はじめまして2007年10月01日 21時01分59秒

大和郡山市美濃庄町
瓦鍾馗の情報を発信していきます。
京都の街角のそこここに、鍾馗さんが置かれていることに気づいた方はおいでかと思います。
今そこにとことんこだわって、のめりこんで全国各地の鍾馗さんを探し歩いています。
マニアックなページですが、興味のある方はお付き合いください。 本宅《鍾馗博物館》 も訪問ください。

2007/9/29(土) 三重県松阪市、鈴鹿市2007年10月01日 21時19分05秒

松阪市下村町
9/29(土) 三重県松阪市 近鉄櫛田駅から松阪駅まで、鈴鹿市伊勢若松駅から長太ノ浦駅までを歩きました。これまでの残暑が嘘のように肌寒ささえ感じる朝でした。このままの天気であれば鍾馗探索には最高なのですが、昼前には雨が降り出し、徐々に雨脚が強くなってきたため行程の途中で打ち切ました。予定では四日市市塩浜まで足を延ばすつもりでしたが、また中途半端なところを残してしまいました。 発見した鍾馗は15体。三重県では標準的な出現率といったところでしょうか。初見は3体。本宅《Rolling KITE》では#840、#841、#842でアップしました。基本的には伊勢街道沿いに歩いたのですが、松阪でピットインのためコースアウトして立ち寄ったコンビニのほど近くに、それらしい集落とお寺があるのに気づいて偶然見つけたのが#840です。味わい深い鍾馗さんで、こんな出会いがあるから鍾馗さん探索はやめられません。

2007/10/7(日) 兵庫県明石市、高砂市2007年10月09日 21時01分59秒

10/7(日)は明石駅を起点に海岸沿い、山陽電車の南側を高砂市伊保駅まで歩く予定でスタートしました。以前に同じあたりでは西国街道沿いに姫路まで歩いたことがあり、鍾馗さんはほとんど見つからなかったため、リターンマッチのつもりでしたが見事に返り討ちにあいました。途中、西二見駅で挫折して高砂駅までは電車を使いました。約25km歩き、見つかった鍾馗さんは5軒で8体。これといった発見もなく、かなりつらい探索行となりました。 兵庫県では龍野市にまとまって分布していますが、海沿いのこのあたりではほとんど残されていないというのが自分の結論です。

2007/10/8(月)名古屋・四間道2007年10月09日 21時12分39秒

名古屋市西区那古野
大先輩、服部さんから教えていただいた名古屋駅に程近い四間道にある鍾馗さんを探しました。ここは駅から歩いても10分ほどの中心部ですが、戦災を免れ奇跡的に古い町並みが残されています。市の街並み保存地区に指定されていることもあってか、こちらのお宅もきれいに維持されており、鍾馗さんもしばらくは安心して空を睨みつけていられそうです。

瓦鍾馗の分布2007年10月09日 21時22分38秒

奈良県大和郡山市井戸野町
瓦鍾馗が見られる都府県は東から以下のとおりです。 埼玉県、東京都、長野県、静岡県、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、奈良県、和歌山県、京都府、大阪府、兵庫県、徳島県。 以上は管理人が実際に鍾馗さんを見て確認したところ。 その他、聞いたり見たりした情報では以下にもあるようです。 群馬県、神奈川県、福井県、香川県、山口県、宮崎県。 このように書くとずいぶんあちこちにあるようですが、数が多く普通に見ることができるのは関西地方と愛知県くらいで、その他の地域では非常に少なく、簡単に見かけられるものではなくなっています。

2007/10/13 三重県桑名市、東員町、いなべ市2007年10月14日 22時22分22秒

三重県桑名市森忠の鍾馗さん
10/13(土)金木犀があちこちで香る中、桑名駅を基点に員弁川沿いの集落を縫って、いなべ市笠田付近まで歩きました。数はあまり多くなく珍しいものも見つかりませんでしたが、これまで未探訪だったこのエリアにも鍾馗さんが分布していることが分かりました。写真の鍾馗さんは桑名市森忠のものですが、同じものはこれまで埼玉県上尾市で2体見つけたことがあるだけです。このように時々、とんでもなく離れた分布を見せる鍾馗さんがあります。

鍾馗さんの置かれる位置2007年10月14日 22時33分12秒

鍾馗さんは普通、屋根のてっぺん(大棟)か軒先、小屋根の上などに置かれます。鍾馗探索中は自然に目線は上の方ばかりをきょろきょろと見回すことになります。屋根の上に飛び出したものを遠目に発見すると、わくわくしながらあわててカメラを向けるのですが、後で確認すると、こんなものが写っていることがよくあります。よく間違えるのは電柱の先端、鳩、アンテナの台座といったところです。

瓦鍾馗の魅力①2007年10月16日 23時08分50秒

東近江市五個荘山本町の鍾馗さん
屋根に置かれる飾り瓦には鍾馗さん以外にも色々あります。恵比寿様、大黒様はその代表的なもので各地にたくさん見られます。鍾馗さんの写真を撮り始めた当初はそれらも区別なく撮影していましたが、いつの間にか鍾馗専門になっていました。要は鍾馗さんが一番面白かったということですが、改めて理由をこじつけてみると、鍾馗さんの多様性が魅力なのだと気づかされます。本宅でリストしていますが、本当に色々な鍾馗さんがいます。七福神が比較的ポピュラーで瓦職人にとっても形態がイメージしやすい(=パターン化)のに対し、おそらく江戸時代、明治時代には「鍾馗さん」の姿に確たる情報が少なく、職人さんは身近の鍾馗をお手本として、見よう見まねで造形していったのではないでしょうか。その結果、伝言ゲームの結果のように各地でさまざまな鍾馗さんが産まれる。瓦鍾馗の多様性はこのように生じてきたと見ています。

瓦鍾馗の魅力②2007年10月18日 23時08分59秒

名古屋市緑区大高町の鍾馗さん
鍾馗さんはもともと中国・唐時代の人物で、ややこしいことは略しますが、道教で信仰されたものが日本に伝わったそうです。 日本では魔除けとして屋根に掲げられる瓦鍾馗以外にも、五月人形になったり、鍾馗札として絵に描かれたり、東日本では藁人形(?)の鍾馗さんが祭りに使われたりと、決してメジャーな存在ではありませんが、色々な形で暮らしにとけこんでいます。 瓦鍾馗はそんな中でも魅力的な存在です。①でも触れましたがプロの手になる鍾馗札や五月人形と異なり、さまざまな職人さんが最低限のお約束(髯をたくわえている、刀を持っている、中国の官衣をまとっている・・)以外は自由に想像力を発揮して、時には「変てこな」鍾馗さんを作り上げています。 ほとんど情報もないなか、自分の推理と足で、見たこともない鍾馗さんを発見したとき、男の子がカブトムシを捕まえたときのように飛び上がって喜んでいます(心の中で)

2007/10/20 伊賀市、宇陀市、桜井市・・香芝市、王寺町2007年10月22日 22時37分37秒

橿原市新口町の鍾馗さん
諸先輩に教えていただいた鍾馗さんを拾い集めるため、車と電車、自分の足を駆使して三輪から下田まで、奈良盆地を横断してきました。このあたりは以前に相当歩き回り、ほとんど調べつくしたつもりになっていましたが、ずいぶん見落としがあるものです。それにしても奈良盆地に数多く点在する小集落は、他の土地とはひと味異なる独特の風情があるような気がします。昔、外敵の侵入への備えとした名残りで、お屋敷が密集した集落は自動車の進入を想定していない、細くて屈曲した道が不規則に走り、家々はむくり屋根を基本とし、重厚で落ち着きのある伝統様式、わずかに残る大和棟のお宅がアクセントとなります。集落にはたいてい中心にお寺があり、そしてその周りには「鍾馗さん」がひそやかに置かれています。集落を一歩出ると、遠くに三輪山、二上山など盆地を取り巻くおなじみの山々が目に入ります。