通の鍾馗さん
(京都市上京区大宮通)
こちらが最も多い標準タイプ。分布地全域で見られます。
下の2つとはポーズ、パーツともほとんど差はなく、
識別のポイントとは顔の大きさ、身体とのバランス。

京都市東山区宮川筋の鍾馗さん
(京都市東山区宮川筋)
上に比べ、かなり小振りの鍾馗さんで、顔が大きく見えます。
これはこの一体のみ。

豊田市駒場町の鍾馗さん
(豊田市駒場町)
こちらは明らかに背が小さく、顔も小顔。
愛知県が分布の中心ですが、関西各地でもあちこちで見つかります。


堺市中区八田北町の鍾馗さん
(堺市中区八田北町)
識別ポイントは左手。
他と違って自然に下ろしています。
そしてやや前かがみで造形されていました。

これら4種はいずれも型で造形する量産タイプでしょう。

【0134】巨顔・大阪系ルーツ? その22010年07月14日 23時48分54秒

昨日の続きですが、鬼を踏んでいないタイプ。
このタイプはぐっと少なくなって、今日紹介の3タイプを合わせても
まだ10体も確認できていません。

貝塚市半田の鍾馗さん
(貝塚市半田)


井手町井手の鍾馗さん
(井手町井手)

二つの違いは微妙で、上のほうが剣がちょっと短いかな?

明石市林の鍾馗さん
(明石市林)

これは足が左右反対、左足を上げているので
簡単に区別できます。

これらは数が少ないものの、それほど古くない型物だと思います。

【0134】巨顔・大阪系ルーツ? その32010年07月15日 00時12分59秒

続きですが、ちょっと異質な2タイプを紹介します。

京都市中京区油小路通の鍾馗さん
(京都市中京区油小路通)

他では目立たない進士巾が目立っていて、印象が他とは異なりますが、
顔の造りや、ポーズ、細部の意匠とほぼ共通です。

京田辺市薪里ノ内の鍾馗さん
(京田辺市薪里ノ内)

さらにこちら、さすがにこれを同類に入れるのには
管理人としてもためらいがありましたが・・・

表情、特に目元と左手のポーズを決め手に
独断でここに入れました。

祇園祭 宵山を満喫2010年07月17日 23時55分46秒

15日(木)夕から、16日まで、京都で祇園祭を楽しんできました。

一か月も続く祭りのメーンイベントとして有名なのは、
山車の山と鉾が町なかを練り歩く、17日の「山鉾巡行」ですが、
3日前から始まる「宵山」も大変な賑わいをみせます。
前日が「宵山」、前々日が「宵々山」と言われます、三日前は「宵々々山」ですね。

関西以外では「山鉾巡行」以外はあまり報道されることもないため、
私は「宵山」の賑わいを知らず、
4年前、偶然に宵山当日に京都郊外に宿泊して、
初めて宵山の規模の大きさと賑わいに驚いた覚えがあります。

その際は一人だったため、祭を楽しむには限界があり、
今回は家族と一緒に訪れました。

四条通(函谷鉾)
四条烏丸から西方(函谷鉾と遠方に月鉾、郭巨山)

金曜日は四条烏丸で待ち合わせましたが19時にはもう、大変な人。
前日は雨もよいで人出も多少少なかったようですが、
この日は35万人とのこと・・
広い四条通は歩行者天国ですが、左側通行。
人が溢れています。

室町通(菊水鉾)
室町通(菊水鉾)
 ビルに囲まれた四条通ではあまり感じませんでしたが
 町屋の多いここでは、鉾は大きく、背が高く見えます。
 天高く突き立てられた鉾の最上部は五階建てのビルくらいの高さ。


さらに大路から細い通りに入ると、そこはもう大変なことになってます(^^;
両側には露店が立ち並び、広くない通りがさらに狭まっています。
この室町通は、人間が北行きの一方通行!
確かに双方向の人の流れが入り乱れたら危険な混み方。
(それでも流れに逆らっていく人はいっぱいいましたが)


中心街はどこもそんな雰囲気で、
各町のお囃子の音、道行く人々の雑踏、屋台の呼び込みや食べ物の匂い
まさにお祭り騒ぎです。
室町、新町あたりの、普段の静かな様子を知る自分にとっては
その変り様は驚きでした。

それにしても楽しかったなぁ。

おとんさんのBBSご紹介2010年07月19日 23時35分23秒

不規則な生活で、2日ほどサボってしまいましたが、
気を取り直して再開します。

おとんさんが掲示板を立ち上げられました。

鍾馗の情報掲示板としては日本初 ということは世界初!

といっても今のところ、おとんさんと私の二人で盛り上がっているだけなので、
ぜひ皆様からも、街で見かけた鍾馗さんの情報提供をお願いいたします。


祇園祭 おまけ2010年07月20日 00時05分23秒

前回2006年に宵山見物した際と今回で、
同じアングルの写真がありました。

長刀鉾 2006年
長刀鉾 2006

長刀鉾 2010年
長刀鉾 2010

雨もよいだったため、ビニールがかかっているのが残念ですが、
囃子方(はやしかた)の人たちが腰掛けた、すぐ下の布地が
豪華になっています。

ネットで探すとこんな記事がありました。

「緋羅紗地五彩雲麒麟図刺繍」だそうです。舌噛むな・・
ちなみに費用は1500万円かかったとか・・・・・・・

【0134】巨顔・大阪系ルーツ? その4 ―2010年07月20日 23時53分10秒

しばらく空けてしまいましたが、「街でよく見る鍾馗」シリーズ
【0134】のつづき、完結編です。

 その1 その2 その3

今日紹介の鍾馗さんは「よく見る」といっても実は希少鍾馗さん。
大阪府内を中心に3亜種合わせても10体弱しか確認できていません。

寝屋川市仁和寺本町の鍾馗さん
(寝屋川市仁和寺本町)

姿かたちはこれまでの鍾馗さんとそっくりなのですが、
エッジがシャープで、断定はできませんが型物でない
手作り感があります。

寝屋川市黒原城内町
(寝屋川市黒原城内町)

こちらは鬼なしタイプ。

八尾市東山本町の鍾馗さん
(八尾市東山本町)

このシリーズの最優秀作。

他に比べ一回り大きく(たぶん(^^; )、
鑿痕の切れ味の良い鍾馗さんです。
勝手な想像ながら、他はこれを手本に作られたのではと思います。

【0095】守りの備えは大丈夫?2010年07月21日 22時36分25秒

愛知、滋賀、京都に多い一般的な鍾馗さんです。
椅子に腰掛けたようなポーズは安定感がありますが、
鬼に対抗して、いざというとき機敏に動くにはちょっと?

【分布と記録数】 愛知県(116)、滋賀県(53)、京都府(47)、三重県(14)、奈良県(12)、
            岐阜県(8)、大阪府(5)、兵庫県(1) 合計 (256)
【リンク】 収蔵室

名古屋市南区元桜田町の鍾馗さん
(名古屋市南区元桜田町)
これが標準タイプ。愛知県に多く見られます。
そして現在でも三河で作られている模様


京都市上京区西洞院通の鍾馗さん
(京都市上京区西洞院通)

上にそっくりですが、識別のポイントは
1)腰紐の結び目 これは左右長さが違うが、上のはほぼ同じ長さ
2)袴の襞の数  こちらの方がやや多い。

まあ、微妙な違いです(^^;
気にする必要はないでしょう。

こちらの方が、何となくですが表情は恐ろしげ。

竜王町岩井の鍾馗さん
(竜王町岩井)

数としてはこれが一番多い。各地で見られます。
造形が簡略化されて出っ張りも少なく、いかにも大量生産向き。


甲賀市甲南町葛木の鍾馗さん
(甲賀市甲南町葛木)

かなり造形的な特徴も違っている上、他よりかなり大きい。30cmあります。
今でも作られていますが、不思議にあまり見たことはない。


京都市東山区下河原通の鍾馗さん
(京都市東山区下河原通)

こちらはうって変わってちんまりしています。16cm
これも今でも作られていますが、町ではほとんど見たことがありません。


半田市有脇町の鍾馗さん
(半田市有脇町)

これは突然変異。最初の鍾馗さんと同じかもしれませんが
表情があまりにも違うので、別亜種としました。