2009/2/1 支離滅裂な訪問先2009年02月02日 22時49分10秒

山科の鍾馗さん
土曜日は雨との託宣に従って、お出かけは日曜日に。

ところが直近になって天気予報をチェックすると!!!
最大風速が10m以上の強風ではないですか。
冬のお出かけでは気温そのものより、風の強弱がポイントで、
強風の中、気力をなくして途中リタイヤということも何度かあります。
予定していた行き先も津市郊外でまさに鈴鹿おろし直撃。
逡巡しながらも早起きしてベランダへ出てみるとまさに風ピューピュー。
この時点でお出かけのテンションはほとんどゼロ。

いったん布団に戻りましたが、そうはいっても休日に、日がなごろごろ過ごすのももったいない。 朝の5時、お出かけプラン再構築の開始です。

こういう日に出かけるのであれば、吹きっさらしのない都会がベター。
ネットサーフィン中に見つけた鍾馗さんの情報で、散在していてなかなか機会のなかった数箇所を、余っていた「スルッと関西2daysチケット」の一日分を活用して回る事にしました。
行き先は、大阪府岸和田市、大阪市住吉区、京都市山科区。
滅茶苦茶ですが、気になるものは気になるので仕方がない。
どうせ寝ぼけまなこで作ったプランです。
気を取り直して6:10に自転車にまたがって出発しました。

名鉄⇒近鉄⇒南海⇒大阪市営⇒京阪⇒京都市営⇒京阪⇒新幹線⇒名鉄と、電車に乗りに行ったようなものですが、それはそれで好きなので苦になりません。
情報のおかげで、なんとか目的の鍾馗さんをすべて発見できました。成果は本宅をご覧ください。

山科では大津へ向かう旧東海道を歩きました。
このあたり、京都と滋賀の県境が入り乱れ、家に戻って確認すると
見つけた鍾馗さんも、京都のものと滋賀のものが混在していました。
一日で3府県を歩くという初めての経験となりました。

帰宅してからTVを見ていたら、津市の最大瞬間風速 26m/s!!
行かなくて良かった・・・

最後に、情報を使わせていただいた3件のサイトを紹介し、謝意を表します。 ありがとうございました。

民の謡 (たみのうた)さんのブログ

西宮の屋根関係の会社 吉川商店さんのブログ

mickanさんのブログ

カメラ更新!2009年02月04日 23時46分37秒

住吉の鍾馗さん
2年ほど使用したK100Dを下取りにだし、K20Dを購入しました。
K100Dではおそらく数万枚撮影しましたが、トラブルもなくよく働いてくれました。
残念ながら600万画素で、遠くの鍾馗さんを大きく写したい自分にとってそこだけが不満で買い替えすることにしました。
K20Dは1,460万画素。威力はてきめんですが、撮影は難しい。
これまでなら余裕だったような撮影条件でも手ブレばかりです。
修行しなおしですね・・・

2009/2/7 津市2009年02月08日 21時07分09秒

津市今徳の鍾馗さん
先週は寒波で一週順延した三重県シリーズ。
第三弾は津新町駅を起点に西へ、旧美里村、安濃町方面に向かいました。
朝は冷え込んだものの、風も弱く穏やかな好天に恵まれました。
近鉄の車窓から拡がる鈴鹿の山並みが、ちょっとこれまでに見たことがないほど澄み渡っていたのが印象的でした。

神戸、片田を経由して美里村五百野まで、そこから北に向かい家所から安濃町前野、浄土寺、産品などを経由して、櫛形までの33kmを歩きました。
鍾馗さんはまずまず、このあたりも美里を除き、切れ目なく分布していました。
珍しいものもありましたのでまた本宅 鍾馗博物館をご訪問ください。

掲載の鍾馗さんは可哀想に頭だけになってしまいました。
心なしか表情も恨めしそうです。

滋賀の八日市で同じような鍾馗さんを見たことがありますが、
頭だけになってしまったのは初めてです。
通常、破損した鍾馗さんは省みられることなく破棄されてしまうと思われ、これらの鍾馗さんはある意味では幸運なのかもしれません。

2009/2/13 伊勢本街道からあちこち2009年02月15日 20時32分47秒

吉野町山口の鍾馗さん
先週以来の靴ずれの直りが悪く、あまり歩きたくなかったので
今週は自動車でのぐうたら探訪です。
歩いてはさすがに行きづらいような、三重・奈良県境の奥地を
一気に回ります。

勢和多気ICを降りて、かつて水銀採掘で栄えた丹生の町並みが今日の起点です。
その後は伊勢本街道に沿って、奥へ奥へ。
どこまで行っても集落が現れること、
かつては往来が激しかったと言われるわりには
険しい峠道があることに驚きました。
昔の人は足が丈夫だったのですね。

上多気、伊勢奥津を経由して奈良県へ。
御杖村、曽爾村など、こんな機会でもなければ
生涯訪れる機会はなさそうなところを通過します。
ところどころの集落をのぞき見ますが残念ながら鍾馗さんは見つかりません。
途中で伊勢本街道を離れ、大宇陀へ。
ここは何度も訪問したところですが
お気に入りの鍾馗さんがいくつかあり、写真を取り直しました。

さらに南へ向かい吉野町へ。
未訪の佐々羅周辺で鍾馗さんを捜し歩きました。

帰りは多武峰、榛原を経由し、都祁付近を流して帰路へ。

本日の走行距離は450km近く。
ガソリンは沢山使いましたが収穫はそこそこ。
もう少し落ち着いてゆっくりと探訪すべきですね・・

鍾馗とは?2009年02月15日 23時53分24秒

吹田市山田東の鍾馗さん
改めて、このブログのテーマである「鍾馗」さんについて。

私が追いかけている鍾馗さん、民家の屋根に置かれており
いわゆる魔除けの役目を持っています。

Wikipedia - 鍾馗

お札「鍾馗札」として玄関先に掲げられている場合もありますが、多くはここで紹介しているような、瓦製の人形であり、屋根のてっぺん(大棟)や一階の小屋根の上に置かれています。

日本全国で見られるわけではなく、近畿地方を中心に東海地方までに分布は限られ、関東、信越や中国四国地方以西ではごくまれに見られるのみとなります。

歴史的には19世紀初め頃からの風習のようで、それほど古いものではありません。
特に民家に置かれる性格上、古いものは残りにくい宿命にあります。

瓦は重量があるためか、かつては日本各地に瓦屋が存在し、地元で使う瓦をまかなっていたらしく、結果、鍾馗さんも地方色豊かで、鬼師(鬼瓦専門の瓦職人)や素人同然の職人さんが製作した個性的な「鍾馗さん」が今でもそこここに残されています。
しかしそういった零細な瓦屋さんも淘汰され、近年では個性的な鍾馗さんが産み出される背景は失われています。
さらに悪いことに日本の民家の寿命は短く、貴重な鍾馗さんも年々失われていっているようです。
古い家の場合、先代が建てた場合もあり、私が写真を撮っているのを見て、初めて自分の家に鍾馗さんがいることに気がついた、という方が少なからずいらっしゃいます。
建替えの時には省みられることもなく、棲家と運命を共にする鍾馗さんは数知れないことでしょう。
鍾馗を探し歩きながら、新築の家々を前にして「後30年早ければ」といつも感じています。

これまで、瓦鍾馗を研究された方は数少なく、どこにどんな鍾馗さんがあるのか、詳しくしらべた資料は存在しないようです。

等々、鍾馗さんを取り巻く状況は厳しいものですが、今日もあちこちの屋根の上で、鍾馗さんは踏ん張って鬼を見張っておられます。

このブログが、ささやかでも残された鍾馗さんに光をあてることにつながればと願います。

2009/2/15 岩倉、江南、犬山2009年02月16日 20時46分11秒

岩倉市の鍾馗さん
土曜日は雨の上がりが早まり、朝起きるともう止んでいます。
あまり期待していなかったので準備していなかったのですが、
こうなると家にじっとしていても何なので、急遽お出かけすることに。

今回出かけた尾張北部は、あまり期待はできないところですが、
最近は鍾馗分布の周縁部に行くことも多くなり、

『鍾馗さんがないことを確認しに行く』

という、普通にはちょっと理解しがたい探訪をするようになってきました。
さすがにこういうときは他の楽しみがないとつらいので、もっぱら町並みを眺めています。

名鉄犬山線を北上しながら、岩倉、布袋~古知野、犬山と回ってまいりました。

収穫は岩倉で2体。他はゼロでした。
写真の鍾馗さんは新しいもののようですが、これまで近江八幡で1体見たことがあるだけの、珍しいものです。

2009/2/21 玉城、多気、明和2009年02月22日 20時22分14秒

玉城町矢野の鍾馗さん
昨日は三重県、度会郡玉城町周辺を歩いてきました。
自分も最近までそんな町があることすら知りませんでしたが
伊勢市に隣接し、伊勢本街道や熊野街道など、
伊勢参りの街道がいくつも町内を通っています。

田丸という城下町を起点に一巡りしました。
三重県では近鉄沿線は電車で行きやすいのですが
ここは2両編成のワンマンカーがとろとろ走る
JR参宮線しかないので、車でないとちょっといきづらいところです。

季節風の強い寒い日で、鼻水をたらしながら田んぼ道を歩きます。
昼食は唯一あったコンビニで、
普段ならパンや中華まん、となるところ
少しでも暖まるものをと
カップヌードルの立ち食いです。

こうまでしての収穫は写真の鍾馗さん他。
決して沢山あるところではありませんが、
鍾馗さん文化は途切れることなくここにもありました。

動くものは難しい。2009年02月22日 20時43分56秒

玉城町を歩いていると、上空に大きな鳥。
カラスでもない、トビでもないのでとりあえず撮影。
ミサゴでした。
望遠レンズは手元にあるものの
日頃の被写体はほとんど動かないので勝手が違います。
アンダーになるのを恐れてマニュアル露出にしたら見事にオーバー。
恥ずかしい出来ですがとりあえずアップ。
このあとのミサゴ君、池にダイブして小魚を捕まえると、悠々と飛び去っていきました。

調べてみるものですね2009年02月22日 22時03分31秒

角大師(元三大師)
度会郡玉城町原。
和歌山街道の雰囲気が残る穏やかな旧道をぽたぽた歩いていると、とある民家の軒下に写真のようなお札を発見。
どこかで見たような気がするものの、お札には何も文字がなく手がかりなし。
WWWという武器も言葉なしではどうにもならないかと思いつつ、「鬼 魔除け お札」で画像検索したところ、よく似たお札を紹介したブログがいくつもヒット。

あっさりわかってしまいました。
角大師などと呼ばれる厄除け札でした。

Wikipedia - 良源

これってすごいことですね。
改めて感心してしまいました。
10年前だったらどうやって調べたんだろう?